固定プロジェクト
生徒会室では、いつも通りの業務が行われていた
「はぁ…」
大きなため息をつく天鹿和
「どうしたんですか?天鹿和さん」
「もう、そんな季節ね…」
遠くを見つめる会長
「何なんですか?」
「裏のことは知ってるだろう?秋雨君」
「は、はい」
「僕が寝てる間は、裏が出てるんだけど…」
「いつもは、おとなしいんだ」
「それが、この季節は勝手に歩き出しちゃって…」
「気が付いたら凄い所にいるんだ」
「凄い所?」
「屋根」
「屋根!?」
「それを防ぐために、いつも会長達に監禁して貰ってるんだけど…」
「前回は、監禁用の鎖を引きちぎっちゃってね…」
「骸瀧先輩に死ぬほど怒られたよ…」
「あはは…」
「で、「もっと凄い監禁方法にした方が良いのでは?」って言ったら…」
「コレだよ…」
天鹿和が奥の部屋を開けると、巨大な十字架に巨大な鎖
「聖書に出てきそうな場面ですね…」
「うん」
「でも、裏の目的は何なんでしょうか?」
「それが、裏も教えてくれないんだ…」
「今年は、秋雨君にも手伝って貰うわ」
話を切り出す会長
「人手不足なのよ…」
「生徒会役員メンバ-も、裏相手には手こずるから…」
「そうなんですか?」
「認めたくないけど、天鹿和君と裏の精神攻撃は一級品よ」
「私も、頭を捕まれたら危ないわ」
「へぇ…」
「鬼怒君は、何故か、コレに関与しないのよね…」
「で、「鬼怒さんが居ないなら」って、春白ちゃんも来ないし…」
「刃影君は「面倒くさい」らしいから…」
「会長と岩角さんと骸瀧さんに水無月さんでやってるんですね」
「その通りよ」
「ま、今回は秋雨君とGLと竜山君にも手伝って貰うから…」
「大丈夫でしょ」
「は、はぁ…」
「深夜0時集合よ!!」
「は、はい!!」
深夜0時、生徒会室
「全員、来たかしら?」
「はい!」
「天鹿和君、準備は良い?」
「お、お願いしまふ…」
かなり眠いのを、我慢しているようである
「縛って!!」
ジャラララッラララ!!
鎖でガッチリと固定される天鹿和
「部屋の外には、外からしか剥がせない封印札を貼っておくわ!!」
「触っちゃダメよ!!」
「はい!」
「でも、封印札って…」
「無理に部屋の中から開けようとすると、電撃が流れるわ!!」
「作成者はイトウさんよ!!」
「あの人か…」
「皆、所定の位置について!!」
バタバタバタ!!
慌ただしく散るメンバ-達
「お休みなふぁい…」
「頑張ってね!天鹿和君」
バタン!!
扉が固定される
「私と岩角君は入り口を固めるわ!!」
「おう!」
「水無月ちゃんと骸瀧さんは屋根の前を固めて頂戴!!」
「はい!」
「了解した!」
「秋雨君とGL、竜山君は、屋根前の通路を固めて!!」
「はい!」
「はい!」
「解りました!!」
「それでは、裏固定プロジェクト、始動!!」
「固定プロジェクトって…」
岩角のささやかなつっこみ
ゴスッ!!
「ぐぅう…」
会長の見事なロ-キック
「行きなさい!!」
「は、はい!!」
屋根前の通路
「あ!竜山…」
「何だ?秋雨」
「火衣良ちゃんは?」
「部屋で寝てるよ」
「置いてきて良かったのかな…」
「連れてくるワケにも行かないだろ…」
「それもそうだな」
「ま、しっかり警備しないと会長に怒られるわよ?2人とも」
「お、おう!」
屋根の前
「水無月ちゃん、オバケとか怖くないの?」
「ココは見慣れてるから、大丈夫」
「あ、見慣れてない場所だとダメなのね」
「うん」
「…実はね」
「?」
「こっそり、喫茶店イベントの衣装を拝借してきたの!!」
「後で、着てくれないかしら?」
「…はぁ」
大きくため息をつく水無月であった
生徒会室、入り口前
「そろそろね…」
「裏が目覚めると、厄介なことになるからな」
「今回は、前回のようには行かないわよ!!」
燃える会長
「にしても、前回、裏が骸瀧の鎖を引きちぎった時は、ビックリしたな」
「まったくだわ」
ガァァァン!!
ガタガタガタガタタガ!!
大きな音が響く
「目覚めたわね!!」
「準備は良いかしら!?岩角君!!」
「おう!!」
裏固定プロジェクト
開始
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