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最悪の状況

「嫌だ!炎鬼!!」


炎鬼に向かって走り出す亜門


「どうして…!こんな事…!!」


「来るなぁ!亜門!!」


ガッ


イトウが亜門の服を掴む


「離して!イトウさん!!」

「炎鬼が…!炎鬼が…!!」


「…炎鬼の死を無駄にするな」


「炎鬼は死んでない!!」


「今から死ぬ」


「離せ!!」


イトウの手を振り払う亜門


「炎鬼!!」


「行かせはしない」


亜門の前に立ちはだかるガルス


「メタルと金田の死を…、無駄にさせると思うな」


「無駄にしてやる」

「幾らでも…、な」


ガァン!!


ガルスを殴り飛ばすオキナ


「オキナ…!!」


「ガルス、確かに世界は平和になる」

「だが、俺はそんな犠牲の平和を認めはしない」


「…勝利と平和に犠牲は付き物だぞ」


「そんなクソル-ル、俺が幾らでも塗り替えてやる」


「…!!」


ガルスの脳裏に言葉が蘇る


(「神が最強!?そんなクソル-ル、俺が塗り替えてやる!!」)

「…やはり、お前はメタルに似ている」


「あ!?誰が!!」


「…いや、何でもない」

「退くんだ、オキナ」


「却下だ」

「俺は炎鬼と勝負の決着を付けてない」

「行け!亜門!!」


「あ、ありがとう!オキナ!!」


走り出す亜門


「行かせません」


「ユウリ…!!」


「私も…、このやり方は納得できない」

「しかし、私は何百人もの信者を背負っている」

「理不尽を…、貫き通さなければなりません」


「ここは俺の出番アルね」


「ガムナ…!!」


「全く…、困った国王アル」

「大臣を殴って気絶させるアルからね」


「…炎鬼の覚悟を無駄にする気ですか?」


「無駄にするアルよ」

「国王に意見するのが大臣の役目アル」


「…やるしか有りませんね」


「勿論アルよ」


「…ッ!!」


再び、走り出す亜門


「来るな、と…!!」


ズズズズズズズ…


地面へ闇に引きずり込まれていく炎鬼とヤグモ


「炎鬼!!」


ガッ!!


炎鬼の腕を掴む亜門


ズズズズズ…


亜門の腕へも闇が浸食していく


「離せ…!巻き込まれるぞ…!!」


「炎鬼を見殺しにするぐらいなら…!!」

「巻き込まれた方がマシよ!!」


「馬鹿野郎が…!!」


「亜門さん!!」


「秋雨君…!?」


秋雨が炎鬼の腕を掴む


ズズズズズ…


秋雨の腕へも闇が浸食していく


「小僧!離せ!!」


「離しません!!」

「アナタを死なせるわけにはいかない!!」


ズズズ…


闇の浸食が次第に遅くなる


「何だ…!?」


「…秋雨の能力が発動しているようだな」


呟くガルス


「どういう事だ?ガルス」


「秋雨の能力で闇の浸食を止めている」

「だが…」


「小僧!闇を吸収しているぞ!!」

「このままでは…!!」


「それでも!炎鬼さんを救い出します!!」


「…馬鹿め」


ドッ!!


「うぅ!!」


秋雨の肩にヤグモの脚が刺さる


「闇を止めるという事は俺の行動も自由になると言うこと」

「自滅行為だぞ」


「くっ…!!」


「さぁ、どうする?炎鬼」

「貴様の仲間が馬鹿なおかげで俺は助かったぞ」

「向こう側も動き出した」


「「向こう側」…!?」


「学園は今頃、どうなっているだろうなぁ?」


「!?」


「俺が向こう側の世界に行った時、接触したのが蕗東だけだと思ったか?」

「能力者犯罪組織に語りかけたら、すぐに協力してくれたぞ」


小さく笑うヤグモ


「各地でも俺の部下達が行動を起こす頃だ」

「ロック達も援護には来れまい…」


「…ッ!!」


「さぁ、どうする?」

「この場は俺1人で十分だが」


「…闇から出れるのか?お前は」

「今は一時的に止まっているだけで、抜け出すことは出来ないだろう」


イトウがヤグモを睨む


「何か忘れてないか?俺は月神と同化している」

「即ち…」


ドッ!!


「がはっ…!!」


自分の体を刺すヤグモ


「!?」


「魂を…」


ジュゥウゥウウウウゥ…


ヤグモの体から白い煙が上がる


「自由自在に操れるワケだ」


ザッ…


「まさか…!!」


闇から這い出るヤグモ


「一度死ねば、闇は体を離す」

「魂の宿っていない体など、餌の入っていない器と同じだ」


ズプン


「う!?」


闇に引きずり込まれていく炎鬼


「ほら、気を抜くなよ?秋雨」

「闇が炎鬼を引きずり込むぞ?」


「…ッ!!」


ズズズズ…


「もう良い!離せ!小僧!!」


「ダメです…!離さない!!」


「このバカが…!!」


「炎鬼!諦めないで!!」


「この…ッ!!」


ガッ


「GL!!」


GLが炎鬼の腕を掴む


「私はエネルギ-で出来た体…」

「闇を封じられる!!」


「無駄だよ」


ヤグモがGLを睨む


「!?」


「貴様、学園で食事をした事が有るか?」


「そ、それがどうしたのよ!?」


「食事…、つまり生命エネルギ-を有する動植物を食した、と言う事」

「その時点で純粋なエネルギ-物質ではない」


「何で…!?」


「この世界に食物ならまだしも、学園という「本来、エネルギ-が存在しない世界」で食物を食ったんだ」

「異物を体内に送り込むに等しい行為だぞ」


「…!!」


「まぁ、それはそうと…」


ガッ!!


「うぅ…!!」


ヤグモが亜門の首を掴み、持ち上げる


「亜門さん!!」


「俺が…、闇から炎鬼を救い出しているのを止めないはずがないだろう?」

「亜門、お前の体なら…、奴達も傷付けたがらないはずだ」


グッ…


亜門の胸に脚を突きつけるヤグモ


「八ツ手ノ魔毒…」

「シュルに改造させた毒だ」

「イトウの下らん抗生物質は効かないぞ」


「やめろ!ヤグモォォオォォォォオォォオォ!!」


「黙れよ、炎鬼」

「おっと、その前に…」


ズパァン!!


「!!」


ヤグモが炎鬼の四肢を斬る


「がぁああぁぁぁぁあ!!」


「お前が居ては、地獄から魂を蘇らせれない」

「退け」


ドッ!!


炎鬼を投げ飛ばすヤグモ


ズズズズズ…


ヤグモの脚に闇が浸食していく


「下らん」


ドッ!!


自分の体を刺すヤグモ


「…さて、死んだ」


ズズ…


ヤグモの体から離れていく闇


「入り口は出来た」

「後はお前を殺すだけだ」


「亜門-----!!」


「炎鬼…!!」


「死ね」


ドッ!!


「…何?」


亜門の胸の一歩手前で止まっているヤグモの脚


「秋雨…君!?」


秋雨の手にヤグモの脚が刺さっている


「うぅ…!!」


「ほう…、お前の能力なら俺の毒を打ち消すことも可能だろう」

「だが…、無意味だ」


ヴヴヴヴヴ…


秋雨の手が黒くなっていく


「今の俺は神を超える神越者だ」

「お前程度の能力、俺のエネルギ-が押さえ込む」


「秋雨君!!」


「お前が作った刹那など、俺の前では無意味」

「自分を殺したな?秋雨」


「無意味じゃない!!」

「無意味なのは…、アナタが月神を取り込んだ事だ!!」


ガッ!!


秋雨がヤグモの腕輪を掴む


「この装置さえ破壊すれば…!!」

「月神は!アナタの体から出ていく!!」

「機械なら!エネルギ-で押さえ込まれることもない!!」


「お前…!!」


「強制…!!」


「やめろぉおぉおぉぉおおお!!」


「変換!!!」

読んでいただきありがとうございました

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