東の森
WGカンパニ-
「ハ-トさん、居ますか?」
「秋雨か」
ジョ-カ-が出てくる
「ハ-トは居ない」
「今は東の森に行っている」
「そこで輝鈴を見かけたとの情報が入ったからな」
「やっぱり…」
「何か知っているのか?」
「…言えません」
「…追求しても無駄か?」
「…はい」
「そうか」
「今はハ-トだけで行っている」
「ハ-トの要望でな」
「…そうですか」
「ありがとうございました」
歩いて行く秋雨
「…行くか」
「ジョ-カ-!だぜ!!」
「どうした?スペ-ド」
「今のは秋雨か?だぜ」
「そうだ」
「…何の用?」
ダイヤがジョ-カ-の足下に立っている
「輝鈴に会いに行くそうだ」
「…お前達が出る幕じゃないことぐらい、解ってるな?」
「…解ってるぜ」
「輝鈴が帰って来たら、ぶっ飛ばしてやるぜ!!」
「…帰って来たら、の話」
「…そうだな」
「所で、クロ-バ-は何処だ?」
「今は伊弉諾とかいう蘭斬の仲間の相手をしてるぜ」
「もう1人の観音って言う奴は、カンパニ-の奴達と話してるぜ」
「…そうか」
「瑠衣は?」
「見てないぜ」
「ダイヤは?」
「…」
妙な格好をしているダイヤ
「…何だ?それ、だぜ」
「…気に入らない」
「?」
「ダイヤちゃん!何処に行きましたの!?」
瑠衣の叫び声が響き渡る
「…来た」
逃げ出すダイヤ
「何だ?何なんだ?だぜ」
「申し訳ありません!!」
息も切れ切れになった瑠衣が走ってくる
「どうしたんだぜ?」
「ダイヤちゃんを見ませんでしたか!?」
「…先刻、ここに」
ガッ!!
ジョ-カ-がスペ-ドの口を防ぐ
「いや、見てないな」
「何故、ダイヤを捜す?」
「それなんですわよ…」
ため息をつく瑠衣
「彼女、「服がない」と私の所に相談に来ましたの」
「どうやら戦闘で服を無くしてしまった様でして…」
「それで?」
「私が作りましたの」
「コレでも、裁縫は自信が有る方でしてよ?」
「…アレでか?だぜ」
ゴッ!!
スペ-ドの腹部に鋭い一撃
「何か…?申しましたか?」
「何でもないぜ…」
「ゴフッ…」
「まぁ、見てないのなら良いですわ」
「ありがとうございました」
歩いて行く瑠衣
「…馬鹿め」
「奴の力量も解らんのか」
「ここまで鋭いとは…、誤算だぜ…」
「腹、痛ぇぜ…」
「奴は紛いにも何も、ウェンを追い詰めた女だ」
「それ相応の実力は持ってる」
「アレなら、ジョ-カ-の嫁に欲しいぜ」
「…何を言っている?」
「裁縫も出来るみたいだし、戦闘の腕も良し」
「料理も出来れば文句ないんだが…、だぜ」
「早く結婚して、腰を落ち着けたらどうだぜ?ジョ-カ-」
ゴッ!!
鋭い一撃
「いや…、大戦も終わったし…」
「大戦が終わろうと、ハジャやヤグモの意志を受け継ぐ者が出てくる」
「戦闘に終わりはない」
「…そうだな、だぜ」
「でも、結婚ぐらいは?」
「失せろ」
ゴッ!!
再び鋭い一撃
東の森
「久しぶりだな…、ここは」
ガサガサ!!
「!?」
構える秋雨
「また…」
森の中からハ-トが出てくる
「!!」
「メタル!!」
構えるハ-ト
「ち、違います!!」
「秋雨です!!」
「秋雨!?」
「どうして、ここに…!?」
「ハ-トさんは、天鹿和さんに会いに来たんですね?」
「天鹿和じゃない!輝鈴!!」
「あ…、輝鈴さんに」
「そうよ!!」
「でも、何回入っても戻って来ちゃうし…」
(木…、か)
「ハ-トさん、着いてきてください」
「輝鈴さんに会いに行きます」
「でも!入れないわよ!?」
「入れます」
「…いえ、入ります」
ガサガサ!!
中に入っていく秋雨とハ-ト
「…」
「…外に出ない?」
「この森は森の意志で、どうにでも出来るんです」
「僕や輝鈴さんも、迷いました」
「そうだったの…」
「…ハ-トさん、青龍さんの件、知ってますか?」
「大凡ね」
「…あの事件、青龍さんをメタルさんは殺してません」
「真実があるんです」
「え…!?」
「リュ-ラさんに教えて貰いました」
「「リュ-ラ」って…!?誰!?」
「月神の本名です」
「彼女は、もう月神ではありませんが」
「…詳しく聞かせて」
「…はい」
事の顛末を説明する秋雨
「…そうだったの」
「…僕の成すべき事は、後1つ」
「輝鈴さんを救う事です」
「…学園に連れ戻す事じゃないの?」
「…それは輝鈴さんが決めます」
「僕は学園に帰って貰いたいですけど」
「…私は輝鈴と一緒に居たい」
「…そうですか」
ガサガサッ
「抜けた…」
「…ここです」
「ここに、輝鈴さんは居ます」
秋雨とハ-トの目の前には木の根があった
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