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準決勝開始

大会会場


「それでは!これより準決勝を行います!!」


「うぉぉおおおおお!!」


わき上がる会場


「凄い歓声だな…」


「準決勝ともなれば、当たり前だ」

「それに、どちらも大会初参加と来てる」


「メタルは参加した事が有るが」


「…別のチ-ムで、な」


「おい、来たぞ」

「相手チ-ムだ」


会場に入ってくる二五チ-ム


「二五、久しぶりだな」


「…メタルか」

「何故、お前が大会に出ている?」


「戦うためだ」

「お前は?」


「…お前には関係ない」


「そうか」

「で、何で偽名を使っている?」


「…俺の名は知れ渡りすぎた」

「戦う前に棄権されても困る」


「…そうだったのか」


「メタル、相手のメンバ-表だ」


「おう」


メンバ-表を受け取るメタル


「っと…、意外な組み合わせで来たな」


「どんな組み合わせだ?」


「瑠衣、観音、二五だ」

「大方、予想通りではあるが…」


「瑠衣という、あの女が問題か」


「そうだ」

「ウェンが女と当たるか…」


「殺すだけだ」


キッパリというウェン


「殺しちゃダメだろ」


「何故だ?」


「蘭斬もバカじゃない」

「もしかしたら、俺達の計画に協力してくれるかも知れない」


「…殺すな、と?」


「そうだ」


「出来る限り頑張ろう」


「「出来る限り」じゃダメだ」

「殺せば、蘭斬は確実に敵になる」


「…」


無言でリングに上がっていくウェン


「ウェン!解っているとは思うが…」


「ああ、負けだけは無い」


「それでは!準決勝、ウェンと瑠衣の試合を始めます!!」

「リングから出るか、死ぬか、ギブアップするか、私が試合の続行が不可能と判断するかで負けとなります」

「正々堂々、戦ってください!!」


両手を振り下ろす審判


「始め!!」


ブン!!


刀を振り下ろすウェン


「早速、やりやがった…」


「何を?」


首をかしげる凩


「壁、地面、見てみろ」


「!!」


ウェンが振り下ろした先の地面壁がすっぱり割れている


「な…!?」


「高水圧の水だ」

「それを、さらに激しく回転させて衝撃波にしたんだよ」


「そんな事をすれば、あの女は…!!」


「死なないように手加減しているはずだ」

「最悪、皮膚が切れるぐらいだろう」


「…何とも無い様に見えるが」


「何!?」


平然と建っている瑠衣


(俺の攻撃を避けた…!?)


「ウェン!タダの相手じゃないぞ!!」


「…」


瑠衣に突っ込むウェン


ピン!!


ウェンの腕をナイフが擦る


「この程度は効きませんのね…」


「当たり前だ」


ドッ!!


ウェンが瑠衣の腹部を突き刺す


(手応え有り…、だが)


瑠衣の口から、血がしたたり落ちる


(現実じゃないな…)

(幻覚…?いや、幻覚なら感触は無いはずだ)


ヒュン…


「!!」


一気に伏せるウェン


ブン!!


ウェンの髪をナイフが切る


「…やりますわね」


「まさか、女ごときに背後を取られるとは…、な」


「「女ごとき」とは…」

「失礼じゃなくて?」


「お前は「ごとき」で十分だ」


ブン!!


刀を振り回すウェン


ドスッ!!


刀が瑠衣の足に突き刺さる


「手応え有り、だな」

「この距離では躱せないだろう?」


「どうかしら?」


「!!」


ドスッ


ウェンの腹部にナイフが刺さる


「ぐぅ…!!」


ダッダッダ!!


後ろに下がるウェン


「…どういう事だ!?」


瑠衣の足には傷がない


(幻術…!?いや、そんな素振りはなかった!!)

(どんなトリックを使ってやがる…!?)


「大丈夫かしら?その傷」


「お前に心配される筋合いはない…!!」


「あら、そう」

「残念ね」


ヒュンッ!


瑠衣がナイフを投げてくる


(この程度なら躱せるが…)

(囮か?)


ナイフを紙一重で躱すウェン


「追撃は無し…、か」

「どう言うつもりだ?」


「気付いてないの?」


ポタッ


「…まったく、何が有ったんだ」


ウェンの頬が切れている


「確かに紙一重で躱しはしたが…」

「当たってはなかったはずだが」


「当たってるじゃない?現に」


「…そのようだな」

「お前、幻術使いか?」


「さぁ?どうかしらね」


「…答えるはずはないか」

(この血と傷は幻術じゃない)

(敵に当てたはずの攻撃は当たっておらず、避けたはずの攻撃は当たる…)

(幻術に攻撃すれば手応えはあるのに、当たっていない…)


「ギブアップかしら?」


「…試してみるか」


「?」


スパァン!!


ウェンが刀で地面に円を描く


「何かしら?」


「黙れ」

「お前のトリックの種明かしをする所だ」


ボッ!!


円から水が吹き出て、瑠衣を囲む


「…?」


水は瑠衣を攻撃するわけでもなく、ただ囲んでいるだけである


「…そう言うことか」


「何がしたいの?」


「今に解る」


ダッ!!


瑠衣に突っ込むウェン


「無駄と解っているでしょう?」


ナイフを構える瑠衣


ドッ!!


ウェンが瑠衣の腹部に刀を刺す


「コレは幻術」


「解ってるじゃない」


「本体は俺の後ろか」


「!?」


ドゴッ!!


ウェンの蹴りが瑠衣の腹部に命中する


「うぅ…!!」


「子供だましだな」


ガクッ…


地面に膝をつく瑠衣


「どうして…!?」


「光の屈折だ」

「お前はそれを利用し、俺から逃げていた」


「そうかしら?」

「それじゃ、説明は付かないんじゃない?」


「その通りだ」

「感覚を錯覚させる幻術の説明が付かない」


「どうして、そう予想するのかしら?」


「お前は幻術は使っていない」

「コレだ」


ウェンが地面に落ちたナイフを拾う


「お前が、俺に始めに投げたナイフ」

「錯覚毒を塗り込んであるな?」


「…ご名答ですわ」

「まさか、このトリックが見破られるとは…」


「俺の勝ちだな」

「お前の正しい位置も、大凡ではあるが判断できる」


「…私を水で囲んだのは?」


「解っているだろう?」

「お前の屈折角を計るためだ」


「本当に抜け目のない人ですわね」

「でも、毒は一種類じゃなくてよ?」


「!?」


ビリッビリッ!!


ウェンの体が痺れる


「な…!?」


「最終兵器ですわ」

「ここまで見破られるとは、思いませんでしたもの」


「麻痺毒か…!!」


「さて、アナタの負けですわ」


ゴロン…


ドタッ…


ウェンを場外へ転がす瑠衣


「勝者!瑠衣!!」


「うぉおおおおお!!」


一気に盛り上がる会場


「世話のかかる…」


ウェンを運んでくるメタル


「和風、ウェンを解毒してくれ」


「任せろ」


ウェンに解毒薬を飲ませる和風


「悪い…、負けた」


「ま、殺さなかっただけ良しとするさ」


「…」


無言で二五達の元に戻ってくる瑠衣


「どうした?瑠衣」


伊弉諾が瑠衣に語りかける


「…見逃されましたわ」


「何、言ってんだ?」

「勝ったじゃん」


「あの種明かしの時…、攻撃されていたのなら…」


「勝ったから良いじゃん!!」


「そう言う問題ではなくてよ?伊弉諾」


「そんなモン?」


「そんなモンですわ」


「…次は観音だ」

「行ってこい」


「解っている、二五」

「我汝、勝利し、この戦いを終わらせよう」


「そうしてくれ」

読んでいただきありがとうございました

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