ハロウィン!ト-ナメント5
「行くわよ!秋雨君!!」
風華が腕を振る
ゴゥゥゥウン!!
凄まじい勢いで秋雨に突進する大華
「はぁ!!」
秋雨が大華を両手で押さえ込む
「やっぱり、防がれちゃうわね…」
「この華は、直線的な動きしかできないもの」
ジュゥウウゥゥウウ…
対価から煙が上がる
「!?」
徐々に溶け始める大華
「本当に、面白い能力ね…」
「でも、この大華を舐めちゃ、ダメよ?」
「…!?」
ガクン!
膝をつく秋雨
「どうしたの!?秋雨!!」
叫ぶGL
「力が…、入らない…」
「!?」
「この大華はね、エネルギ-の塊なの」
「それを吸収、分解するほどの体力はアナタに無いはずよ」
「それが、僕の能力の弱点ですか…」
「そうなるわね」
「それじゃ、お休みなさい」
ゴキン!
広場に鈍い音が鳴り響いた後、秋雨は気を失った…
保健室
「勘弁してください!会長!!」
「…ゆ、夢か」
ベットから起き上がる秋雨
「起きたか?秋雨」
「竜山!!」
「大丈夫なのか!?」
「ああ、もう大丈夫だ」
竜山の側には、火衣良ちゃんが眠っている
「…僕は、負けたのか?」
「そうみたいだな」
「先刻、校長がお前を運んできたんだよ」
「後、何人か運ばれてきたけど、刃影先輩と亞幹璃でベットが埋め尽くされたから、治療委員会の所に運ばれて行ったよ」
「そうなのか…」
「ト-ナメントは!?ト-ナメントはどうなったんだ!?」
「…ト-ナメントは」
呟く竜山
「やめろ!匂いで殺す気か!?」
「…夢か」
「…刃影さん、何が有ったんですか?」
「いや、それがな…」
「コスプレはやめてください!!」
「…夢でしたか」
「亞幹璃、お前は何が有ったか解ったよ」
「あれ?秋雨君に竜山君、刃影先輩じゃないですか」
「ああ、全員、運ばれてきたんだ」
「そうなんですか」
「で、竜山」
「ああ、ト-ナメントは…」
「水無月先輩とGLが勝負して、水無月先輩が勝利」
「会長と七糸は会長が圧勝」
「で、決勝戦は…」
「水無月先輩はGL戦で体力を消耗してたから、すぐに勝負が付いたらしいぞ」
「…そうか」
「そう言えば「ものすごい景品」って、何なんだ?」
「…3年分」
「え?」
「ハロウィン、特製アメ3年分らしいぞ」
「…えぇ~」
「まぁ、会長は目を輝かせた水無月先輩にプレゼントしたらしいがな」
「そうなのか…」
「って言うか、最後は女の戦いだったんだな…」
「俺は見たかったんだけど、火衣良ちゃんが離さなくてさぁ~」
「それで振り切らないお前は流石だよ」
「それにしても…」
「…何か、拍子抜けしたなぁ~」
大きくため息をつく秋雨
「そうだな…」
竜山も大きくため息をついた
「俺達は参加すらしてないがな」
「コスプレはやめてください…」
「頑張れ、亞幹璃」
バァン!!
「やっほ-!元気!?」
凄まじい勢いで会長とGL、水無月と骸瀧が入ってきた
「秋雨君!怪我はもう大丈夫かい?」
「はい、おかげさまで」
「秋雨!大丈夫!?」
「ああ、大丈夫だよGL」
「はい!一個あげる!!」
特製アメを差し出す水無月
「ありがとうございます…」
「あ!そうだ!!」
「どうしたんですか?会長」
「保健室と言えば…!!」
「「言えば」?」
「じゃ-ん!コレ!!」
会長が懐からナ-ス服を取り出す
「亞幹璃君!着てみる!?」
「…って、あれ?」
いつの間にか、ベットはもぬけの殻になっている
「…甘いわね」
ガッタ-ン!!
会長がベットをひっくり返す
「!!」
ベットの裏に張り付いている亞幹璃
「さぁ、着替えましょ?」
笑顔で近寄る会長
「…僕達は、出た方が良いね」
「…そうだな」
退出する秋雨達
「見捨てないでください~!!」
「…ゴメン!亞幹璃!!」
ピシャン!!
扉は閉められた
「ギャァァァァ!!」
保健室の外には、大きな叫び声が響き渡っていた…
ガラ!
保健室の扉が開く
「もう、入って良いわよ!」
「…」
泣きそうになりながら、震えている亞幹璃
「結構、似合ってるじゃないか!亞幹璃」
「…泣きたいです」
「コレで女だったらなぁ~」
「…アナタの趣味は聞いてません」
「良いんじゃない?可愛いわよ」
「…勘弁してください」
「会長に目を付けられたからには、諦めるしか無いぞ」
「…そう思います」
「私は幼女派だから」
「…聞いてません」
「可愛い~!!」
「…男です」
「じゃぁ、アナタ達は寮で休みなさい!」
「は-い!」
それぞれ解散する秋雨達
「さて、寮に帰って、服を脱がなくては…」
寮に帰ろうとする亞幹璃
ガシッ!
亞幹璃の方を会長が掴む
「…何処に行くのかしら?」
「…え?」
ザララララララ
会長が懐から大量のコスプレ服を取り出す
笑顔の会長
「しばらく、ココに居てね?」
「…勘弁してくだ」
「却下よ」
その日、少しだけだが、保健室の利用者数が増えたそうです
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