炎の獅子
「こっちに集中しろよ?」
「…解ってます」
戦闘訓練で、オキナさんと一騎打ちをする羽目になった
「俺は、炎の獅子って言われてるんだ」
「凄いですね…」
「3、2、1…」
「行くぞぉぉぉ!!」
こっちに全速力で走ってくる
いや、走ると言うより、飛ぶと言った方が正しい
「むぅん!!」
「ガァ!!」
ドドドドドド!!
吹っ飛ばされた…!!
顔面に激しく、鋭い痛みが走る
「これぐらい、避けなくてどうする?」
「クッ!!」
ハンドガンで応戦すれば…!!
パン!パン!
「しゃらくせぇ」
パァァン!!
…素手ではじいた?
「エネルギ-を一点に集中させて、皮膚を硬化させただけだ」
「さらに…」
ヒュン!!
気が付けば、側にはオキナさんが居る
「これで、殴れば鉄で殴られるのと、同じ痛みだ」
ドゴッ!!
メリメリメリメリ
腹にオキナさんの拳がめり込む
「お…げぇ…」
「ハァァァ!!」
ドッ…
ゴォォォ!!
「おぐぅ…」
また、吹っ飛ばされた…
「吐くなよ?」
「これからが楽しいんだ」
一歩一歩、迫ってくるオキナさん
今、僕の心の中に有る言語は1つ
恐怖
「…!!」
「この状況で逃げないとは、大した物だな」
「だが、それが命取りだ」
オキナさんが拳を振りかざす
「死…」
「ああああああ!!」
何も考えず、両手を前へ突き出した
「コレは…!?」
それから、何時間経ったのだろう…?
気が付けば、寮の部屋で寝ていた
「おはようだな、秋雨」
「…竜山」
「お前、オキナさんとの訓練中、倒れたんだぜ?」
「死ぬかと思った…」
「よく死ななかったな」
「今、訓練からどのくらい経った?」
「6時間くらい」
「ずっと、寝てたのか?」
「ああ」
「火衣良ちゃんとGLが心配してたぞ」
「2人は…?」
「保健室に、お前の薬を貰いに行ってるよ」
「迷惑かけたな…」
「フン!お前の迷惑より、オキナさんが迷惑だぜ!!」
「…何が?」
「オキナさんが、勝手に帰ったから、アオシさんがキレて…」
「グランドを、さらに10周だぞ…」
「お疲れ…」
校長室には、メタル、オキナ、ロックが居た
「どうだった?オキナ」
「面倒くさい奴と闘わせやがって…」
「能力は?」
「お前らが言ってたので、間違いないよ」
「だが、それじゃぁ、GLの能力の説明が…」
「GLの能力は、GL本人の能力だ」
「…は?」
「GLは本来、エネルギ-吸収相手の能力に似た能力を持つ」
「だが、秋雨の能力とは、全く違う」
「つまり、秋雨は…」
「常識が通用しない能力属性」
「特殊能力者かもしれないな」
「真より珍しいアレか?」
「断定は出来ない」
「…が、可能性は大きい」
「…もし、特殊能力者なら、あそこに行ってもらわなきゃ行けない」
「…WG学園本部か」
「ああ」
「…もう少し、様子を見よう」
「特殊能力者なら、本部に行ってもらうことになるが…」
「違うなら、行かなくて良いしな」
「…違うことを願うよ」
「…俺もだ」
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