卒業式
数ヶ月後
体育館
「それでは!第237回、WG学園卒業式を開始します!!」
皆の前に立ち、ハキハキと文を読み始めるスカル
「…ついに卒業か」
「あら?どうしたの?鬼怒君」
「いや、俺達は1年分、遅れているからな」
「何というか…、待ち遠しかった」
「…そうね」
「卒業生代表!風華 舞桜!!」
「はい」
立ち上がる舞桜
「おい!秋雨!!」
「何だ?竜山」
「風華会長の挨拶だぞ」
「解ってるよ」
「私は3年間…、いえ4年間の学園生活を送りました」
「楽しく愉快で、時に危険な学園生活でした」
「しかし、その様な学園生活も、ついに終わりを迎えます…」
「皆さん、大学部でも海外支部でも!元気でやってください!!」
「はい!!」
「卒業生代表、風華 舞桜」
パチパチパチパチ…
「何かさ…、秋雨」
「どうした?竜山」
「今まで色んな事が有っただろ?」
「ああ、そうだな…」
「お前と学園で出会って、火衣良ちゃんに会って、本部に突っ込んで、海に行って、異世界に行って…」
「その全てに会長や鬼怒先輩、岩角先輩や骸瀧先輩が関わってた」
「でも…、これからは無くなるんだよな」
「そう思うと…、寂しいな」
「ああ…」
「何を言ってんの!?」
「GL…」
「確かに寂しいけど、これからは私達が「先輩」になるのよ?」
「シャキッとしなさい!!」
「…そうだな」
苦笑する秋雨
「…だけど、このまま終わるのかな」
「何が?」
「何か…、妙な予感が」
ガタガタ!!
「え?」
オキナがスカルからマイクを奪い取る
「はい!シミジミとした卒業式は終わり!!」
(何やってんだ!?あの人!!)
「こっからは毎年恒例!バカ騒ぎだぁあああああ!!」
「うぉおおおおおおおおお!!」
一気に盛り上がる3年生陣
「はぁ…、またか」
ため息をつく2年生陣
「え?何?」
困惑する1年生陣
「アオシ!アメ-ル!!」
「任せろ!!」
「アイアイサ-!!」
ガダガタ!!
大量の酒瓶を持ってくるアオシとアメ-ル
「やれ!歌え!踊れ!騒げ!!」
「宴会だぁああああああ!!」
「うぉおおおおおおおお!!」
「やっぱりタダで終わらないよなぁ…」
ため息をつく竜山
「良いじゃないか!それが彼達の良い所だよ」
「トウツさん、フェザ-さん…」
「ま、その分の料理を作ったのは俺とフェザ-なんだが」
「アハハハ…」
「足りると思ってるのか!?このバカが!!」
体育館内に大声が響き渡る
「この声…」
「誰バカだ!?」
「皆!外に出ろ!!」
ガタァン!!
外には満開の桜と異常な量の酒
「今日は無礼講!何でもやれ!やっちまえ!!」
「気にする奴ぁ!ぶっ飛ばす!!」
「金田さん!!」
「秋雨!飲め!!」
「法律がどうしたぁ!?」
犯罪です
「えぇ!?」
宴会場
どんちゃん騒ぎの生徒達
「秋雨お兄ちゃん!!」
「火衣良ちゃん!!」
「良い子にしてた?」
「うん!!」
「首狩お兄ちゃんがね!夜風さんに…」
「うわぁあああああ!!」
全力で火衣良ちゃんの口を塞ぐ首狩
「危ない…」
「首狩さん…」
「そんな変な目で見ないで、頼むから」
「…夜風に何を?」
「気にしなくて良いから」
「ここに居たのか、首狩」
「白刃之会長」
「お前に伝えたい事が有ってな」
「次期風紀委員会長は、お前だ」
「俺が!?」
「そうだ」
「おめでとうございます!首狩さん!!」
「何だか…、突然だな」
「夜風に言わなくて良いんですか?」
「夜風は…、アレ」
「え?」
人だかりを指さす首狩
「何だ?あの人だかり」
「白刃之さんも逃げてきたんですか?」
「ああ、これ以上、飲まされたら命が危ない」
「…!?」
「…覚悟するんだな、秋雨」
「行け」
「嫌ですよ!!」
「GLも居るぞ」
「竜山に至っては前戦に居る」
「え…!?」
「良いから行け」
「は、はい…」
走って行く秋雨
「秋雨お兄ちゃん、何処に行くの?」
「火衣良ちゃんは行っちゃ駄目だよ」
「目に悪いから」
「え?」
「待ってよ-!火衣良ちゃん!!」
「白珠ちゃん!!」
「何だ?ゼロの小娘じゃないか」
「うん!友達になったの!!」
「…そうか」
「行こ!向こうで毀棄梨がやけ食いしてるから!!」
「うん!!」
走っていく火衣良ちゃんと白珠
「…平和ですね」
「この平和が続けば良いんだがな…」
「どうしたんですか?岩角さん」
「無礼講だからって、やり過ぎだろう…」
「まったくだ」
ため息をつく岩角と凩
「え?」
「脱ぎなさい!脱ぐのよ!!」
「やめてください!椿姫さん!!」
「会長!しっかりしてください!!」
下着姿で暴れ回っている椿姫
「無礼講よぉ!!」
「会長~!!」
「嫌です!幾ら何でも!!」
「脱げ!脱げ!!」
脱げコ-ルが回りから大量
「竜山!どういう事だ!?」
「秋雨!見ろ!この神場面!!」
「はぁ!?」
「椿姫さんが酔った!!」
「酒に弱すぎだろ!?」
「良いじゃないか!最高だ!!」
「おいおい…」
「しっかりしてください!椿姫さん!!」
「鏡燕さん!!」
鏡燕が椿姫を取り押さえる
「あ-?うるっさいわよぉ…」
ゴッ!!
「むぐぅ!?」
酒瓶を鏡燕の口に突っ込む椿姫
「飲みなさいよぉ!!」
「あがが!!」
ゴボッゴボッゴボッ
静まる鏡燕
「…鏡燕さん?」
「無礼講じゃぁあああああああああああああ!!」
「鏡燕さぁ------------ん!!」
「ええやないか!秋雨!!」
「今日=無礼講」
「うぅ…、挽我、寺冬」
「絶景やで!!」
「お前もかよ!?」
「良いね、うん」
「此所羅!!」
「最高…」
「白珠も行ってくれないかな?」
「もう嫌だ…」
「何処に行くの?秋雨」
「ちょっとね…」
校舎裏
「はぁ…」
「どうした?秋雨」
「城牙さん…」
「妹さんは?」
「その事で礼を言おうと思ってな」
「ありがとう、秋雨」
「生き返ったんですね!!」
「ああ、御陰様でな」
「本当に…、ありがとう…」
泣き出す城牙
「な、泣かないでくださいよ!!」
「泣かずに居れるか…」
「…そうですね」
「シシシシシ!ボス!!」
「…何だ?暴祖」
「妹さんが呼んでるぜ!!」
「今、行く」
立ち上がる城牙
「…秋雨、お前の顔」
「え?」
「良い顔になったな」
「何がですか?」
「…何でもないさ」
「?」
歩き去る城牙と暴祖
「何だったんだ…?」
「何をしている?秋雨」
「あれ?イトウさん」
「宴会には行かないのか?」
「逃げてきました」
「…大凡の予想は付いた」
「メイスさんは?」
「ネオンと酒飲み中だ」
「そうですか…」
「でも、大丈夫なんでしょうか?」
「何が?」
「未成年の飲酒って…」
「安心しろ」
「法律程度らねじ曲げてやるさ」
「え!?」
「冗談だ」
「アレは俺が作った未成年でも飲める酒だ」
「害はない」
「良かった…」
「…和風からの手紙だ」
秋雨に手紙を渡すイトウ
「和風さんから?」
「そうだ」
「読んでおけ」
「…はい」
読んでいただきありがとうございました