記憶の修復
「秋雨!!」
「静かに」
保健室は、生徒会の面々で溢れかえっていた
「君は、大丈夫なのか?竜山君」
「はい、傷は痛みますが…」
「イトウさん!秋雨の容態は…」
「良くないね」
「どうしても、記憶が戻らない」
「そんな…」
「…可能性としてだが」
「もし、軌跡の牢獄が、脳内に直接、干渉するタイプなら…」
「脳の細胞が、エネルギ-によって、破壊されているのなら…」
「秋雨君の能力を使えば、治るかもしれない」
「え!?」
「体の一部の細胞に、記憶が残っているのなら、脳に移植して…」
「能力を使うんですね!!」
「そうだ」
「でも、秋雨本人が、これじゃ…」
「…能力の強制発動が有る」
「強制発動?」
「相手の能力を、強制的に発動する、ってことだ」
「それはダメだろ」
「鬼怒先輩…」
「能力の強制発動は、失敗すれば、寿命を大きく削る」
「成功確率は、30%って所だ」
「他に方法がない」
「俺は、了承できないな」
「私の、エネルギ-細胞を使えば…!!」
「…GL、それも無理だ」
「どうして!?」
「秋雨から貰ったエネルギ-は、お前のエネルギ-に変換されてる」
「違うエネルギ-細胞を、組み合わせると…」
「体が破壊される」
「じゃぁ、どうするんですか!?」
「強制発動にかけるしかない」
「30%を跳ね上げる方法がある」
「何ですか!?」
「常に、エネルギ-を供給させておくこと」
「エネルギ-だけで良いから、属性は関係ない」
「ただし、供給できるのは、1人のみだ」
「2人以上は、エネルギ-が混合するから、危険すぎる」
「常にって…どれぐらいですか!?」
「1日中だ」
「それなら、どうにか…」
「今の秋雨は、無限に、高速でエネルギ-を吸収する」
「ヘタをすれば、供給させている奴も死にかねない」
「竜山達は、本部でエネルギ-を使い果たしてる」
「…他に、誰がする?」
「俺がする」
「鬼怒先輩!!」
「…次の書記を決めるのは、面倒くさいからな」
「お願いします!!」
「任せろ」
「じゃぁ、鬼怒君以外、出て行ってくれ」
「え?どうして…」
「病人が寝てるんだ」
「あ…」
「失礼しました」
バタン
「…全員、出て行ったか」
「鬼怒君、どういうつもりだ?」
「…何がですか?」
「神月総督が、この程度で諦めるとは、思えない」
「おそらく、襲撃してくるだろう」
「狙われるのは、秋雨や、元本部役員だ」
「無論、エネルギ-を与えてる君も、ね」
「エネルギ-供給中は、動くことが出来ない」
「いくら、君でも…」
「俺は、後輩に、この危険な仕事を任せました」
「自分の部下なのに…」
「罪幌の知ってワケかい?」
「ええ、そうです」
「…嘘はつく物じゃない」
「!!」
「ま、あまり深くは言わないよ」
「…後は任せたよ」
「…はい」
当日、夜間
「こちら、A班!目的地に到着です!!」
「同じく、B班」
「C班も、完了しました」
「ウフフフ!準備は良いかしら?」
「はい!」
校舎の各地には、本部、下位戦闘員が数名
そして、霧上が居た
「突撃しなさい!!」
「目標は、本部役員達、秋雨よ!!」
「了解しました!!」
霧上 魔羅
本部、下位戦闘員
支部、WG学園侵入
秋雨 紅葉
本部から帰還より、9時間が経っていた
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