訪問者
ハロウィンイベントの片付けも終わり、生徒会メンバ-は通常業務に戻っていた
プルルルルル
生徒会室に鳴り響く電話
「はい、こちらWG学園生徒会室です」
電話に出る会長
「…そうですか、解りました」
ガチャッ
電話を置き、会長が物思いにふける
「…どうしたんですか?会長」
「…秋雨君、少し用事を頼みたいのだけど」
「?」
「アメリカ支部の人達が、校長との面接のために日本支部に来るわ」
「いつですか?」
「…今日よ」
「今日!?」
「それで、彼らを迎えに行って欲しいの」
「迎えに…ですか」
「会長、アメリカ支部って言ったら奴じゃないのか?」
「そうよ、鬼怒君」
「…面倒くさいことになったな」
「ええ、そうね…」
ため息をつく会長と鬼怒
「まぁ、良いわ」
「秋雨君!GLと竜山君でも連れて、空港に迎えに行って頂戴」
「…解りました」
空港
「へぇ~!コレが空港かぁ…」
辺りをキョロキョロと見回すGL
「見たこと無いのか?GL」
「うん!初めて見る!!」
「そうなのか…」
「ヘイ!ガ-ル!!」
「?」
チャラチャラした高校生くらいの身長の男がGLに声をかける
「ティでもどうだい?」
「えっと…、ご遠慮しておきます」
「そう言わずにさぁ~」
「おい!ココに彼氏が居るのが見えないのか!?」
そう言って竜山がチャラ男の前に秋雨を突き出す
「いや…、彼氏って…」
「オ-ノ-!彼氏持ちかよ!!」
「彼氏ってワケじゃ…」
「何やってんだ!この糞チャラ男がぁぁぁ!!」
ギュルルルル!!
ドリルのようなキックでチャラオを蹴り飛ばすマントの少女
「まったく…、油断も隙もないんだから!!」
「えっと…?」
「あ!私の相方が失礼しました!!」
笑顔で頭を下げるマントの少女
「やっべ…、背骨、逝ったかも…」
もだえるチャラ男
「何してるんですか?2人とも」
「迷惑かけないでよね-!!」
向こうから、火衣良ちゃんより少し年上の男女が歩いてくる
「えっと…?」
困惑し続ける秋雨達
「ああ!その制服はWG学園、日本支部の?」
歩いてきた男の子が切り出す
「あ…、はい!そうです!!」
「お迎えご苦労様です!私達、アメリカ支部より参りました」
「私は、クラウンと言う者です」
「こちらが、ミナモ」
そう言って、クラウンの隣の女の子がぺこりと頭を下げる
「で、このチャラ男がトルア」
「ヨロシクゥ!!」
「で、このマントの女の子がロ-ブです」
「よろしくね」
「私達、アメリカ支部が、この度、日本支部、支部長のロックに、連絡がありまして参りました」
「日本支部までの案内、よろしくお願いします」
「…は、はい」
「なぁ、竜山…」
秋雨が竜山にささやく
「何だ?秋雨」
「小さいのに、しっかりしてるな」
「そうだな…」
「何か、問題でも?」
「いえいえ!それでは、案内させていただきます」
秋雨がクラウン達を案内しようとしたときだった
「きゃぁぁぁ!!」
遠くで、女性が叫ぶ
「何だ!?」
見ると、覆面をした男達が、銃を持っている
「全員、頭を手の上にのせて伏せろ!!」
「…ジャック犯かな?」
「ココは様子を見た方が…」
ゆっくり下がる秋雨達
「イェア!そこのクレイジ-マン共!!」
トルアが叫ぶ
「ガ-ルの悲鳴を俺様に聞かせるとは、良い度胸してんじゃねぇか!!」
「何だ?このチャラ男」
覆面の男達が、トルアに銃を向ける
「ワンミニッツだ」
「あ?」
「1分で片付けてやるよ!!」
その声がした瞬間、覆面男の1人の顔をトルアが蹴り上げる
「ごぶぅ…!?」
「イエァ!スマ-ルフィッシュの群れだぜ!!」
ガンッガンッガンッ!!
次々に覆面の男達が蹴り飛ばされていく
「止まれ!!」
覆面男の1人が、女性に銃を突きつける
「お前…、能力者だろ?」
「さぁ!この女がどうなっても良いのか!?」
「オ-ノ-…、スタッチプガイだな…ユ-は」
「あぁ!?何、言ってんだ!?」
「馬鹿野郎だって言ってんだよ!!」
ボォ!!
「うわぁぁ!?」
覆面男の腕が発火する
「まったく…、飛び出さないでよね…」
ため息をつくロ-ブ
「ソ-リ-!謝るぜ」
「いや、発火もダメだと思うわ…」
ジュゥウゥゥゥウ!!
「うわぁ!?」
男の腕が、一気に消火される
「能力を乱用しちゃダメでしょ?」
ため息をつくミナモ
「アンタに言われたくないわよ!!」
怒鳴るロ-ブ
「この…!クソガキ共もがぁぁ!!」
男が懐から銃を取り出す
パァン!!
撃たれた銃弾は、ミナモの頬をかすめる
「ッ!!」
「大丈夫か!?ミナモちゃん!!」
竜山が駆け寄る
「今、傷の手当てをするから!!」
GLがミナモの傷の手当てに取りかかる
「僕は、アイツを抑える!!」
秋雨が竜山達の前に立つ
「…いえ、結構です」
ゆっくり歩いてくるクラウン
「…何をしてるんですか?ゴミ野郎」
クラウンが覆面の男を睨み付ける
「ひぃ…!?」
その表情からは、子供が放つとは思えない殺気が感じられる
「クロノコトダマ、シロノコトダマ、ハイイロノコトダマ」
呟くクラウン
ザクッ
「…え?」
男の片足から血が噴き出す
「ぎゃぁぁぁ!?」
パァン
次に、腹に風穴が開く
「おぶぅ…!?」
ゴスッゴスッゴス
そして、覆面男の四肢が潰される
「…!!」
声にならない悲鳴を上げ、地面に倒れる覆面の男
「…覚悟は良いですか?」
覆面男を見下ろすクラウン
「や…やめ…」
「アオノコトダマ」
クゥゥウゥゥン…
男の頭上に、何かは見えないが、確かに何かがある
そして、それがうなり声を上げている
「クラウン君!もう、やめるんだ!!」
秋雨がクラウンの肩を掴む
「…はぁ、またやってしまいました」
ため息をつくクラウン
「おっと、警察も来たみたいですし、僕達は退散しましょう」
「え…、ああ!そうだね」
「大丈夫ですか?ミナモ」
「うん…!傷もたいしたことないし」
「そうですか…、それは良かった」
微笑むクラウン
そうして、秋雨達は支部へクラウン達を送るため、WG学園の用意した車に乗った
読んでいただきありがとうございました