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到着

浮遊船


「和風さん…」


「うるさいぞ、小僧」

「和風は落ちて良かった」


「…どういう意味ですか?」


「奴は回復も出来る」

「傷ついた鬼面族共の回復を任せられるからな」


「…そうですか」


「もうすぐ、聖地近くの湖に着くアル!!」

「そこでイトウ達と合流するアルね!!」


「ついに…、か」


ため息をつく竜山


「心配しなくても、君達は学園に帰されませんよ」

「私達が帰させません」


「…礼を言って良いのか悪いのか」


「良いか?」

「小僧は今回の計画の要だ」


「「要」?」


「…計画を言ってなかったな」

「ヤグモの部下に計画がばれないよう、大凡で言ってやる」


「解りました」


「まず、ヤグモに月神を復活させる」

「ヤグモは誰かに装置を取り付けるだろうから、その装置を破壊する」

「そうすればヤグモの計画は失敗だ」

「その後は4国の戦力を持ってヤグモを討伐する」


「ヤグモは倒せますか?」


「紋章の力が有れば解らないが…」

「月神を利用すれば、ヤグモは簡単に殺せる」

「それだけだ」


「でも、その「月神」が問題なんです」

「月神を利用するかどうかで、イトウさん達と戦うことになるかも知れません」


「どうして月神を?」


「…それは」


「言うな、ユウリ」


「炎鬼…」


「小僧、先刻言った要の意味は…」

「お前の能力だ」


「僕の…?」


「お前の能力を使えば、地獄への門を開けられる可能性が有る」

「門を開ければ、バカ共を連れ戻せる」


「メタルさんと金田さんですか?」


「そうだ」

「もしヤグモが門を開かなければ…、の話だがな」

「だが、心しておけよ?小僧」


「え…?」


「もし計画が無理だと判断すれば、逆に門を閉じろ」


「それって…!!」


「メタルと金田は復活できない」

「だが、ハジャを蘇らせるよりマシだ」


「…解りました」


ガタガタ!!


揺れる船


「着いたアルね!!」


「降りるぞ」


ガタンガタン


船を下りていく炎鬼とユウリ


「秋雨君!竜山君!GLさん!早く!!」


「は、はい…」


恐る恐る船を降りていく3人



聖地近くの湖


「…結局、連れてきたのか?炎鬼」


オキナが炎鬼を睨む


「計画には必要だろう?」


「…彼達を傷付けるなよ」


「解っている」


「…」


辺りを見回す秋雨


「どうした?秋雨」


「イ、イトウさん…」


「…心配しなくても、追い返したりはしない」

「今から追い返せば、逆に危険だからな」


「は、はい…」


「で、どうした?」


「天鹿和さんと校長は…?」


「…ロックはカンパニ-でヤグモ討伐の準備をしている」

「蘭斬達もな」

「天鹿和は…、居ない」


「え…?」


「精神状態が限界だったんだろう…」

「何も喋らず、何も飲まず食わずで…、あれから数日後には何処かに行っていた」

「何処に行ったのかは…、解らない」

「ジョ-カ-達は天鹿和の捜索に当たっている」


「そうなんですか…」


「あくまで俺達は第1部隊に過ぎない」

「第2部隊はロックやニック達のカンパニ-だ」

「第3部隊は蘭斬達…、って所だな」


「…はい」

「天鹿和さん…、大丈夫でしょうか?」


「大丈夫かどうかは解らない」

「表と裏の心次第だ」


「…そうですね」

「ガルスさんとアオシさんは?」


「後で来る」

「援軍という形だ」

「ヤグモが行動を起こし次第、俺達も行く」

「解ったな?」


「はい…!!」


「…」


草の茂みに歩いて行く炎鬼


「炎鬼!何処に行くんだ?」


「お前には関係ない」


ガサガサ…



「ガハッ!!」


ボタボタボタ!!


多量の血を吐く炎鬼


「くそ…」


ザッザッザッ


血に砂をかける


(闇が蝕んでいくのか…、俺の体を)


「やはり、変だと思ったアルね」


「…ガムナ」


「皆には言ってないアルよ」

「和風もユウリも気付いてるアルけど」


「…お前も和風と同じ事を言うのか?」


「…国王、例え偽りの王だとしても、国には国王を信頼している国民が多く居るアルね」

「戦闘はイトウ達に任せて、国王は国の王座に座っていて欲しいアル」


「…駄目だ」

「何故、お前を奴を探しに行かせたと思っている?」


「…あの人を守るためアルか?戦うのは」


「それ以外に理由はない」


「…悲しむアルよ?亜門は」


「悲しませようと、俺は守る」

「そのために…、奴を3賢者から追放したんだ」


「…この戦いで死ぬかも知れないアルよ?国王」


「俺はヤグモにやられるようなヘマはしない」

「亜門を人質に取られるようなヘマも…、な」


「だけど、亜門は何処にいるか解らないアルよ?」

「もし、人質に取られていたら…」


「命に代えても助け出す」

「分かり切った事を聞くな」


「…そうアルね」

「闇が戦闘中に暴れ出さなければ良いアルが…」


「…暴れるだろうな」

「闇は仲間を呼び寄せる」


「…まさか」


「…解っただろう?」

「解ったなら、もう何も言うな」


「…それで良いアルか!?」

「本当にそれで…!!」


「…紋章を手に入れたヤグモは強い」

「コレしか方法は無い」


「…「月神と戦いたい」と言う理由は建前アルか?」


「そうだ」

「ヤグモに着くための口実、イトウ達を油断させるための口実にしか過ぎない」


「…幾ら国王でも、この計画を許すわけにはいかないアル」

「やめるアルね!!」


「…解らない奴だ」


ゴスッ!!


「うぅ…!!」


「どうした!?」


茂みの中に入ってくるオキナ


「オキナ、ガムナを船に運べ」

「気絶した」


「え…!?ガムナさんが!?」

「敵襲か!?」


「いや、違う」

「とにかく、船に乗せておけ」


「…?」


渋々、ガムナを運んでいくオキナ


「コレで良い…」

「俺には時間がない…」

読んでいただきありがとうございました

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