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能力の確認

首狩の結婚祝いの後日、秋雨は生徒会室に呼び出された


「秋雨君、久々の戦闘任務よ」


「…戦闘任務ですか」



「ま、今回はチンピラの制圧だから、安心して良いわ」


「チンピラ?」



「能力Fランクのチンピラよ」

「余裕でしょ?」


「た、たぶん…」


「弱気ねぇ…」


「今回は、メタルさんも同行するから」


「メタルさんも?」


「…能力を見ておきたいそうよ」


「…そうですか」



「竜山君やGLは連れてっちゃダメよ?」


「?」



「チンピラごとき、あなた1人でチョンよ」

「3人で行ったら、能力を見るどころじゃないわ」


「ああ、なるほど…」


「じゃ、いってらっしゃい」


「いってきます」


それから、秋雨とメタルは、任務現場に向かった





「任務が終了したら、この携帯に、ご連絡を」


「はい」



「ご武運をお祈りしています」


そう言い残し、運転手は帰っていった



「秋雨」


「何ですか?メタルさん」



「俺は戦闘には参加しない」


「お前1人でやれ」



「…能力は使えるか?」


「何となくは」



「それで十分だ、行け」



「…はい」



任務現場には、チンピラがたむろって居た


「ん?何だ?兄ちゃん」


「任務により、アナタ達を捕縛します」



顔を見合わせるチンピラ達


「ギャハハッハハハ!!」


そして大爆笑



「俺達を捕縛~~?」


「調子のってんじゃねぇぞ!!」



ガタガタと立ち上がり、バットなどの武器を構えるチンピラ達


「やっちまえ!!」


「ウォオオォォ!!」



十数人あまりが、秋雨に襲いかかる


秋雨も、ハンドガンを構える



「おらぁ!!」


チンピラのバットが秋雨に直撃する


「…!?」



バットは凹む、と言うより溶けたようになった


「何だ!?こりゃぁ!!」



「ほう!面白いな」


感心するメタル



「一気にかかれ!!」


バットやパイプを持ち出してくるチンピラ達



「死ねやぁぁ!!」


全員が殴りかかる



ギュッと目を瞑る秋雨



ガァァァン!!


鈍い音が響く


「死んだぜ!確実になぁ!!」


爆笑するチンピラ達



「…あれ?」


チンピラの1人が異変に気付く


「バットが…、持ち上がらない?」


「俺のもだ」



「俺のパイプも持ち上がらねぇぞ」



全員がぐいぐいと、各々の武器を持ち上げようとする



「な、何だコレ!?」


よく見ると、全員の武器がひっついている


「くそ…!!何しやがった!?」


「ダメだ!完全にひっついてやがる!!」

「と、取れねぇ…!!」


バットやパイプは金属の塊と化している



「まったく、何やってんだ…」


奥から、大男がのそりと出てくる


「ア、アニキ!!」



「そんなガキ1人やれねぇでどうすんだ?」


「世話のやける奴らだ…」



「よっしゃぁ!全員下がれ!!」

「アニキの出番だぜ!!」



全員が、一気に下がる


「ふぅ…」


頭の上の塊が退いて、一息つく秋雨



「行くぞ、ガキ」


「来てください」



「むぅん!!」


拳を振り上げる男


「はぁあ!!」


「!!」



ガァン!!


地面が凹む


「これが、俺のパワ-だ」


「降参するなら、今のウチだぜ…」



「…来てください」


「行ってやるよ!!」



走ってくる男に向かって、ハンドガンを突きつける秋雨


「そんな弾丸も、俺の皮膚は通さねぇ!!」


パァン!!


カキィィィン!!


男の言ったとおり、弾丸は男に弾かれた



「食らいやがれぇ!!」


拳を振り上げる男



「…」


足元を見る秋雨


足下には、先刻の塊が落ちている



ガァアァアアン!!


秋雨は男の拳を躱す



「チィ…」


「おい、見ろよ!アニキのパンチでバットもぺっちゃんこだ!!」



男の拳で、金属の塊が凹む


それを確認し、男に向かい走り出す秋雨



「来たな!」


男は、拳を振り上げる



秋雨は、攻撃より金属の塊に触れる


「何してやがる!?」



「これで良し…と」


男の足下が、金属で固まる


「な、何だと…!?」



無論、男は身動きが取れない



カチャッ…


身動きが取れない男に、秋雨は銃を突きつける


「皆さん、おとなしくしてください」


「無抵抗なら、こちらも危害は加えません」



「おとなしくするのは、そっちだぜ!!」


後ろからチンピラの声


「テメェの相方を人質に取らせて貰った!!」


メタルの首元に、ナイフを突きつけるチンピラ



「良くやった!!」


男が余裕の笑みを浮かべる


「おい!早くこの金属を退かしやがれ!!」



「…」


遠い目をする秋雨



「おい!アニキが「退かせ」って言ってんひゃぁ…」


その言葉を言い終わらないうちに、チンピラが卒倒する


「戦闘には参加しないのでは?」


「…今のは例外だ」



「ば、化け物か…!?」


「どうでしょうね?」



秋雨がポケットから携帯を取り出す


「任務完了しました」




それから、チンピラ達は捕縛され、連行された




生徒会室


「ご苦労様」


「大した任務じゃなかったでしょ?」



「…はい」


「メタルさんは何か言ってた?」


「「気をつけろよ」と、だけ、言ってました」



「ま、意味は分かるでしょ?」


「アナタの能力は危険そのもの」



「むやみに使う物じゃないわ」


「…解ってます」



「…なら、良いわ」


「…それじゃ、寮に帰って休みなさい」



「…はい」








1年寮


「…僕の能力、か」


「どうした?秋雨」



「…何でもないよ」


「…そうか」



「竜山」


「ん?」



「僕の能力って、コントロ-ル出来るかな?」



「…それはお前次第だろ」


「…それは、そうだな」



「もう、あんな思いはゴメンだな…」


「俺もそう思うぜ」



「…そうだな」




秋雨 紅葉

役職復帰の初任務、達成



読んでいただきありがとうございました

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