廃校の怪物
秋雨とGLが、竜山達と別れて2時間近くなる
2人は校舎内を歩いて行った
「ジメジメした所だな」
「流石に、気味が悪いわ」
「刃影さんと天鹿和さん、大丈夫かな…」
「大丈夫でしょ」
暗い校舎の中は、月明かり無しでは進めない
床は、踏む度に軋む
「キャァァァァ!!」
大きな叫び声が、廃校内に響く
「何だ!?」
「この声は…!!」
大急ぎで、声のした場所へ向かう
「水無月さん!どうしたんですか!?」
声のした場所には、水無月がへたり込んでいた
「アレだ!秋雨君!!」
骸瀧の指さした壁には、ツタが絡まっている
「ツタが、どうかしたんですか?」
「ツタに、人が…!!」
よく見ると、ツタに人が吊されている
「!!」
「亞幹璃!?」
「た、助けてください…」
秋雨達は、ツタを引きちぎった
「はぁ、はぁ…」
「大丈夫?」
「感謝します」
「どうして、あんな事に…」
「ココまで、会長に引っ張られて来られたのですが…」
「気が付くと、会長は消え、私1人になっていました…」
「会長も消えたの!?」
「はい」
「それから、ツタが伸びてきて…」
「ツタが、伸びてきた!?」
「キャァァァ!!」
振り向くと、水無月と骸瀧が、ツタに絡まっている
「な、何だ!?」
「見て!あのツタ、動いてる!!」
ツタは、ウネウネと動いている
「くっ!引きちぎるぞ!!」
「解ったわ!!」
秋雨とGLは必死にツタを引きちぎった
「何だ!?このツタの数は…!!」
「先刻は、簡単にちぎれたのに!!」
「まさか、亞幹璃は囮!?」
「本当は、水無月さんと骸瀧さんが目的か!!」
「でも、ツタが動くなんて…」
「どうなってるの!?」
「伏せいや!!」
後ろから、大きな声が響く
「ツタ=斬る」
スパァァン!!
ツタが、一刀両断される
「キャァッ!!」
水無月と骸瀧が、床に落ちる
「ば、挽我!寺冬!!」
「大丈夫かいな?」
「た、助かった…」
「あ、ありがと…う!?」
水無月が、寺冬を見た瞬間、骸瀧の後ろに隠れる
「水無月さん、どうしたんですか?」
「む、虫…!!」
寺冬の手は、カマキリの鎌と化している
「悪いね、君」
「水無月ちゃんは、虫が嫌いなんだ」
「…!!」
寺冬がショックを受ける
「…知っとるか?秋雨」
「何だ?挽我」
「アイツ、支部に来てから…」
「来てから?」
「水無月って嬢ちゃんを気にしとったみたいや」
「そうなのか!?」
「ショックやろうなぁ…」
「…み、水無月さん!!」
「何?秋雨君」
「助けて貰ったんですから、お礼は言わないと…」
「…あ、ありがとう」
「!!」
寺冬が立ち直る
「秋雨=感謝!!」
「あはは…」
「でも、このツタは何だったのかしら?」
「ツタが動くなんて、聞いたことがないし…」
「それだけではない」
「鬼怒さん!!」
秋雨達の背後から、鬼怒がやってくる
「春白もやられた」
「春白さんも!?」
「「ネズミが居る」と叫んだ瞬間、消えた」
「そうですか…」
「会長も、やられたそうです」
「風華が、か!?」
「はい」
「…相手はかなりの手練れだな」
「どういう事ですか!?」
「恐らく、カラスやネズミ、ツタにしても、誰かの能力だろう」
「刃影や天鹿和、春白、風華を倒すほどの奴だ」
「手練れと言うことに、間違いはない」
「…そうですか」
「良いか?」
「今から、団体行動を取る」
「コインを見つけるだけなら、個人で良かったが…」
「敵がいるとなると、団体の方が良いだろう」
「解りました!!」
「でも、メタルさん達も、どういうつもりでしょうか?」
「こんな危険なことさせるなんて…」
「いや、メタルさん達じゃない」
「!?」
「メタルさん達の中に、こんな能力を持っている人は居ない」
「じゃぁ…!?」
「恐らく、ココにいる「何か」の仕業だな」
「「何か」って…!?」
「コインを見つけ次第、ここから脱出だ!!」
「行くぞ!!」
「はい!!」
廃校舎探索より、3時間が経っていた
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