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南の国

異世界、イトウの研究所


バタン


「扉」から出てくる秋雨達


「ふぅ…、どうにか、たどり着いたな」


「鬼怒さんと鏡燕さん、大丈夫かな?」


「大丈夫よ!仲間同士だし、殺し合いはしないわよ」

「行きましょう」


「何処に?」


「…何処かしら?」


「まず、イトウさん達に見つからないように移動しなきゃな…」

「見つかったら、強制返還になるぞ」

「そのためにも、この世界をよく分かってる奴に頼みたいけど…」


「…モミジの所は?」

「モミジなら、話を解ってくれるだろ」


「「モミジ」?」


首をかしげる竜山


「ほら、俺、GLと一緒にいた…」


「ああ、あの可愛い子か」


「たぶん、俺達のことを解ってくれる」


「そうね」

「行きましょう」



南の国


「懐かしいわね…」


しみじみとするGL


「とにかく、モミジに会いに行きましょう」


「そうだな」


「止まれ!何だぁ!?テメェ達!!」


ガラの悪い男が3人を呼び止める


「いえ、人に会いに…」


「人ぉ!?誰だ!?」


(…ガラ悪いな)


「秋雨、無視しましょう」


GLが秋雨に呟く


「こう言うのは関わらない方が良いわ」


「何をゴチャゴチャ言ってやがる!?」


「…何でもないです」


「で!?誰を捜してるって!?」


「いえ、別に…」


「おい、何してる?」


「アニキ!!」


巨大な男が秋雨達の前に現れる


「人捜ししてるみたいで…」


「ほう、人捜しか」

「誰を捜している?」


「…自分達で捜しますから」


「…そうか」

「時に、お前達」


「…何ですか?」


「入国手続きはやったのか?」


「「入国手続き」?」


「最近、4国の警備が厳重な状態になっていてな」

「入国手続きが必要なんだよ」


「そうなんですか…」


「入国手続きは、向こうに有る海岸で出来る」

「早くしたほうが良いぞ」


「ありがとうございます」


「おう、気をつけろよ」

「この国はガラの悪い奴は多いが、皆、良い奴だからな」


「は、はぁ…」


歩いて行く秋雨達


「…何だか、結構、良い人だったな」


「人は見かけによらない、とは、この事ね」


「全くだな…」



海岸


「1つ、気になるんだけど…」


「どうした?」


「どうして海岸なんだ?」


「さぁ…?」


ザッパァ-ン!!


「…」


「どうした?竜山」


「波が高いな-、と思って」


「あ-、確かに」

「サ-フィンやってる人も…」


「…ねぇ、あのサ-フィンやってる人って」


「シャ-クさんだな…」


「ん?お前達は…」


シャ-クが秋雨達の元に走ってくる


「お前達、学園に帰ったんじゃないのか?」


「シャ-クさんこそ、どうしてサ-フィンを?」

「国王じゃ…」


「国王でもサ-フィンぐらいするって!!」

「で、何のようだ?」


「入国手続きが出来る、って聞いたんですけど…」


「ああ、入国手続きか」

「はい、コレ」


シャ-クが紙を3人に渡す


「それを持ってろ」


「これだけですか?」


「ああ、これだけ」


(随分、簡単な…)


「で?この国には何の用だ?」


「モミジに会いに…」


「モミジ?モミジか」

「城に居るから、会いに行くと良い」


「ありがとうございます」

「それじゃ」


「…ちょっと待て」


シャ-クが3人を呼び止める


「…どうして、この世界に来た?」

「スカルからは、お前達を「戦闘に巻き込みたくない」という理由でイトウさんが帰したと聞いているが」


「…皆さんに返ってきて貰うためです」


「単純な理由だな」

「モミジに会いに来た理由は?」


「…モミジに、この世界を案内して貰おうと思って」


「…モミジなら断りはしないだろう」

「だが、連れて行くのは許さん」


「…どうしてですか?」


「お前、どうして入国手続きなんてクソ面倒くさい事をしてると思う?」


(クソ面倒くさいって…)


「ヤグモの行動は激化し、エネルギ-純度が高い者が拉致されるという事件まで起こったからだ」

「流石に、この国も危ない」


「そうだったんですか…」


「モミジは俺の妹だ」

「肉親を危険に放り込みたくはない」


「…はい」

「それじゃぁ、エリムさんも…?」


「誰より、ティルリア国王殿が許さないだろう」


「…そうですか」

「ありがとうございました…」


「おい、何処へ行く?」


「え?」


「「モミジに会うな」と言っていない」

「話すだけなら構わない」


「良いんですか?」


「部屋に入れたらな」


「え?」


「ま、行ってこい」

「何事も経験、ってヤツだ」


「…?」



「シャ-クさん、何が言いたかったんだろう?」


「さぁ…?「部屋に入れたら」って、どういう意味かしら?」


「何者か!?」


城の兵が3人を呼び止める


「モミジさんに会いに来たんですけど…」


「モミジ様に!?」

「正気か!?」


「え?」


「いや…、何でもない」

「モミジ様の部屋は3階の右の部屋である」


「あ、どうも…」



3階


「何か…、怪しいな」


「皆、何か隠してるような…」


ガコン


「…何の音?」


「さぁ…?」

「竜山、なんだと思う?」

「…あれ?」


秋雨の隣にいたはずの竜山は居ない


「竜山…?」


「秋雨!伏せて!!」


「!?」


ビュン!!


秋雨の髪が少し切れる


「…え!?」


「何!?このトラップ!!」


ピピピピピピ!!


「うぉおおお!?」


大量のナイフが飛んでくる


ガガガガガガガガ!!


どうにか全て避ける秋雨とGL


「何してんの?アンタ達」


「ツバメ!!」


「もしかして、モミジ姉さんの部屋に行こうとしてる?」

「やめた方が良いわよ」


「ど、どうして!?」


「モミジ姉さん、学園から帰ってきてから部屋に引きこもってるの」

「まぁ、理由は簡単なんだけど…」


「何か有ったのか?」


「アンタが原因よ、秋雨 紅葉」


「え?」


「モミジ姉さん、アンタに惚れてたのよ?」

「それを私達が異世界に行く時、死にかけのモミジ姉さんが言ったでしょ?」


「そう言えば…」


「で、あの後…」

「「ハッキリ言ってしまった」って、部屋に入ったきり出てこないの」

「シャ-ク兄さんが説得しても「しばらく放って置いて」って…」


「それで、こんなトラップを?」


「あ、コレは私が仕掛けたの」

「姉さんのためを思って…」


(また、ツバメのイタズラか…)

「で、竜山が消えたんだけど…」


「焼却炉に居るでしょ?」


「「焼却炉」!?」


「落とし穴トラップは焼却炉に直通してるから…」

「まぁ、簡単に出られるから心配ないよ!!」


「私、心配だから見てくるわ」


歩き出すGL


「ツバメ、案内して頂戴」


「うん!良いよ-!!」


「…秋雨、しっかり話を聞いてあげなさいよ?」


「…ああ、解った」

読んでいただきありがとうございました

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