表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/226

無職の少女

火衣良ちゃんの風紀委員脱退から、2時間が経つ



「起きないな…」


「起きないね…」



火衣良ちゃんは中々起きない



「あ!竜山!!」


「ん?」



「今日は休みらしいぞ!」


「何で?」



「依頼達成したから」


「なるほど」



「俺だけだろ?」



「依頼達成したの、お前だしな」




「じゃぁ、いってらっしゃい」


「おう!行ってくる!」



「火衣良ちゃんの面倒、見てあげてね!!」



「解ってるよ」






生徒会室では、春白さんに報告していた


「春白さん」


「何?」



「言われた通りに依頼されので、達成してきました!!」



「うん!流石ね!!」


「で、報酬は?」



「え?」



「依頼達成したから、報酬、くれたでしょ」



「いえ、貰ってませんよ」



「…誰から依頼されたの?」


「首狩さんです」



「!!」



「どうかしました?」



「アイツは学園内情報屋でね…」


「?」



「秋雨君、人が良いから、つけ込まれたわね…」



「!!」



「仕方ないわ…、詳細は会長に報告した?」



「まだです…」



「しなさい」



「…はい」






その日の仕事は、特になく、それで終わってしまった




「ハァ~…、憂鬱だな…」


流石に落ち込んで寮に帰り着くと…



「ちょっと待て~!!」


部屋から、竜山の叫び声



小さな女の子の笑い声も聞こえる



「火衣良ちゃん、起きたのかな?」



「ただいま~」



「…」




上半身、裸の竜山


脱ぎかけの服を引きずりながら、走る火衣良ちゃん



「竜山…」


「手、出すなって言ったのに…」




「ち…、違う!誤解だ!!」


「火衣良ちゃんが植物状態だったから、風呂入ってないだろ?」



「それで、入れようとしてたのか…」



「そう言うことだ!!」



「あ!ちょっと待て!!」




追いかけ回す竜山と、逃げ回る火衣良ちゃん



これを見ると、本当に兄弟みたいだな…




「捕まえた!」


「捕まっちゃた…」



「はい!お風呂入るよ!!」


「むぅ~」



「ゆっくり入って来いよ」



「秋雨は、後で入ってくれ」



「解った」





2人が風呂に入った後も、しばらく笑い声は続いていた



「幸せな奴らだな…」



「ただいま~」



「お!おかえり」



「あれ?竜山と火衣良ちゃんは?」



「風呂」



「一緒に入ってるの!?」



「…言われてみれば」



「ま、大丈夫だろ」




「本当かな…」


「あ!」



「どうした?」



「私達も一緒に入る?」



「…却下」



「え~」



「お前も女だろ…」



「後で、エネルギ-頂戴ね!」


「へいへい」






「ふぅ~、サッパリした~」



「出たか」




「おなか減った!」



「ご飯作ってあげるね~」




「今日は、お祝いに刺身よ!」



「おお!豪華だな!!」



「岩角さんが「お祝いに食べてくれ」ってくれた」




「うぅ…、岩角先輩!ありがとうございます!!」







「いただきま~す!!」




全員そろっての食事



「美味い!!」



「真鯛だろ…、これ」



「岩角さん、釣りが趣味らしいぞ」



「おいしい!」


「頬に醤油ついてるぞ」



「ワサビ取って」


「本当においしいわね」








「ごちそうさまでした!!」







「…さて、問題がある」



「何だ?」



「布団が3つしかない」



「私、床で寝ようか?」



「いや、火衣良ちゃんが、誰かと一緒に寝た方が良い」



「どうする?火衣良ちゃん」




「…火衣良ちゃん?」



「秋雨!アレ…」



そこには、竜山の布団で寝ている、火衣良ちゃんが居た



「…本当に、兄弟みたいだな」



「ん?何か言ったか?」




「いや…、何でもない」



「じゃぁ、寝るか」



「お休み」



「お休み~」



「お休み」




その日は、グッスリ眠れた





読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ