表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/226

お嬢様の猫探し2

「何だか、ジメジメしていて暗いですね…」


「気にしてる場合ではない」


どんどん進む刃影におどおどしながら付いていく美海


「執事さん、行きますよ」


「お、お、お嬢様…」


「執事さん、大丈夫ですか?」



廃墟2階


「猫ちゃ-ん…、何処ですか-?」


「そんな呼びかけで出てくる物なのか?」


「…たぶん、出てくると思います」


「ニャ-」


「…出てきたな」


猫が物陰からのそのそと出てくる


「見つけたな」


「可愛いですね…」


廃墟1階、階段の途中


「執事さん、行きますよ」


「…はい」


完全にテンションが下がった執事


「あ!居ましたよ」


「何かしていますか!?」


「よく見えないですけど…」

「何か、喋ってますね」



「キャッ!舐めないでください!!」


「我慢しろ」


「でも…」


「その程度も耐えられないのか?」


「くすぐったいです…」


「…我慢しろ」



「…大変なことになってるみたいです」


勘違いの秋雨


「お嬢様---!!」


飛び出そうとする執事


「落ち着いてください!!」


「しかし-!お嬢様がぁぁ!!」


「見守ってる意味がないでしょう!?」


「見守っているからこそ、今、行くのです!!」


「そりゃ、そうですけど!!」



「?」


猫に顔を舐められている美海


「どうした?」


「今、執事の声がしたような…」


「気のせいだろう」

「用事は済んだな?」


「は、はい!!」


「それにしても、何だ?コレは…」


刃影が辺りを見回す


地面には、花火の燃えカスや大量のゴミ、青年向け雑誌などが落ちている


「…不良のたまり場って所か」


「何ですか?」


「厄介事になりそうだな…」

「とっとと帰るぞ」


「?」



「執事さん、2人は猫を捜してるだけですよ」


「いえ、この様な場所に来たからには、それ相応の目的が…」


完全に冷静さを失っている



「それでよ-」


「マジかよ!!」


コッコッコッコ…


複数人の笑い声と足音が聞こえてくる




「誰か来ますよ!執事さん!!」


「ああ、刃影様が、お嬢様の結婚相手になるのでしょうか…」


「行きますよ~!!」


執事を引きずり、物陰に隠れる秋雨と執事



「…おい!誰か居るぞ!!」


「誰だ!?」


3人の不良が2階に上がってくる



「…あ?」


刃影と美海が見つかる



「テメェ達…、ココが俺達のたまり場って知ってんのか!?」


「知らん」

「俺達は猫を探しに来ただけだ」


「その猫も見つかったがな」


「じゃぁ、とっとと、出て行きやがれ!!」


「言われなくても、出て行くさ」


ゆっくり階段に向かう刃影と美海



「…おい!ちょっと待て」


「何だ?」


「お前じゃない!そこの嬢ちゃんだ」


「…何でしょう?」


「被ってる帽子を脱げ」


「…!!」


「ど、どうしてですか?」


「お前、よく見たら、如月家の美海って奴に似てるな」


「あ?如月家って爆発で吹っ飛んだんじゃ…」


「いや、噂じゃ、娘は生き残ってる、って話だぜ」


「マジかよ!?」



「もし、嬢ちゃんが美海なら、マスコミに売って金になる」


「さぁ!帽子を脱げ!!」



「…嫌です」


「あぁ!?」

「無断でココに入ってきたんだから、帽子ぐらい脱げよ!!」


不良の男が美海の肩を掴む


「キャッ!!」


パサッ…


地面に帽子が落ちる


「ビンゴだぜ!!」

「コイツ、如月 美海だ!!」


「…ッチ」


刃影が小さく舌打ちする


「おい!今すぐマスコミに連絡だ!!」


「お、おう!!」


不良の1人が携帯を取り出す


ガシャン


「…え?」


その男の手には、見るも無惨な携帯


「…て、テメェ!何しやがった!!」


「…連絡されては困るな」


「くそ…!!」


ガチャガチャ!!


不良達が鉄パイプを取り出す


「痛い目見たくねぇなら、とっとと降参…」


ゴキン


「あえ…」


不良の1人だ白目をむき、泡を吹く


「さて、「痛い目見たくねぇなら…」何だって?」


「ひ、ひぃいいぃ!!」


逃げ出す不良達


「逃がすと思うか?クズ」


ゴキ!ゴキン!!


「おげぇ…」


「う゛ぅ…」


ドガガガッガガッガ!!


階段から転げ落ちる2人の不良


「能力を使うまでもないな」


「彼達は大丈夫でしょうか…?」


「命までは奪ってない」

「まぁ、記憶は奪うがな」


「…そうですか」


「任務終了だ」

「お前は帰れ」


「刃影さんは?」


「俺は用があるんでな」


「?」


その後、不良3人組はWG学園によって美海を見た記憶を消された



喫茶店


「はぁ…」


大きくため息をつく執事


「良かったじゃないですか!勘違いで」


「しかし、今後もお嬢様が、あのような目に遭うと思うと…」


「仕方有りませんよ、それが任務ですから」


「…そうですな」

「私は部屋へ帰ります」


「はい!お疲れ様でした!!」


そう言って、執事は教員寮へと帰っていった


「スト-カ-…じゃなくて、見守りは上手くいったか?」


「メタルさん!」

「はい!メタルさんのおかげで」


「それは良かったな」


「まぁ、会長は爆笑してたが…」


「!?」


「「秋雨が趣味に目覚めた」と、言っておいた」


「…」


その後、秋雨は数十分間、固まった状態だった…




教員寮、美海の部屋


「執事、ただいま戻りました」


「お帰りなさい!聞いてください!今日は…」


美海は執事に任務のことを話した




「…それは良かったですな」


微笑む執事


「おや?」


「どうしたのですか?」


「部屋の前にこの様な物が」


「?」


紙に包まれた箱が置いてある



紙に包まれた箱に、メモが張ってある


「「任務の報酬」…だそうですよ」


「開けてみましょう」


ビリビリ



「コレは…」


そこには、美海がデパ-トで見ていたキャラクタ-パジャマが入っていた


「…なるほど、刃影様も洒落た事をなさるお方ですな」


「…ありがとうございます、刃影さん」



大事そうにパジャマを抱きしめる美海であった…

読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ