帰還
本部に帰還した秋雨達は、すぐに治療委員に運ばれていった
「帰ったか、竜山」
「…メタルさん」
「秋雨の記憶はどうだ?」
「…戻ってないです」
「…そうか」
「ところで、見知らぬ奴が、3人いるが…」
「…3人ですか!?」
「うん、3人」
「変な方便使う奴と、変なしゃべり方する奴」
「あと、女の子」
「…挽我と寺冬と、誰だ?」
「ん?本部戦闘委員の、挽我と寺冬か?」
「ええ、そうです」
「って、事は…」
「くだらんル-ル作りやがって…」
「ル-ル?」
「竜山は知らないのか?」
「はい」
「敗北者は死すべし、だってよ」
「…何で、そんな」
「負けて、生き残ったら、情報を奪われるからな」
「…納得いきませんね」
「そんな物だ」
「メタル!!ちょっと来い!!」
校長が、メタルを呼んでいる
「ん?」
「話がある」
「え?俺、バカンスに行ってただけですよ?」
「本部のバカンスは楽しかったか?」
「…!!」
「ばれてますね…」
「…最悪だ」
「あ!竜山!!」
「何ですか?」
「首狩と、刃影に礼を言っておけよ」
「…はい」
保健室
「イトウさん…」
「心配するな」
「記憶の復元は、かなり時間がかかる」
「だが、出来ないこともない」
「そうですか!!」
「よかった…」
安堵のため息をつくGL
「不安なのは、秋雨が軌跡の牢獄に居たって事だ」
「言葉を残して、それ以外の記憶を消すなんて、聞いたことがないからな」
「ま、最善は尽くすさ」
「…はい」
「一旦、出るぞ」
「どうしてですか!?」
「エネルギ-、しばらく貰ってないんだろ?」
「キスなんて、こっちは、見たくないんだよ」
「アハハ…」
「さっさと済ませろよ」
「はい!」
バタン!!
イトウさんは出て行ってしまった
「…おかえり」
「秋雨」
「また、皆で過ごそうね…」
「秋雨ぇ…」
GLの目からは、大粒の涙がこぼれ落ちていた
「泣くなよ…」
「!」
「秋雨!?」
秋雨は、眠っている
「…早く、起きなさいよ」
「…バカ」
ガチャッ!!
扉が、勢いよく開く
「終わったか!?」
「まだです!!」
「早くしろよ!!」
風紀委員 特別休憩寮
「失礼します」
「…あの」
「来たか」
「首狩先輩…」
「今回は、お世話になりました!!」
「良いって事だよ」
「君も、火衣良ちゃんを救ってくれたじゃないか」
「でも…」
「刃影にも、礼を言ってあげてね」
「あれ?刃影先輩は…」
「生徒会室で、こってり絞られてるよ」
「僕もですかね…」
「さぁ?どうだろうね」
「絞られることは、高確率と予測します」
「うわ!!」
「い、いつの間に…」
「自己紹介をさせていただきます」
「この子は、夜風 珠洲三って言うんだ」
「先にしないでください」
ムッとふくれる夜風
「アハハ!ゴメンゴメン」
頭をなで回す首狩
「髪が乱れます」
「ん?そうなの?」
「…その人が、本部の?」
「ああ、そうだ」
「そうですか…」
「アレ?飛びつかないの?」
「全身が、悲鳴を上げてるので…」
「僕もだよ」
「私の仲間も、現在は意識不明だそうです」
「挽我と、寺冬が…」
「あの2人を倒したのは、アナタですか?」
「…そうだけど?」
「賞賛に値します」
「…どうも」
「彼らは、なかなかの手練れですから」
「ん?寺冬の能力って、何だったんだ?」
「か、彼の能力ですか…」
「え?どうしたの?」
「彼の能力は、あまり好めません」
「え?どうして?」
「…虫を食うんです」
「…え?」
「その虫の能力をコピ-するのが、彼の能力です」
「気持ち悪…」
「彼の食卓は、放送事故並みです」
「そうだろうな…」
「じゃ、刃影に会いに行ってこい」
「はい!お礼言ってきます」
バタン!
竜山は、生徒会室へ向かった
「元気だな…、アイツも」
「首狩さんに、質問があります」
「ん?何?」
「体で恩を返しても、よろしいでしょうか?」
「何を言い出すんだ!?」
「ここに来る途中、手鎧を装着した生徒会役員に会いました」
「…天鹿和か?」
「首狩さんを知っているようなので、「どうすれば恩を返せるか」と聞くと…」
「「体で返せ」と言われました」
「裏の野郎…」
「よって、やり方を…」
ゴンッ!!
夜風の頭に、首狩の拳がヒットする
「い…痛いです」
「体で返さなくても、良いから」
「では、どのようにすれば?」
「う-ん…」
「風紀委員に入れ」
「…え?」
風紀委員メンバ-
1名追加、決定
生徒会室
「刃影先輩」
「…」
「刃影先輩?」
「止めとけ」
「岩角さん」
「そいつ、会長に、こってり絞られたからな」
「不機嫌なんだ」
「にしても…」
「良く帰ったな!竜山」
「…ありがとうございます」
「水無月達は、秋雨の見舞いに行ってる」
「お前も行ってこい」
「はい!!」
秋雨 紅葉
本部から帰還より、3時間が経っていた
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