不在
秋雨 紅葉が本部に移行してから、1日が経っていた
「GLお姉ちゃん」
「何?火衣良ちゃん」
「秋雨お兄ちゃんは?」
「…居ないわ」
「何で?」
「難しいことは、考えなくて良いの」
「…うん!解った!」
「俺が洗濯物、干しとくぞ?」
「頼むわ、竜山」
「…私、校長室に行ってくる」
「…ああ」
校長室
「失礼します」
「…君か」
「秋雨に関する情報は…」
「無い」
「そうですか…」
「もう、諦めるんだ」
「本部の意向は絶対だし、説得する手段もない」
「…諦めた方が、君達のためだ」
「…失礼します」
バタン
「…諦められない、か」
喫茶店
「休業…?」
「君、知らないのかい?」
生徒がGL話しかけて来た
「どうして、休業してるんですか?」
「ここの従業員、全員バカンスらしいよ」
「…そうですか」
「こんな時に…!!」
「GL!!」
「…岩角さん」
「副会長が呼んでるぞ!!」
「…鬼怒さんが?」
生徒会室
「来たか」
「どうかしましたか?」
「エネルギ-摂取のことだ」
「秋雨が居なくなった以上、誰から摂取するんだ?」
「…彼は、「帰ってから合おう」と、言ってくれました」
「だから、私は彼以外からエネルギ-を貰いません」
「それでは、お前が…」
「彼は帰ってきます」
「…GL」
「もう、諦めるしかないんだ」
「会長から、全て聞いたぞ」
「本部に行くことも、秋雨を説得することも出来ない」
「…諦めるしかないんだ」
「だからって!!」
「GL!!」
「…ごめんなさい」
「もう、寮に戻れ」
「竜山にも言っておいてくれ」
「しばらく来なくて良い」
「治療委員長には、俺が伝えておく」
「…はい」
「しっかり休養して、頭を冷やせ」
「…解りました」
「体力も温存しておけ」
「…はい」
GLが寮に帰る途中の廊下で、妙な噂が流れていた
「知ってるか?」
「何を?」
「本部が急襲されたらしいぞ!!」
「マジかよ!?」
「…その話、詳しく聞かせて」
「お、おう…」
「何でも、覆面6人組に、急襲されたらしいぜ」
「大打撃を受けたが、どうにか返り討ちにしたらしい」
「その後、6人組は逃亡」
「大怪我で海に飛び込んだから、無事じゃないだろうって…」
「…ありがと」
「顔色悪いけど、大丈夫か?」
「ええ、大丈夫よ」
「それなら、良いけど…」
「本部が急襲…」
「秋雨、大丈夫かな?」
GLの頭を、校長と副会長の言葉がよぎる
「諦めるしかないんだ」
「…諦められないわよ」
1年寮内
「ただいま」
「おかえり!GLお姉ちゃん」
「…どうだった?」
「何もないわ」
「竜山、「しばらく来なくて良い」って」
「…解った」
「秋雨、無事なのかな…?」
「その名前は言わないで」
「…ああ」
「私、もう寝るから」
「晩飯は?」
「要らない」
「…GLお姉ちゃん、どうしちゃったの?」
「…何でもないよ」
「火衣良ちゃん、晩飯にしようか」
「うん!!」
「…」
「…お兄ちゃん?」
「秋雨の居ない生活か…」
「?」
「太陽のない花畑と同じだな…」
「どうしたの?」
「何でもないよ」
「さぁ!ご飯にしよう!!」
「うん!!」
秋雨 紅葉
本部以降より、1日が経った
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