戦士VS蜘蛛
ザッ…
背中を併せる竜山と伊弉諾
「チビ！お前、戦えるのか！？」
「当たり前だ！お前より強い！！」
「伊弉諾！前！前！！」
瑠衣が叫ぶ
「！！」
ガシャン
伊弉諾に銃が突きつけられる
「しまっ…！！」
ガシャァァン！！
「ギ…、ギギ…」
兵器を竜山の刀が貫く
「俺より強いんだって？」
「お、俺の方が強い！！」
ヒュン！！
竜山の顔の横をナイフが飛んでいく
ガギン
竜山の背後の兵器が崩れ落ちる
「油断大敵ですわよ？」
「…どうも、美しいお姉さん」
「あら、嬉しい事を言ってくれますわね？」
「Stop time！！」
ゴゥン…
凩の周りの兵器の動きが鈍る
「ほう、面白い能力だ」
「千手・阿修羅！！」
ドドドドドドドドドドド！！
次々に兵器を潰していく観音
「…お前か」
「時間を操るのか」
「仏の領域に踏み込むのだな？その能力は」
「お前、仏門か？」
「無論だ」
「…そうか」
「余所見とは…、感心しませんね」
「！！」
バガァン！！
緑が観音を蹴り飛ばす
「むぅ…！！」
「観音！！」
「人の心配していて良いんですか？」
「こっちを見てくださいよ」
「この…！！」
「Stop time！！」
「その技は攻略済みです」
動きを止める綠
「…！！」
「この技は、アナタ自身にも効果を与える」
「それに、連続して技を使える程の体力が残っていますか？」
「俺には残っている」
「千手・阿弥陀！！」
バキッ！！
「う…！！」
ドガガガガガガガガ！！
観音が綠を吹っ飛ばす
「痛いじゃないですか…！！」
「来い」
「相手になってやる」
「お望み通りにしてやるよ！！」
２人に突っ込む綠
「くぅ…！！」
スルメに苦戦しているＧＬ
「実力差が解りましたか？」
「アナタが私に勝ちゅ事など不可能…」
「…噛みました」
「確かに、そうかも知れないわね…」
血を拭うＧＬ
「でも、諦めないわ」
「そうでしょうね」
「僕は、アナタ達みたいな熱血派は大っ嫌いですよ」
ゴッ！！
ＧＬを蹴り飛ばすスルメ
「う…！！」
（しばらく秋雨にエネルギ－を貰ってなかったから、力が出ない…！！）
「どうしますか？死にますか？死にますか？」
「選択肢は２つです」
「でも、結果は１つでちゅよ」
「…噛みました」
「同じ選択肢じゃない…！！」
「退け、女」
ガァァァン！！
スルメの頬を血が伝う
「…アナタですか」
「外したか…」
構えるウェン
「次は当てる」
「当てないでくださいよ…」
「痛いじゃないですか」
「心配するな」
「その廻りにくい舌を切り取ってやる」
「…遠慮しておきます」
「ちょっと！誰！？」
「お前の仲間だ、女」
「女じゃない！ＧＬ！！」
「ふん、解りにくい名前など、どうでも良い」
「失せろ」
「…何処に失せても、安全な場所なんて無いし、失せる気も無いわ」
「図に乗るなよ」
「このアマ」
「図に乗るわよ」
「秋雨のためになら」
「…ふん」
「メタルの命令を忘れないことだな」
「解ってるわ」
「絶対に死なない」
「…それで良い」
「会話中に悪いんですけど…」
「死んで貰えます？」
「断る」
「却下ね」
「残念でしゅ…」
「…噛みました」
「…まさか、ここまで苦戦するとは」
戦場を見下ろすヤグモ
「奴達の士気を支えているのはメタル、蘭斬、ジョ－カ－だな」
「あの３人を始末しなければ…」
「くぅ…」
ガァン
ハンマ－を杖にし、立ち上がるオキナ
「何だ？生きていたのか」
「そこまで柔じゃねぇよ…！！」
「死ぬ時は楽な方が良いだろう？」
「残念だが…！死ぬ時は訪れねぇよ」
「お前には訪れるがな！！」
「その強気が、いつまで続くか…」
「見物だな」
小さく笑うヤグモ
「炎槌猛火！！」
「八ツ手ノ刃斬！！」
ガシャン…
「キリが無いですね…」
岩陰に隠れ、銃を装填する秋雨
「当たり前だ」
「この大量の兵器を一瞬で片付けられるとでも思ったのか？お前は」
ため息をつく蘭斬
「いえ、そんな事は…」
「メタルやジョ－カ－なら簡単かも知れないが…」
「俺には無理だろう」
「蘭斬さんって…、メタルさんの仲間だったんですか？」
「昔の話だ」
「メタルは、お前にそんな事を話したのか？」
「…盗み聞きです」
「メタルにそっくりだな」
「それで、「死魂の蘭斬」って…？」
「こういう事だ」
ヴヴヴヴヴ…
蘭斬の手が光る
「それは？」
「自分の生命エネルギ－を力に変える」
「生命エネルギ－その物を力に変えるから、お前と同じリスクを背負う」
「それじゃ…、その能力も…！？」
「ああ、命を削る」
「お前と同じだ」
「…蘭斬さんは、封印具を使わないんですか？」
「この能力自体を使わないんだよ」
「体術で兵器を潰してただろう？」
「確かに…」
「お前も、自分の能力の危険性を知るんだな」
「命を削る能力なんざ、ロクなモンじゃない」
「…確かに、そうかも知れませんけど」
「仲間のためになら…、命も惜しくありません」
「…そうか？」
「俺は惜しいが」
蘭斬が足下の石を拾う
「戦場において「仲間思い」は「死にたがり」、「無情者」は「英雄」だ」
バガン！
石を砕く蘭斬
「命を軽い物と思うな」
「俺やメタルは…、命を奪ってきたからこそ解るんだよ」
「…はい」
ガァァァン！！
２人の隠れていた岩が破壊される
「オ…、オキナさん！！」
オキナの腹部からは尋常ではない血が流れている
「ヤグモにやられたのか…」
「このヘタレが」
「そんな言い方しなくても…！！」
「言っただろう」
「「仲間思い」は「死にたがり」だ」
「秋雨、ここでオキナを見てろ」
「ら、蘭斬さんは…！？」
「兵器を潰す」
「それ以外に何が有る？」
「…そうですか」
「オキナを死なせるな」
「戦力が大幅に下がる」
「…はい」
歩いて行く蘭斬
「蘭斬さん！！」
「何だ？秋雨」
「蘭斬さんは「死にたがり」ですか？」
「…違うな」
「そこで寝ている奴と同じヘタレだ」
「仲間の１人も見捨てられない…、な」
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