生徒会役員
「逃げようとしないでねw」
この校長のふざけた一言で、班分けは終了した
「ここが、生徒会室です」
係の人は、そう言い残して立ち去ってしまった
周りには十数人程の生徒が、僕と同じく困惑している
「いらっしゃい」
出てきたのは試験会場で喋っていた、あの女子生徒だ
「説明するから、入ってきてね」
中には様々な人が居る
気難しそうな人、爆睡してる人、こっちをジロジロ見ている人
「私が生徒会長で3年生の風華 舞桜です」
「俺が生徒会副会長で3年生の鬼怒 砕牙だ」
「生徒会書記で2年生の春白 魅咲で-す」
次々自己紹介してきて、呆然としていたら足下に小さな女の子が居た
ペロペロと飴を舐めている
「…邪魔」
「え-と…」
どうすればいいか、解らず困っていたが、とりあえず
「生徒会長!小さな女の子が紛れ込んでいますが…」
「あれ?迷子の子かな?」
生徒会長が女の子を抱き上げると、生徒会室の役員達が爆笑した
「紹介するわ!会計で3年生の水無月 紫苑よ!」
こんな女の子が…
僕より年上!?
水無月さんは、こちらを見て呟いた
「…後で覚えていろ」
「覚えておきます…」
「次は生徒会議長と副議長を紹介したいんだど…」
「鬼怒君!議長達は!?」
「…任務中だ」
「あら、そうだっけ」
「今は居ないけど、生徒会議長で3年生の天鹿和 輝鈴と副議長で2年生の骸瀧 鎖雷が居るから!」
「生徒会庶務で3年生の岩角 瓦威斗だ」
後ろから出てきたので、かなり驚いた
「あ!君はここの配属になったんだねぇ」
「え…?」
「覚えてない?先刻合ったんだけど…」
よく見ると、校門前で試験が始まるのを教えてくれた人だ
「あの時は、どうも…」
「いやいや!いいよ」
「話してる途中悪いけど…」
会長が咳払いをした
「以上が主な生徒会メンバ-よ!!」
「やはり…、存在感は無いんだな…」
生徒会室の端に居た人が出てくる
「あっ…、忘れてた」
「生徒会庶務で2年生の刃影 煌だ」
「こういう感じだからね!!暗いから!!この子!!」
「フン…、暗くて結構だ」
「じゃ、今は寮に戻って休んでてね!もっと詳しいことは後で話すから!!」
寮の部屋の中で、竜山はずっと悩んでいた
「何で…、俺がこんな目に…」
「竜山…」
「会計も捨てがたいし…、会長も中々OKだ!書記も結構可愛いし…」
「何を言っている?」
「彼女にするなら…、会長かな-?」
…このバカが!!
「お前は誰がいい?」
「興味ないよ」
その瞬間、扉が蹴り破られた
「!?」
あの会計、水無月さんだ…
「アナタから会いに来てくれるとは!!」
竜山は水無月さんに、飛びついた
「おごふぅぁ!!」
水無月さんが舐めていた、飴の棒が竜山の額に突き刺さる
「さっきは…!!」
「す…、すいません」
やばい…!!
この人が、あのツバ帽子の人と同じだったら、どうする!?
その時、目に付いたのは小腹が空いたとき食べようとしていたキャンディ-だった
「これ…どうぞ」
「!!」
その瞬間、水無月さんは完全に女の子となっていた…
「その、うるうるとした目がキュ-ト!!」
復活した竜山が、再び飛びついた
「ハガァッアァァ!!」
腹に蹴りが一発ジャストミ-トした
「こ…今回は許してやる!!今後は無いように!!」
「は…はい」
「…ありがとう」
「…え?」
「何でもない!!」
「おぐぅ!!?」
僕の顔にも蹴りが入った
「失礼する!!」
扉を強く閉めて、水無月さんは出て行ってしまった
「ハァハァ…ゴフッ…」
「大丈夫か?竜山」
「幼児体型、甘党、ツンデレ…、ポイント大幅アップだな!!」
「…懲りろよ」
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