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結果

浮遊船


「秋雨を置いてきたぁ!?」


「彼は成すべき事が有るからね」

「心配しなくても、学園には返すよ」


「…それはそうとして、金田さん」


金田を睨むGL


「今回の計画…、説明してくれる?」


「…誤魔化せないか」


計画を説明する金田


「…そんな計画、聞いてないぞ」

「どういう事だ?金田」


金田を睨む炎鬼


「メタルの脳内を覗いたときにも、そんな計画は無かった…」


「それは俺が仕組んだ」


「イトウ、お前がか?」


「メタルの生命エネルギ-が活動を停止すれば、偽の記憶がメタルの能に刻まれるようにな」

「十分、役に立った」


「…そうか」


「…俺も直前までは計画について聞かされてなかった」

「何故だ?」


「オキナはバカさ…、なんて言い訳にもならないか」

「お前が計画に反対すると思ったからだ」


「当たり前だ!!」

「仲間を見捨てる計画!?俺が認めるワケねぇだろ!!」


「…だが、最終的には協力してくれたな?」


「…メタルに、あんな顔されたら断れねぇよ」

「アイツが…、仲間に嘘をつくなんて夢にも思わなかった…」


「…メタルは確かにバカだ」

「だが、仲間を騙す行為も誰かが犠牲になるのも嫌っていたはずだが?」


「…アオシ、メタルは誰にも弱音を吐かなかった」

「この計画を進めていけば、自分がどうなるかを解っていながらな…」


俯く金田


「…オキナ、お前もメタルとの付き合いは長い」

「解ってやってくれ…」


「…畜生が」


「ただ…、今回の計画には亜門の乱入という誤算があった」

「結果は変わらないが」


ため息をつくイトウ


「…ゴメン」


「まぁ、亜門も自分なりに思う事が有ったんだろう?」

「自分を責めることはない」


「…うん」


「…金田さん」


ゴッ!!


金田を殴り飛ばすGL


「GL!?」


「お前もか…」

「最近の生徒は教員に手を挙げることが流行ってるのか?」


「こんな計画…、秋雨も天鹿和さんも利用して…!!」


「…「許せ」とは言わない」

「だが、この計画が最も的確で迅速だった」

「それだけだ」


「…ッ!!」


「月神…、いや秋雨は魂を蘇らせる作業に当たって貰っている」

「長い時間を要するだろうが…、心配はない」

「学園に戻る頃には時間のズレを無くす」


「どうやって…?」


「忘れたのか?」

「「扉」を通るときは時間がズレる」


「あ…」


「確かに大したズレはないが…、地獄の門を封じたときの金田とガルスの混合エネルギ-で多少のズレは修正できるはずだ」

「お前達はそのズレを利用して学園に帰れ」

「解ったな?」


「…イトウさん達は?」


「ここの残党の後始末がある」

「学園には後々、帰ろう」


「…始めに言っておきます」

「秋雨の気持ちを踏みにじるの事は許しません」


「…ああ、そうだな」



聖地


「ゲホッゲホッ!!」

(「大丈夫かい?秋雨」)

「大丈夫です…」

「この魂の数は…」


宙に浮いている多くの魂


(「今回の大戦や、昔の大戦で犠牲になった人々さ」)

(「本来、死ぬはずの無かった人々…」)

「体は有るんですか…?」

(「体がない人は蘇らせれない」)

「じゃぁ、蘇らせれるのは…」

(「体を誰かが保存していたり、イトウさんが再生させた奴だけ」)

「…城牙の妹は?」

(「彼の妹なら凩の能力で体を保っている」)

「便利な能力ですね…」

(「君もだよ」)

(「便利能力、3トリオかな?」)

「アハハハ…」


ガクン


膝を突く秋雨


「うっ…」

(「秋雨!!」)

「大丈夫です…、少し体力を使いすぎただけですから」

(「無理は禁物だよ…」)

(「苦しいなら、休めば良い」)

「はい…」


ガァァァァン!!


「…終わったな」


腰を着くウェン


「大した数だったが…」

「所詮は機械か」

「秋雨!作業はどうだ?」


「順調です…」


「無理はするな」

「お前が死んでは元も子もない」


「はい…」


ボン!!


「え…?」


秋雨を緑色の煙が包む


「コレで少しは良くなるはずだ」


「ノ-スさん…」

「雷火さんやワンコさんは?」


「金田達の喫茶店に居る」

「心配するな」


「そうですか…」


「君が秋雨君か」


「え…?」


「ケイジだ」

「よろしく」


「あ、はい…」


秋雨の手を握るケイジ


「…中に月神が居るんだね?」


「ええ、居ます」


「話を…、させてくれないかな…?」


「?」


「ケイジ!!」


「させてくれ、ウェン」

「月神とは…、一度で良いから話をしたい」


「…後悔するなよ」


「…ああ」


「で、では…」

「…」


「…月神かい?」


「…君がケイジだね」

「ミシロから聞いた事が有るよ」


「…それで聞きたい事が有る」

「ミシロは…、蘇られるのか?」


「…残念だけど」

「体がない」


「…そうか」


「ミソロの体は深海にある」

「彼女が死に際に飛び込んだからね」


「…DNAが無ければ、流石のイトウさんも無理か」


「ミシロは…、本来なら最も蘇らせないければいけない人物だ」

「私のせいで…」

「ゴメン…」


「お前が謝る事じゃない」


「…ミシロは言っていたよ」

「「ケイジ、愛してる」って…」


「…そうか」


腰を着くケイジ


「捨てきれない思い…」

「いつまで引きずれば良いんだろうね…」


「彼女ほど綺麗な人は居なかった」

「心も体も…」


「…もう良いよ、月神」

「ありがとう」


「…ゴメン」


「君もミシロを依り代にしたくてしたんじゃない」

「謝る事はないよ」


「でも…」


「俺も…、吹っ切れた」

「礼を言うのは俺だ」


「…うん」


ガシャァン


「ん?兵器が残ってるな」

「崖上か…」


「俺が行こう」


「いや、俺が行こう、ケイジ」


立ち上がるウェン


「兵器程度なら…」


「…行かせてくれ」


「…ああ」


(「ケイジさん…」)



聖地、崖上


ガァァァァァン!!


兵器を破壊するケイジ


「はぁ…、はぁ…」


「…無理をしてるのは秋雨より、お前だな」


「ノ-ス…」


「吹っ切れるはずがないだろう」

「無理をするな」


「…俺には捨てきれない」

「ミシロへの思いを…」

「「共に過ごした時間は無駄だった」のか…」

「「もう会えない」のか…、そう言う思いが頭を過ぎる」


「…お前とミシロの関係はよく知っている」

「だが、無駄なんて事は絶対にない」

「ミシロが蘇らないのも…、仕方ない事だ」


「「仕方ない」事はない」


「蘭斬…?」


2人の後ろに立っている蘭斬


「ケイジ、お前が居着いていた洞窟を探らせて貰った」

「それで、ロックから伝言だ」


「…何だ?」


「ミシロのDNAを、お前が使っている食器から抽出した」

「ミシロの体は作れる」


「…!!」


「ケイジ…!!」


「本当か!?」


「…ああ、本当だ」

「箒夏も同じく蘇る」

「ロックも喜んでいたぞ」


「そうだろうな」


「そうか…!そうか…!!」


「ケイジ、お前がミシロと共に過ごした時間は無駄なんかじゃない」


「そうだよな…!そうだよな…!!」


何度も頷くケイジ


「お前の食器などの日常品を調べる事を提案したのはイトウさんだが…」

「カンパニ-の人間が酷く反対してな」


「…無関係な人間の為に危険を冒したくはない、ってか」


呟くノ-ス


「当たり前だな」

「戦場にかり出されるのは自分達だ」


「ただし、反対していたのは計画が始まるまでの話だ」


「何?」


「ロックが皆を説得したのも有るが…」

「何より、奴が皆を説得した」


「え?」


「「俺はハッピ-エンドしか認めねぇ!お前達はバッドエンド派か!?違うだろ!!」ってな…」

「そのバカは?」


「…」


首を左右に振るノ-ス


「計画は全て計画通りに進んだ」

「勿論、メタルも…」


「…そうか」

「戦友を亡くすのは…、辛い物だな」


プツッ


地面の花を摘む蘭斬


「お前は花などは好きではないだろう」

「戦闘バカのお前はな」

「だが…、供えさせてくれ」

「魂は蘇ろうとも、一度は死んだ者達に」

「地獄を見た…、この戦いで犠牲になった者達に」

「そして、お前に…」


パサッ…


花を飛ばす蘭斬



浮遊船


貨物室


荷物にもたれ掛かっている金田


「…メタル、次に会えるのは、いつだ?」

「また、昔みたいに「帰って来たぜ!地獄の果てからな!!」って言って、何事も無かったかのように…、帰ってくるのか?」

「また、昔みたいに笑えるのか…?」


ガシャン


「…ガルスか」


「金田…」


「…どうなんだろうな?ガルス」

「計画は成功、世界の平和は守られた」

「大戦で犠牲になった殆どの奴達は戻ってくる」

「コレは…、ハッピ-エンドか?」


「…ハッピ-エンドなんだろう、メタルにとっては」


「アイツのハッピ-エンドは…、笑い会う仲間が足りないハッピ-エンドか?」

「ロクに仕事もせず、ブラブラしてばかりの役立たず従業員が居なくなるハッピ-エンドか?」

「バカでマヌケで、いつも戦場をかき回す戦友が居ないハッピ-エンドか?」

「小学生の計算も出来ないバカが居ないハッピ-エンドか?」

「脇役ばかりで飾るハッピ-エンドなのか?」


金田の頬を涙が伝う


「違うだろ…?メタル…」


「…脇役だけで飾るハッピ-エンドなんて無い」

「奴は戻ってくる」


「その保証は?」


「無い」

「無いからこそ、戻ってくる」


「…そうだよな」

「バカでマヌケで、不可能を絶対可能にするバカに常識なんて通用しない…」

「だからこそ…、アイツなんだよな」


「それに、今の主人公はメタルじゃない」

「秋雨 紅葉だ」


「…それもそうだ」


立ち上がる金田


「さて、主人公のご友人様を送り届けるか!!」


「切り替えが早いのが、お前の良い所だ」


「いつまでもクヨクヨ出来るかよ」

「あのバカに怒られちまう」

「あのバカに説教を食らうのは…、屈辱の極みだ」


「…そうだな」


苦笑するガルス

読んでいただきありがとうございました

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