バッドエンド
「…」
戦場を見下ろしている炎鬼
「傍観か?良いご身分だな」
「…イトウか」
イトウが歩いてくる
「お前が戦っていた3人は?」
「逃げられた」
「この戦場だからな…、見つけるのは至難だろう」
「…そうか」
「お前は戦わないのか?」
「俺の目的は月神だ」
「それ以外は関係ない」
「…そうか」
「ヤグモは?」
「戦っている」
「…いや、追っている、と言った方が正しいか」
「くそ…!!」
岩陰に隠れるメタル
「逃げるなよ!殺したくなるだろうが!!」
「冗談じゃねぇぞ…!!」
バガァン!!
メタルの隠れていた岩が破壊される
「メタル!俺を捨てていけ!!」
「もう立て…」
ドゴッ
ロックを気絶させるメタル
「ゴチャゴチャうるせぇ」
「メタルさん!!」
「秋雨か…!!」
秋雨がメタルを呼ぶ
「秋雨!コイツを持ってろ!!」
「え!?」
ロックを放り投げるメタル
「うわ…!?」
ドン!
ロックを受け取る秋雨
「こ、校長…!?」
「ロックを逃がしたか…」
「お前はどうする?」
ドゴォン!!
メタルを蹴り飛ばすヤグモ
「がぁ…!!」
「まだまだ、だ」
「秋雨!!」
「蘭斬さん…!!」
「コイツは!?裏切り者じゃないのか!?」
「でも…、メタルさんが「持ってろ」って…」
「改心してくれたんじゃ…!?」
「…そう考えるしかないな」
「秋雨!伏せろ、だぜ!!」
「!?」
ドォン!!
秋雨の頭上に兵器が飛んでくる
「え…!?」
「はぁ…!はぁ…!!」
「スペ-ドさん!それに…、クロ-バ-さん!?」
「ダイヤを頼む!!」
秋雨に気絶したダイヤが預けられる
「は、はい!!」
「2人も怪我が…!!」
「この程度なら、大したことはないぜ」
「行くな」
「…何を言ってるんだぜ?二五」
「相手は兵器だ」
「幾ら死のうが相手の戦力に関係ない」
「確かに…」
「ここは固まって行動した方が良い」
「戦況の変化を待つ」
「…解った」
「八ツ手ノ大蜘蛛!!」
「鋼斬・破魔!!」
ドォン!!
「うぐぉ…!!」
「ぐぅ…!!」
共に弾き飛ばされるメタルとヤグモ
「…ロックを捨てる事によって、多少は軽くなったか」
「ああ、随分、楽になった」
「これで勝負が出来るな?」
「そうだな…!!」
「八ノ手ノ魔毒!!」
「鋼斬・龍牙!!!」
ドッ…
「うぐぉぉぉおおおおおおお!!」
「ああああああああああああ!!」
ドガァァァン!!
吹っ飛ばされるメタル
「がぁ…!!」
ドゴン!!
五芒星に置いてあった棺桶に衝突する
ガラガラガラ…
「チィ…!!」
立ち上がるメタル
「どうした!?そんな物か!?」
「黙ってろ…!すぐに、そのキモイ脚をもいでやる…!!」
「やってみろ!!」
「…!!」
「どうしたの?輝鈴」
「…下がっていてくれ、ハ-ト」
「輝鈴?」
ガッ
天鹿和がハ-トの首を掴む
「え…!?」
「下がっていてくれ」
ブン!!
ハ-トを放り投げる天鹿和
「どうしたの!?輝鈴!!」
「…」
「鋼斬・閃光!!」
「八ツ手ノ刃斬!!」
ガガガガガガガガガガガガガ!!
2人の周りの兵器が次々に大破していく
ガァン!!
一気に下がるメタルとヤグモ
「く…!!」
「流石、ハジャ様を殺しただけの男ではあるな…!!」
「手こずらせやがって…!!」
ザッ…
メタルの背後に天鹿和が立つ
「…どうした?」
ドスッ
「…!!」
メタルの腹部を刃が貫く
「お…前…!!」
「青龍の仇だ」
「今しかチャンスはないからな」
「表…か…!!」
「…そうだ」
「お前が青龍を殺したように、俺もお前を殺そう」
「何で…!表が…!?」
メタルの視界に棺桶が入る
「まさか…!あの棺桶に…入ってたのは…!!」
「…青龍だ」
「お前はヤグモと手を組んでいたのか?」
「…そうだ」
笑うメタル
「クズが」
ズシャッ!!
天鹿和がメタルの腹部から刃を抜く
ドシャッ…
地面に崩れ落ちるメタル
「仇は取ったぞ…、青龍」
「…クックックック」
「フハッハハハハハハハッハッハハッハッハ!!」
笑い出すヤグモ
「仲間に裏切られるか!メタル!!」
「メタル!!」
「おっと!!」
ダァン!!
ウェンの行く手を遮るスルメ
「行かせまちぇんよ」
「…噛みました」
「この…!!」
「メタルさん…!!」
「…秋雨、退却だ」
「で、でも…!!」
「これ以上、使者を増やして何になる?」
「退却だ」
「…ッ!!」
「…って言ってますけど?観音さん、凩さん」
「…退却するぞ、凩」
「言われなくても解っている」
「…退却した方が良さそうだな、ウィロ-」
「その様だな」
「退却か!?逃げるのか!?」
「ああ、逃げさせて貰う」
「その方が得策だ」
「…そうだな」
「竜山!どうする!?」
「メタルさんがやられた相手に勝てるとは思えない…」
「二五って人の言う通り、退却した方が良いんじゃないか?」
「…そうですわね」
「…退却して行くな」
「その様だな」
「お前は追撃しに行かないのか?イトウ」
「…もう、気付いたか?」
「二重スパイなど…、下らんな」
ガァァァァン!!
炎鬼の蹴りがイトウを吹っ飛ばす
「…効くな」
「失せろ」
「今なら見逃してやる」
「…随分と、お優しいな?炎鬼」
「…お前には関係ない」
「じゃ、逃げさせて貰おうか」
ボォォォォン!!
消えるイトウ
「…しっかり、技術は奪って行くか」
「炎鬼!何をしている!?」
「…シュルか」
シュルが炎鬼の元に走ってくる
「何故、イトウを逃がした!?」
「俺の目的は月神と戦う事だ」
「イトウを殺す事じゃない」
「お前!それでも…!!」
「黙れ」
「俺に指図をするな」
「…!!」
「その辺にしておけ、シュル」
「ヤグモ様…!!」
「しかし!このまま、蘭斬やジョ-カ-を逃しても良いので!?」
「逃すつもりはない」
ザザザザザザザザザザザザザザザザ!!
ヤグモの足下から億千の蜘蛛
「来たぞ!!」
「!!」
秋雨達を大量の蜘蛛が追ってくる
「く…!!」
「風雲・西風!!」
ザァァァァァン!!
蜘蛛を斬り飛ばすジョ-カ-
ザザザザザザザザ!!
斬り飛ばした数を遙かに上回る蜘蛛が斬った蜘蛛から現れる
「斬れば斬る程、増殖するのか…!!」
「そうですよ」
「アナタ達が生き残る結末は存在しない」
ドン!!
スルメがジョ-カ-に突っ込む
「む…!!」
「ジョ-カ-、だぜ!!」
「行け!スペ-ド!!」
「ここは任せろ!!」
「お前だけ残すわけにはいかないぜ!!」
「スペ-ド!この場に残れば…!!」
「…解ってるぜ」
「だが、それはジョ-カ-も同じだぜ」
「…このバカが」
「バカばかりで悪かったな」
クロ-バ-がジョ-カ-の隣に立つ
「クロ-バ-…!!」
「影が薄いから、気付かなかったか?」
「ジョ-カ-!クロ-バ-!スペ-ド!!」
「…ハ-ト!!」
「な、何!?」
「あのバカを連れ戻せ」
「お前の役目だ」
「え…!?」
メタルの死体を見下ろしている天鹿和
「輝鈴…!!」
「行け!!」
「…!!」
天鹿和に向かって走り出すハ-ト
「行かせると思いますか?」
ハ-トの前に立ちはだかるスルメ
「止めさせると思うか?」
ドガン!!
スルメを蹴り飛ばすジョ-カ-
「皆さん…!!」
「止まるな!秋雨!!」
叫ぶ蘭斬
「でも…!!」
「死にたいのか!?」
「皆さんを見捨てるぐらいなら…!!」
バキン
「え…!?」
秋雨の首輪が割れる
「…お前の好きにしろ」
「オキナ!!」
「蘭斬、この場を生き残るには秋雨の能力が必要だ」
「解ってるだろう?」
「この能力は!命を…」
「命を削る思いしてるのに、命を削らせないのか?お前は」
「ブチかませ、秋雨」
「…はい!!」
読んでいただきありがとうございました