能力の危険性
「秋雨君、校長室に来なさい」
秋雨や、竜山達が話しているのを遮るように、校長が呟いた
「…何ですか?」
「来てみれば解る」
校長室
校長室には、メタル達とオキナ達も居た
「僕は、君に謝らなければいけない」
「「能力を、自分の経験で気づけ」と言ったばかりに、この様なことになってしまった」
「いえ、良いんです」
「結局、気が付かなかったのは、僕の無力さですから」
「そう、言ってくれると嬉しいよ」
「さて、用はもう一つ有る」
「何ですか?」
「君の能力の危険性だよ」
「…?」
「君の能力は、エネルギ-を吸い取る事じゃなく、エネルギ-細胞の強制変換だ」
「エネルギ-細胞だけなら良い」
「問題は、これ以上精度を上げていくと、全ての細胞を変換してしまうって事だ」
「どういう事ですか?」
「例えば、弾丸が飛んでくるとしよう」
「はい」
「その弾丸に触れるだけで、弾丸は君の思い通りの物質になる」
「…凄いですね」
「でも、そんな能力、コントロ-ル出来るんでしょうか…?」
「暴走とかは、精度を上げれば問題はないだろう」
「コントロ-ルも、十分可能だ」
「良かった…」
「いや、問題は君だ」
「僕ですか?」
「その能力は、危険すぎる」
「君の使い方によっては、最凶にもなり得る」
「…そんな事はしません」
「…なら良いけど」
「そもそも、能力は危険な物だからな」
メタルが横から口を挟む
「俺や金田、ガルスにオキナ達だって、ベ-スは同じ能力だったんだぜ?」
「そうなんですか!?」
「皆、強くなって行くにつれて、能力に変化も出てきた」
「お前も、例外じゃないかもな」
「…そうですか」
「ま、今回はしんどかった事に間違いはねぇ」
「ゆっくり休め」
「はい」
「本部の奴ら、中々強かったな-」
「未来有望で、何よりだ!!」
「お腹、減った」
オキナ達もゴチャゴチャ言っている
「後で、ガルスが何か届けるから」
「いっぱい食べてね」
金田が優しく微笑む
「ありがとうございます!!」
バタン!!
秋雨は、扉を強く閉め、出て行った
「そう言えば…」
「どうした?メタル」
「本部の連中が襲撃してきたとき、校長は何やってたんだ?」
「ん?寝てた」
「あの程度なら、良い訓練になるかな-って」
「お前らしいな」
「本部から、伝達来てるぞ」
「お前達に」
「俺達?」
「うん」
ビリビリ!
金田が、封筒を破り、中を確認する
「…!!」
金田が硬直する
「どうした!?」
金田の手から落ちた中身は、驚愕の内容だった
「メタル喫茶店従業員、オキナ戦闘員育成教官、他を給料を減給とす」
「終わった…」
金田が地に膝をつく
「減給など…!!」
「終わった…」
完全に燃え尽きる金田
「どうしてだ…?」
「そりゃ、本部突撃したからだろ」
「覆面してたじゃん…」
「そう言われれば…」
「あ!言っといたよ!!神月に」
万弁の笑みの校長
「お前かぁぁぁ!!」
「うん!本部で雑談がてらにね」
「「突撃してきたメタル達、どうだった?」って」
「「彼らですか」って言ってたね」
「もう少し、話しようかと思ったんだけど、迎えの船が来ちゃって」
「チクショウ…」
「それにしても、神月は何を考えているんだ?」
「お前を恐れるだけなら、お前を狙えばいいはずだろ」
「…何だろうね?」
「特殊能力者ばかり集めてるんだろ?神月は」
「なんか妙だな」
「ま、変な詮索はしない方が良いだろう」
「また、減給されるぞ」
「アハハハ!!そうだろうな!」
「秋雨達には、体力を回復して貰わないとな」
「後、2週間…、特別計画の始動だ!!」
「アレ…、か」
「楽しみだぜ!!」
メタル達の特別計画の始動まで
後、2週間
読んでいただきありがとうございました