雨の任務
雨が降ってきた…
いつもより、冷たい気がする
「失礼します」
生徒会室は、静かだった
「秋雨君」
「…何ですか?」
「任務よ」
「地下水路で指名手配犯が目撃されたわ」
「行ってきてくれる?」
「…後で良いですか?」
「用でもあるの?」
「だったら、早く済ませてね」
「解りました」
「…水無月さん、少し良いですか?」
「…うん」
校舎裏に、水無月さんに来て貰った
「火衣良ちゃんから、聞いたと思うんですけど…」
「もう、良いの」
「会長に聞いたら、理由を話してくれたわ」
「…秋雨君」
「…何ですか?」
「目、どうしたの?」
「目が、どうかしましたか?」
「暗くて、底のない闇みたいな色…」
「…そうですか」
「誤解が解ければ、それで良いです」
「ありがとうございました」
「…うん」
再び、生徒会室に戻った
「会長、お待たせしました」
「任務は先刻、言った通りよ」
「今回は、治療委員と生徒会委員を連れて行きなさい」
「…竜山君とGLで良いんじゃない?」
「…解りました」
寮に戻った僕を、火衣良ちゃんが迎えてくれた
「おかえり」
「ただいま」
「…GLお姉ちゃん、泣いてた」
「…そう」
「竜山、GL」
「何だ?」
「任務だ」
「一緒に来てくれ」
「俺は良いけど…」
「GLが…」
「私も大丈夫よ」
「…行きましょう」
「…ああ」
地下水路に向かう車の中では、全員、何も喋らなかった
「ここだな」
ジメジメした、気味の悪い場所だ…
「今回は、殺すか殺されるか、だな…」
「この暗闇じゃ、どこから来るか解らないわね」
「ここからだ」
「!!」
「竜山!!」
「っとぉお!!」
ガキィィィン!!
どうにか、日本刀で防いだようだ
「アンタが指名手配犯だな?」
「そうだ」
「こんなガキ共を寄越すたぁ…」
「舐め過ぎじゃねぇのか!?」
「こっちを舐めるなよ…!!」
「秋雨!!」
「食らえ!!」
ハンドガンで男を狙う
「食らうかよ!!」
パキン!
「銃弾をはじくって事は…」
「能力者と闘うのは初めてか?」
「なぁ?嬢ちゃん!?」
「GL!!」
「え…?」
ゴッ!!
男の蹴りが、GLに直撃した
「くぅ…」
「よそ見とは、余裕じゃねぇか!!」
「集中しろ!GL!!」
「解ってるわよ…」
「俺の能力を、教えてやる!!」
「オラァ!!」
男の蹴りが、空を切る
「何処を狙ってんだ!?」
「ココだよ!!」
ブシャァァ!!
「ガァァァ!!」
「秋雨!!」
僕の手から、血が噴き出す
「鎌鼬って知ってるか?」
「風圧が刃になるんだ」
「テメェ…!!」
「今、治すわ!!」
「ぐぅ…」
傷が、だんだん治っていく
「先刻は、ゴメンな…GL」
「今は、それどころじゃないわ!!」
「…え?」
GLの手から、白い煙のような物が出てくる
「キャァァ!!」
「GL!!」
「俺の腕が…!!」
傷は、先刻まで有ったのに完治している
「どういうことだ!?」
「大丈夫か!?GL!!」
「エネルギ-が…」
「後で、補給してやる!!」
「どうした!?秋雨、GL!?」
竜山が振り向く
「また、よそ見かぁ!?」
「しまっ…」
ドジュッ
「ガァッ…」
「竜山ァァァ!!」
「次は、誰だ?」
「嬢ちゃんか?ガキか?」
「僕だ!!」
「来いよ!」
「食らいな!!」
男が足を振り上げる
「食らうのは、お前だ!!」
男の足を掴む
シュゥゥ…
「…何しやがった?」
「地獄で考えろ…!!」
パァン!
「…任務、達成」
水路の水が、紅く染まった…
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