能力判明
「ちょっと待ってください!!」
能力者なんて言われても意味が分からない
「心配することはない」
「能力や属性なんて僕は知りませんし、ここに入る気も有りません!!」
「…強制的に入ってもらう」
「どうして!?」
「試験で落ちた人が居ただろう?」
「…はい」
「彼らはランクF以下の能力者だ」
「ランク?」
「6属性をベ-スとした能力にはランクがある」
「G~Sまで、ね」
「僕はD以上だったんですか?」
「君は解っていない」
「…はい?」
「君のランクは機械で測定不能だったんだ」
「じゃあ、何でここに連れてこられたんですか?」
「測定不能ってことは、ランクS以上か、G以下ってことだ」
「僕は、G以下じゃ…」
「能力属性は出てる」
「っていうことは…」
「S以上ということですか?」
「そうでもない」
「?」
「前例が無いんだ」
「ランク測定不可能で、能力属性だけ出るのは…ね」
「だから、原因がハッキリするまで…」
「ここに入れってことですか?」
「そうだ」
「しかし、死ぬほど危険な任務でしょう?」
「…誰がそんなこと言った?」
「…はい?」
「能力を使いすぎれば、死ぬこともある」
「依頼で死んだ奴は居ないよ」
「戦争に投入されたり…」
「漫画の読み過ぎだよ」
「依頼は、主に、能力を使った者の犯罪制圧、防止だよ」
「GLの能力者は…?」
「…能力の使いすぎだ」
「能力を使いすぎると、どうして死んでしまうのですか?」
「能力って言うのは生命エネルギ-みたいな物だから」
「…そのうち慣れてくる」
「そうですか」
「説明は以上だ!何か聞くことは?」
「どうして僕だけ別室に?」
「…真の能力者は珍しいんだよ」
「…それだけですか?」
「…それだけだ」
案外、理由はくだらない
「そろそろ、皆の所に戻ろう」
「…はい」
「え-、能力検査、お疲れ様でした」
「属性は解っても、能力の詳細は分からないので、任務の時に自分で調べてください」
…かなり適当だな
「…これから寮に戻ってもらいますが」
「竜山君と秋雨君は残ってねw」
…は?
僕だけじゃなく、竜山も?
「君達には、話が有るわ」
「何でしょうか?会長」
竜山の目が獲物を狙う目である
「私ではないわよ」
「では、誰ですか?」
会長が、ため息をつきながら、後ろを指さす
「副議長の骸瀧さんよ」
「戻っていたんですか?」
「竜山君、心しなさい」
「…?」
「私が、副議長の骸瀧 鎖雷よ」
…女性だったのか
「女だったのか、って顔してるわね」
「…名前からして男性かと」
「よく言われることだから、気にしなくていいわ」
「秋雨君、アナタには、お礼を言うわ」
「お礼?」
「私の水無月ちゃんにアメをプレゼントしたそうね」
「…はい」
「竜山君!アナタは…」
竜山の目は期待に満ちている
「水無月をナンパしたらしいわね」
「アナタもしていいですか?」
「ちょっとこちらへ」
竜山は別室に連れて行かれた
生徒会室の皆さんは、葬式場の場所を調べている
岩角さんが、僕の肩に手を置いて呟いた
「水無月に手を出すと…」
「ギャァァァァァ!!!!」
奥の部屋から悲鳴が聞こえてきた
「あんな感じになるんだ」
…さようなら 竜山
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