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潜入

「それでは続きまして、天鹿和と観音の試合を始めます!!」


両手を振り下ろす審判


「始め!!」


ガァン!!


地面に手をつく天鹿和


「…何だ?」


「足下注意、だ」


「!!」


バァン!!


観音の足下が爆発する


「む…!!」


「まだまだ、だ」


バババババババババ!!


観音が着地した足下が次々に爆発する


「はぁ!!」


ガァン!!


地面に大きな穴を作る観音


「!!」


「コレで、その技は使えまい」


「…何故、気付いた?」


「その指の動きだ」


「流石だな…!!」


「予め、目にも見えない微量の火薬を飛ばしていただろう?」

「ウェンと瑠衣が戦い終わった時に」


「その通りだ」

「さらに、指を地面に激しく摩擦させることによって火花を起こし…」


「爆発させる、だろう?」


「…ご名答」


「だが、この様に地盤が崩れては火薬の操作もできまい」


「その通りだ」


「次は、どのような手だ?」

「何であろうと、我汝が潰そう」


「潰さないでくれると嬉しいんだが…」


「却下だ」


「だろうな」


ダッ!!


地面を蹴り、観音に突っ込む天鹿和


「誘爆破殺!!」


天鹿和が観音の服に触れる


「無駄だ」


ダァン!!


天鹿和を叩き落とす観音


ジジジジジ…


「む?」


観音の服が燃えている


「何をした?」


「今に解るだろ?」


ドォォォオン!!


観音が爆発する


「どうだ?火薬の味は」


「…良い味ではないな」

「だが、粗食には慣れている」


「!!」


服のホコリを払う観音


「おいおい…!冗談じゃないぜ…!!」


「何か、妙な事が有るのか?」


「服ぐらいは吹っ飛んでも良いだろ…!!」


「我汝の技の前では、火薬など無力」

「さぁ、次の手も潰そう」


「…冗談、キツイな」


ヴヴヴヴヴヴ!!


天鹿和の手鎧の先端が激しく振動する


「AWに使った技か」


「失せろ!!」


ガガガガガガ!!


「な…!?」


手鎧の先端が観音に触れた瞬間、振動を止める


「その服…!何か仕込んでるのか!?」


「何も仕込んでなどいない」

「普通の服だ」


「この手鎧はコンクリ-ト程度なら貫くんだがな…!!」


「では、この服はコンクリ-トより堅いのだ」


「下手なジョ-クだな!!」


ゴォォォオォ!!


天鹿和の手鎧の先端部から炎が放たれる


「それが、どうした?」

「無意味だ」


ドゴン!!


天鹿和を吹っ飛ばす観音


「うぐぅ…!!」


ザザザザザ!!


耐える天鹿和


「誘爆…!!」


「無駄だと言っただろう」


ゴッ!!


天鹿和を蹴り飛ばす観音


「まだだ!!」


ブン!!


天鹿和が手鎧を振り回す


「無駄だ」


小さく笑う天鹿和


「…そうか?有効に見えるが」


「!!」


観音の服が裂けている


「何をした!?」


「お前に技が効かないのは、体に高純度のエネルギ-を纏っているからだろう?」

「それを削り取っただけだ」


「…その通りだ」

「だが、我汝の鎧を削り取ることが出来るとは、な…」


「舐めるなよ?俺を」


「舐めてなどいない」

「ただ、実力差を自覚しているだけだ」


「まぁ、間違ってないな…」


「行くぞ」


「来い…!!」



西の孤島


「ギャァ!ギャァ!!」


妙な鳥の声が鳴り響く島


「不気味な島ね」


「確かに…」


そろそろと進む竜山、GL、舞桜


「何者!?」


ガチャガチャ!!


3人に銃が向けられる


「ここを何処と心得る!?」

「五神三聖の本部であるぞ!!」


「ええ、解っております」


舞桜が一歩、前に出る


「私達も、五神三聖へ入りたくて」


「それで本部まで来たのか!?」


「ええ、その通りです」


「…しばし、待たれよ!!」


隣の男と話し合う見張り


「…今は幹部の方が戻られ、調査の結果を報告されている所である!!」

「この五神三聖に入るには、ユウリ様より直々に判断していただく必要があるのだ!!」

「よって!しばらくは本部内で待っていただく必要がある」

「それでも良いか?」


「はい、構いません」


「では、着いてくるが良い」


ガサガサ…


森の中に入っていく見張り


「行きましょう」


「は、はい!!」



五神三聖本部


待機室


「係の者が呼びに来る!!」

「それまで、待たれよ!!」


「はい」


持ち場に戻っていく見張り


「上手くいきましたね、風華会長」


「…そうね」

「ヴァトラを見つけたら、そのまま五神三聖に入る振りをするわよ」


「どうしてですか?」


「ここで断れば、何をされるか分からないもの」

「行動を起こせば、面倒なことになるわ」


「確かに…」


「その後、ヴァトラが単体になった所を捕まえ、事情を聞くわよ」

「解ったかしら?」


「はい」


「解ってます」


「教頭…、いえ、校長からは生け捕りにするように言われているけど…」

「かなりの実力のようだから、本気で行くわよ」


「はい…!!」


「おい!3人!!」

「ユウリ様がお呼びだ!!」


「私達の事ね」

「行きましょう」



面会室


「失礼します」


「どうぞ」


ガチャン…


部屋に入る竜山達


「五神三聖に入ることを希望している、と聞きましたが…?」


「はい、そうです」

「ユウリ様は?」


「どんな方だと思いますか?」


「立派な方かと」


「そうですか?嬉しいですねぇ…」


「え?」


「今までは「神に等しい方」とか訳の分からない例えをされてましたので…」

「「立派な方」とは分かり易い」


「アナタが…!?」


「はい、五神三聖、総主教のユウリです」

「どうかしましたか?」


「いえ…、別に…」


「もしかして、もっと威厳のある人かと思ってました?」

「そんな事ありませんよ!!」


笑うユウリ


「で、この団体に入りたいんですか?」


「はい、そうです」


「う-ん、構いませんが…」

「そんな遠回りにしなくて良いでしょう?」

「ヴァトラ!学園の方々がお見えになってますよ!!」


「!?」


「…来たのか」


「どうして…!?」


「見張りからの映像を見たヴァトラが気付きまして」

「私も、今し方、アナタ達の心を見て解ったのです」


「く…!!」


「おや、戦うなどと考えないでください」

「私、戦闘は嫌いでして…」


「お前達、落ち着け」

「ユウリ様は敵ではない」


ヴァトラを睨む舞桜


「校長からカンパニ-の一件を聞いているけど…」

「敵以外の何なのかしら?」


「アレは仕方がなかったんです…」


悲しそうな目をするユウリ


「私達も本部の皆を人質に取られていて…」

「従わなければ殺されていたのです…」


「ユウリ様も好きで占拠したわけではない」

「故に、誰も殺していない」


「よく言うわね」

「校長を…、ロックという人を殺したでしょう?」


「…え?」


首をかしげるユウリ


「それは…?」


「知らない、とは言わせないわ」

「校長は五神三聖からカンパニ-を救うために…」


「いえ、私は知りません」


「ユウリ様が言っていることは本当だ」

「それに、俺達が占拠していたのは確かだが、その男は五神三聖のメンバ-とは戦っていないはずだ」


「どういう事?」


「もし、戦っていたのなら報告が入るはず…」

「占拠中も、それ程、大きい騒ぎはなかった」


「本当の事を言ってくれる?」

「嘘に付き合っている暇はないのよ」


「本当だ」


「…風華会長、ヴァトラが言っていることは本当じゃないですか?」


「どうしてかしら?」


「校長ほどの人が、易々と倒されるとは思えませんし…」


「…確かにそうかも知れないわね」

「でも、その可能性は低いわよ」


「おい、今「風華」と言ったか?」


「それが何?」


「リ-ダ-の…、柳舞の妹か?」


「…話が逸らさないで」

「校長はカンパニ-で死んだはずよ」

「私達は、その真実を確かめる必要があるわ」

「命に代えても」


「柳舞は…!!」


ユウリがヴァトラの肩に手を置く


「ユウリ様…!!」


「…ロックさんの事は知らない」

「それだけです」


「…行くわよ、2人とも」


「か、会長!?」


「これ以上は無駄のようだから」


「…行かせません」


ガタン!!


扉に鉄格子が掛かる


「…戦闘は苦手じゃなかったの?」


「アナタ達を、特に舞桜さんを行かせるわけにはいきません」

「柳舞さんに言われてますから」


「兄が…!?」


「はい、「妹を守って欲しい」と」


「…どういう事か、説明してくれるわね?」


「そのつもりです」

読んでいただきありがとうございました

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