花見大会
「皆、集まったわね」
生徒会室には、生徒会メンバ-が全員集まっている
「今日は、毎年恒例…」
「お花見大会よ!!」
「よっしゃぁぁ!!」
2、3年のテンションはMAX状態だが、1年は何が何だか解らない
「1年生に説明するわ」
「校舎の裏側にある、大桜で花見をするの」
「だから、今日は全員休日よ!!」
「おお!」
それは、テンションも上がるな…
「じゃぁ、行きましょう!!」
校庭裏に付いた
風紀委員も、治療委員も、すでに着いている
「秋雨-!!こっち!こっち!!」
「GL!火衣良ちゃん!!」
「席、取っといたわよ!!」
「竜山も行こうぜ!」
「おう!」
「待ちなさい」
「何ですか?会長」
「はい、これ」
「?」
「食事係の皆が、作ってくれた弁当」
「あ、ありがとうございます!」
「おいしく食べてね」
「はい!!」
「やっと来たわね!」
「ごめん、ごめん」
「会長と何話してたの?」
「食事係の皆が作ってくれた、弁当だって」
そう言った瞬間、GLの目の色が変わった
「頂戴!!」
「良いけど…、どうして?」
「アナタ、生徒会の役職、就いてたっけ!?」
「書記に就いてるけど…」
「大好き!!」
「うわわわ!」
いきなり、GLに抱きつかれた
「な、何なんだよ!?」
「この、お弁当は絶品なの!!」
「…そうなの?」
「喫茶店のガルスさん、食堂のトウツさんが作る、お弁当よ!?」
「凄いの…?」
「あの二人のは、絶品以外の何でもないわ!!」
「へ、へぇ~」
「コレは、生徒会、風紀委員会、治療委員会の役職に就いてる人だけが貰えるの!!」
「僕は書記に就いてるから…」
「もう、大好き!!」
「早速、いただきましょ!!」
「いただきま-す!!」
「この、卵焼き!!絶品!!」
「確かに美味いな…」
「スパゲッティほしい!」
「はいはい、今、取ってあげるよ」
「竜山は、何が欲しい…、って、竜山は?」
「竜山お兄ちゃんは、向こうだよ」
「あの人混みの中?」
「うん」
「あ、居たわ」
「何してるんだろ?」
「秋雨-!!」
人混みの中から、僕を呼ぶ声がする
「…何だろ?」
「行ってきなさいよ」
「…行ってくる」
人混みをかき分け、声のした方向に向かうと
「遅ひぞぉ~!コリャ~」
べろんべろんに酔った水無月さん
「可愛すぎる!!」
狂喜している骸瀧さん
カメラで撮りまくっている
「…何でしょうか?」
「こっひ来て、飲めぇ~」
「それは、未成年が飲んではいけない飲み物では?」
「今日は、花見だぞぉ~?」
「秋雨!!」
「竜山!何してるんだ!?」
「止めるな!!」
「何で!?」
「水無月さんが酔うと、どうなる!?」
「…あ」
「おお-!!」
周りからの歓声
「酒もって来んひゃ~い!」
やはり、水無月さんが脱ぎだしてしまった
「み、水無月さん!!」
「私以外は見るなぁぁ!!」
骸瀧さんが大激怒した
「やばい!!鬼神が降臨したぞぉぉ!!」
「逃げろぉ!」
一気に人だかりが散らばる
「水無月さん!服を着てください!!」
「酒もって来んひゃ~い…」
バッタ-ン!!
倒れてしまった
「あらら…」
「この姿も可愛いわ!!」
「アナタは、この子が認めた子だから良いけど…」
「手を出したら…」
「殺すわよ?」
「…承知しております」
「私は、この子を部屋に連れて行くから」
「はい」
「会長に「私は水無月ちゃんを部屋に連れて行った」と、言っておいてね」
「解りました」
「フフフ、水無月ちゃんが私の部屋に…」
この人も、結構、危ないな…
「会長!」
「何?」
「骸瀧さんは、水無月ちゃんを部屋に連れて帰りました」
「解ったわ」
「それより、アナタも飲む?」
「飲むって…」
周りを見回すと、酔いつぶれている岩角さん
鬼怒さんに抱きついて、寝ている春白さん
それを、気にせず飲み続ける鬼怒さん
弁当を食べまくっている刃影さん
ゴミを拾い集めてる天鹿和さん
「凄いことになってますね」
「そう?いつも、こんな物よ」
「アハハ…」
「では、僕はGL達の所に戻ります」
「楽しんでね」
「はい」
「ただいま」
「秋雨お兄ちゃん!」
「ん?どうしたの?」
「GLお姉ちゃんが、倒れちゃった!」
「何だって!?」
「生徒会会長が持ってきたジュ-ス飲んでたら…」
「…火衣良ちゃん、それはジュ-スじゃないよ」
「何なの?」
「未成年が飲んではいけない物さ」
「?」
よく理解してないみたいだが、理解しない方が良いかもしれないな…
「竜山は?」
「向こうに居るお姉ちゃん達と、仲良く話してる」
「先刻、別のお姉ちゃんに、ホッペタ叩かれてた」
あのバカ…、花見の時でもナンパするのか?
「楽しんでるかい?」
「金田さん!」
「ガルスが作った料理は絶品だろう?」
「はい!」
「おや、火衣良ちゃんじゃないか」
「こんにちは!」
「これ、おいしい!」
「ガルスに伝えておくよ」
「私も、こんなの作って、竜山お兄ちゃんに食べさせたい!!」
「じゃぁ、ガルスに習ってみるかい?」
「うん!」
「いいかな?秋雨君」
「構いませんよ」
「頑張ってね!火衣良ちゃん!!」
「うん!頑張る!!」
「これで、ウチの喫茶店にも、看板犬ならぬ看板少女ができたね!!」
「少し、手伝って貰うけど…いいかな?」
「うん!」
「結局、働くことになりましたね」
「そうだねw」
この日、火衣良ちゃんの無職生活が終わった
戦闘訓練まで、あと2日
読んでいただきありがとうございました