究極の庶務
三門は、岩角の属性を把握できないで居た
正拳突きで、人が飛ばせるって事は、普通は風だろ…
違うって事は、攻撃力を高める火か?
いや、何かを仕込んでる可能性も…
「考え事か?」
「テメェには、関係ねぇよ」
「言葉使いを直せよ…」
「お前が俺に勝ったらな!!」
攻撃していけば、解るはずだろ…
「むぅん!」
「来たな!!」
岩角は、正拳突きの構えを取る
「ハァ!!」
ゴォォオオオォ!!
「ぐぅおお!!」
全力で、踏ん張る三門
ひゅぅぅうう…
「風はやんだか…」
「もう一回!!」
「させるかよ!!」
ガッ!!
三門の蹴りが、岩角の手に命中する
「これで、手は使い物にならねぇ!!」
「痛いじゃないか」
「!?」
「ぬぅぅええいい!!」
足を捕まれる三門
「うぉ!!」
グォォォン!
全力で、振り回される
「はぁぁぁああ!!」
ビュン!!
「おおおぉおお!?」
放り投げられた
「っとぉ!」
「見事な着地だな」
「どういう事だよ!?」
「ん?何が」
「俺の蹴りを食らって、手を使えるなんて…」
「…鈍いな、お前」
「あ!?」
「俺の属性に気が付かないのか?」
「火か!?」
「いや、岩だ」
「…!?」
岩は、防御力を高める属性
そうならば、蹴りを防いできたことは、説明がつく
だが、正拳突きはどうなる!?
「名前通りだな…!!」
「よく言われるよ」
2年寮内
「どうした?水無月ちゃん」
寮内では、骸瀧が水無月に運ばれ、休んでいた
「不安そうだけど…」
「岩角さんだけ残してきて、良かったのかなって…」
「心配要らないよ」
「アイツは負けない」
「え?どうして?」
「究極の庶務だから」
「究極の庶務?」
「私や、鬼怒君は役職に就いてるでしょ?」
「うん」
「でも、3年生で役職に就いてないのは、彼だけでしょ?」
「言われてみれば…」
「彼は、役職に就かなかったの」
「どうして?」
「「自分は、人を使うより、人に使われた方が良い」って言ってね」
「そうなんだ…」
「彼は、自分の言葉に責任を持ち、仲間を思いやり、努力を欠かさないわ」
「上にいても、良い人間だけど…」
「下に彼みたいな人が居てくれると」
「本当に安心する」
「そうなんだ…」
「だから、究極の庶務なの」
2年寮前
「さぁ!降参しろ」
「勝ち目が無いことくらい、解るだろう」
「勝ち目が無いだと!?」
「お前が手を出せば、それがテメェに返る!!」
「だが、俺は手出しできる!!」
「勝ち目が無いのは、テメェの方だ!!」
「確かに、正拳突きは攻略されたし…」
「じゃ、コレはどうかな?」
岩角が、力を溜め始める
「はぁぁぁぁ!!」
「何してやがる!!」
やばい!
何かは解らないが、やばい!!
「させねぇぞ!!」
全力で走っていく三門
「オラァ!!」
頭を狙い、全力で足を振り抜く
ガァァァァン!!
「…あ?」
鈍く響くのは、岩角の頭がい骨が砕ける音
の、はずだった
「あぁああ!!」
鈍く響いた音の、音源は三門の足
「足がぁ!俺の足がぁ!!」
岩角を蹴ったのとは、真逆の方向に足は曲がっている
「ふぅ-」
「コレやると、疲れるんだよね」
「何をしやがった!?」
「全身に、岩属性のエネルギ-を流しただけだよ」
「鉄の高度なんて、軽く超える」
「鉄より固い物を、全力で蹴ったら、そうなうよね」
「降参かな?」
「そんなはずねぇだろ!!」
「俺が…、俺が降参なんざ、許されねぇんだよ!!」
「敗北した時点でアウトだがな」
「ひ…」
パァァン!!
「ガハァ…」
ドサッ
岩角の目の前には、頭を打ち抜かれた死体が転がっていた
岩角 瓦威斗
勝利
三門 バルサ-ノ
死亡
読んでいただきありがとうございました