聖地の戦い
ガシャン…、ガシャン…
大量の兵器が秋雨達に向かって進行してくる
「秋雨、解っているな?」
蘭斬が秋雨に近づく
「あの兵器は強いだろう」
「お前の能力は異種だと聞いているが…」
「能力は使うな」
「…魂を削るからですか?」
「…そうだ」
「いえ、使います」
「何だと?」
「この場で死んでしまっては、意味がありませんから」
「…単純な所はメタルに似ているな」
「だが、使わせるわけにはいかない」
ガチャン
「え?」
秋雨の首に首輪が填められる
「首輪…?」
「いや、少し違う」
「首輪ではなく、封印具だ」
「「封印具」!?」
「お前に能力を使わせるな、とメタル達から言われているからな」
「ハンドガンだけで頑張れ」
「それが無理なら、この戦線から離脱しろ」
「…外してください」
「無論、却下だ」
「どうする?」
「…」
眼を閉じる秋雨
「勿論、行きます」
「…本当に、メタルに似ているな」
「だが、メタルの命令を忘れるなよ?」
「「死ぬな」」
「…はい!!」
「金骨塊業」
ドドドドドドドド!!
兵器が次々に凹んでいく
「…やるな、小娘」
イトウがダイヤを睨む
「…当たり前」
「磁力を操る能力だな?」
「…正解」
「確かに、兵器との相性は最悪だ」
「だが、あくまで兵器に対しての相性、という話だ」
モァァァァ…
イトウの袖口からどす黒い煙が溢れ出す
「…!!」
一気に後ろに下がるダイヤ
「勘が良いな」
「この神経麻痺毒に気付くか」
「…危険」
「させるか、だぜ!!」
「超重化!!」
メキン!!
地面が大きく凹む
モァァァ…
それに連れ、イトウの放ったどす黒い煙も地面に押さえつけられる
「磁力の次は重力か」
「何でもありだな」
「「何でもあり」?」
「俺様の能力を見てから言うんだな!!」
バガァン!!
「!!」
イトウの背後の兵器が一刀両断される
「おらぁ!!」
ドゴン!!
間一髪で躱すイトウ
(気配を全く感じなかった…!?)
「気配を消す能力か…!!」
「その通りだ!!」
「俺様を舐めんなよ!!」
「…厄介だな」
「確かに、兵器だけでは相手にならんか…」
ガサッ…
白衣の中を漁るイトウ
「…コレか」
ポ-ン…
薬瓶を上に放り投げる
「何だ…?」
パリン
「瓶が…、割れた?」
グゥン
瓶の中身の液体が空中に留まっている
「…?」
ドスン
「…え?」
ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス!!
「なぁ!?」
空中の液体から凄まじい速さの針が落ちてくる
「スペ-ド!!」
「解ってる!!」
「超軽化!!」
フワ…
全ての針が空中に浮く
「その能力も予想内」
「!!」
ドスドスドスドスドスドス!!
先刻の数を上回る針が液体から落ちてくる
「押さえきれない…!!」
ドスッ
「…ッ」
「ダイヤ!!」
ダイヤの頬を針が擦る
「まだまだ、だ」
ドスドスドスドスドスドスドスドス!!
「…超重化!!」
ドゴン!!
液体が地面にめり込む
「はぁ…!はぁ…!!」
「…良い判断だ」
「液体その物を落とせば、針は落ちてこないからな…!!」
「そうだ」
「だが、俺がその程度の計画性と思ったか?」
「何だと!?」
「金属塊転」
メゴッ!!
「ぐぅ…!!」
クロ-バ-の腹部に鉄骨がめり込む
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
クロ-バ-は吹っ飛ばされる
「クロ-バ-!!」
「その液体は特殊でな」
「敵の体内に侵入し、味方と敵の判断を無くす」
「そんな物を…!!」
「眼を覚ませ!ダイヤ!!」
「無駄だな」
「見ろ」
「!?」
ダイヤの足下に先刻のどす黒い煙が渦巻いている
「神経麻痺毒だ」
「もう、耳と口は機能していない」
「お前…!!」
「さぁ、俺とダイヤ」
「2人を相手に耐え抜けるかな?」
「…ッ!!」
「はぁ!!」
兵器を蹴り飛ばすハ-ト
ガシャン…
ハ-トの後頭部に銃が突きつけられる
「しまった…!!」
「誘爆破殺!!」
ドゴン!!
兵器の頭部が消し飛ぶ
「無事か!?」
「輝鈴…!!」
「油断するな!!」
「う、うん!!」
「兵器もそうだが、他の奴達の戦いに巻き込まれないようにしろ!!」
「特に、あの2人の戦いに!!」
「…!!」
「真眼発動!!」
ゴゥ…
メタルから凄まじいエネルギ-が放たれる
「…それを使うのか、メタル」
「当たり前だ!!」
「全力で潰す!!」
「…そうか」
「鋼斬・破魔!!」
「天弾時雨」
ドッ…
一瞬、音が止む
ガァァァァァァァァァァァァァン!!
「うわ…!!」
2人を凄まじい風が包む
「…ハ-ト、表はあの男に勝てると思うか?」
「…無理だと思う」
「だよな…」
「華桜」
「風雲」
ザン…
ウィロ-とジョ-カ-の周りの兵器が割れる
ガラガラガラガラガラ!!
崩れ落ちていく兵器達
「爆発すらさせない…、か」
「久しいな、シュル」
「お前はメタル側に着いたな、ジョ-カ-」
「確かに、ハジャには恩がある」
「だがハジャが俺達を利用していた事も、間違っていた事も解っている」
「無論、ヤグモも…、な」
「残念だよ」
「昔の仲間を失うとは」
「その台詞、そのまま帰す」
構えるジョ-カ-とウィロ-
「…まさか、お前と組むとは、な」
「俺も予想外だ」
「誰と組もうと同じ事!!」
「死ね!!」
「お前がな」
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