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お見合い?

廃校事件から、しばらく経ったある日のこと…


秋雨は、定例会議に向かっていた


「この会議も久しぶりだな…」



「少し、時間をいただいてもよろしいですか?」


秋雨の背後には、夜風


「あれ?会議に来るのは、首狩さんじゃなかったけ?」


「先日、首狩さんは役職を昇格いたしましたので…」

「私が首狩さんの役職に就きました」


「そうなんだ」




「で、何の用?」


「ご相談があるのです」


「相談?」


相談中…



「えっと…、自分の両親に会いに行きたい、って事?」


「はい、その通りです」


「事件や、移動のことで行く暇がありませんでしたが、休みが取れましたので良い機会かと…」



「首狩さんにも同行していただきますが、あなたにも同行して欲しいのです」



「どうして、僕なの?」


「今、合いましたので」



「…適当なんだ」


その後、会議は終わり生徒会室の報告に行った後、正門前に集合した



「休みの許可は取ってあります」


「行きましょう、首狩さん、秋雨君」



「秋雨、お前は大丈夫なのか?」


「ええ、会長が「行ってこい」と言いましたので…」



「では、行きましょう」



学校を出ると、いつもの風景が広がっていた


「懐かしいな…」


「入学する前は、当たり前の風景だったのに…」



「私には、珍しい物でしかありません」


「本部に、ずっと閉じこもっていたので」



「そうなんだ…」



「そろそろ、バスが来る」


「準備は良いか?」


「はい」


「はい」



プシュ---


ガチャリと扉は開く



「乗ろうか」


バスは山の方へ向かう



バスに乗ってから、数時間、山の中を走り続けた


「ここだな」


見ると、小さな村がある



「降りるぞ」


プシュ---



ガァァ-


バスは走っていった



「ココが、お前の故郷か?夜風」


「…はい、そうです」



「夜風のご両親の家は、アレだな」


少し小さめの家である



ピンポ-ン


呼び鈴を押す首狩


「緊張するか?夜風」



「き、緊張などしていません!!」



「はい、何方?」


ガチャリと扉を開け、出てきたのは中年の男だった



「どうも、首狩と申す者です」


「お宅のお子様の件で、少しご用がありまして…」



「珠洲三が!?珠洲三が見つかったのか!?」


中年の男は、凄まじく食いついてくる



「いえ、見つかったと言うより…」


「ココに居ます」



「え…」



中年の男を前に、夜風はペコリと頭を下げる



「珠洲三…か?」


「ただいま戻りました、お父さん」



3人は、家に上がらせて貰った



「良かった…!本当に良かった…!!」


先刻から、夜風の父親は泣き続けている



「だらしないわねぇ…、アナタ」


「だって、お前…!珠洲三が戻ってきたんだぞ…!!」



「…本当に珠洲三かい?」


「は、はい!そうです!!」


完全に緊張している夜風



「その、綺麗な顔立ち…、私にそっくりだねぇ…」


「…お帰り、珠洲三」



「…ただいまです、お母さん」



「何があったか、話してくれるかい?」


「実は…」



理由説明中…



「そうかい…」


「その能力とやらのせいで…」



「両親に忘れられたショックで、自暴自棄になってた私を救ってくれたのが、首狩さんです」



「アンタが…、礼を言うよ」


「いえ、構いません」



その場の空気が、気まずくなってしまい、誰1人として喋ることがない



「秋雨!何か言え!!」


首狩が秋雨の耳元でささやく



「でも…、何を言うんですか!?」


「ジョ-クでも、何でも良いから!!」



「えっと…、何だか、この状況はお見合いみたいですね」


確かに、両親は揃い、娘と男、立会人が居るため、お見合いの状況に似ている



しかし、このジョ-クが騒ぎのキッカケとなった


「お見合いだと!?」


夜風の父が素早く反応する



「そうか!ワシは認めよう!!」


「私も賛成よ!!」



夜風の両親が、何かに肯定しだした



「首狩くん!珠洲三のこと、よろしく頼みましたぞ!!」


「…え?」



「早く、孫を私たちに見せて頂戴ね!!」



「…え?」



「良いわね?珠洲三!!」


突然、質問されたので、完全にパニック状態に陥る夜風



「え?え!?え!!?」


「どうなの!?珠洲三!!」



「は、はい!!」


…肯定してしまった



「よし!2人の祝杯は、この村であげよう!!」


「村中に知らせてきてくれ!!」



「解ったわ!!」


そう言うと、夜風の母親は走っていってしまった



「いやぁ…、良かった!戻ってきた上に結婚とは!!」


「少し若い夫婦かもしれんが、良い夫婦になるだろう!!」



爆笑する夜風の父親



「どうしましょう…、首狩さん」


「お父さん!勘違いです!!」



「いやぁ…、良かった!良かった!!」



まさに、聞く耳持たずの状態である



「大変なことになってしまった…」


「どうする!?夜風!!」



首狩が夜風の方を向くと、夜風は下を向いている


「よ、夜風…?」


「わ、私は別に…」



…さらに、大変なことになってしまった




読んでいただきありがとうございました

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