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残りの紋章

「ああ、そうだ!雷火」


「何だ?ケイジ」


「服ぐらい、着せたらどうだ?」


「!!」


顔を真っ赤にし、部屋の奥に走り去る沙羅


「すまない、気付かなかった」


「…お兄ちゃんになら、見られても良いかな」


沙羅が冗談交じりに笑う


「…早く服を着ろ」


「…うん」


部屋の奥で着替える沙羅


「…アオシ、まずは礼を言わせてくれ」


「俺も、咄嗟の思いつきだった」

「礼は言わなくて良いさ」


「…じゃぁ、代わりに謝ろう」

「殴って悪かった」


「俺も殴っただろ?お相子だ」


「…沙羅を蘇らせれたのは、お前のおかげだよ」


微笑む雷火


「礼は言わなくて良い、って」


「それでも…、言わせてくれ」

「ありがとう」


「…ああ、それじゃ、交換条件だ」


「何だ?」


「あの子は、この世界の人間とは体のつくりが違う」

「もし、年を取って成長していくのなら…」

「美人になったら俺に紹介してくれ!!」


ゴッ!!


アオシを殴り飛ばす雷火


「あ-!お前の礼を言ったのが間違いだった!!」

「帰れ!帰れ!!」


「冗談だって!世界には俺を愛する美女が億万と居るのに!!」


「居るか!妄想だろ!!」


「空想じゃない?雷火…」


「同じだよ!!」


「…と、まぁ、冗談は置いておいて」


沙羅を手招きするアオシ


「…?」


アオシに近づく沙羅


アオシが沙羅の頭をなでる


「この子の模様が治ったからって、村人達は納得しないだろう」

「お前達が連れて行くんだ」


「…?」


アオシが立ち上がり、ノ-スに耳打ちする


「…そうは言うが、俺達の旅の目的はなくなった」

「お前の提案のおかげで沙羅は治ったからな」


「…本来なら、ヤグモの計画を阻止するために立ち上がって欲しい」

「だが、沙羅ちゃんを放っておく訳にはいかない」


「どうするんだ?アオシ」


ケイジが首をかしげる


「…そうだな」


「さぁ-て!どうしよう?」

「困った!困った!!」


「!!」


ガキィン…


沙羅の首にクナイが突きつけられる


「沙羅!!」


「お兄ちゃん…」


「いや-!すばらしい物を見せていただいた!!」

「私、スルメも涙してしみゅあした!!」

「…噛みました」


「お前…!ヤグモの手下か!!」


「その通り!!」

「ヤグモ様に使える手下でございます!!」


「沙羅を離せ!!」


「もう!解ってるくせに!!」

「紋章を渡してくださいよ~」


「…ッ!!」


「おっと!渡すのは3賢者のノ-ス様と風の神のワンコ様だけで良いですよ?」

「雷火様のはいただいてますから」


「…クソ!!」


ワンコが雷火にささやく


「…雷火、この距離なら僕のスピ-ドで沙羅ちゃんを取り戻せるよ?」


「おっと!変な行動を起こせば、この子の首は飛びますよ!!」


「…!!」


「…ワンコ、ノ-ス、頼む」


「解っている…」


「うん…」


ポイッ


紋章を放り投げるノ-スとワンコ


「毎度、ありがとうございま-す!!」

「本当、アナタ達は人質に弱い!!」


「黙れ…!!」

「その子に何かしてみろ!死ぬだけじゃ済まんぞ!!」


「解ってます、って!!」

「この状況で何かしたら、自殺行為に等しいじゃうから!!」

「ではでは~」

「…また、噛んでしまった」


ボォン!!


地面に煙り玉を叩きつけ、消えるスルメ


「…消えたか」


「大丈夫か!?沙羅!!」


「ごめん…、お兄ちゃん」

「私のせいで…」


「いや、お前が無事で何よりだ」


「だが、紋章が消えたのは痛いな…」


ため息をつくアオシ


コンコン!!


鳥が沙羅の家の窓を叩く


「…?」


「足に何か結びつけてあるぞ」


ガラッ


窓を開け、鳥を部屋の中に入れる沙羅


「…「アオシへ」って、書いてある」


「貸してくれ」


紙を受け取るアオシ


「…本気か?イトウさん」


「どうしたの?アオシ…」


申し訳なさそうにワンコがアオシに質問する


「…急遽、予定変更だ」

「お前達に頼みがある」


「何だ?」


「…実は」



ヤグモのアジト


研究所


「どうだ?シュル」


「おお、ヤグモ様」

「紋章が手には入りましたぞ!!」


「本当か?」


「いえ、正式には紋章ではなく紋章に封じ込められたエネルギ-でございます」


「同じ事だろう」

「紋章が必要なのは、中に封じ込められた最高純度のエネルギ-を必要とするからだ」


「…そうですな」


「スルメ!ただいま戻りました!!」


「おお、早いな」

「俺の煙幕移動はどうだ?」


「ああ、アレは役に立ってますよ!!」

「それにしても、凄い発想ですね!!」


「移動型エネルギ-を煙幕に圧縮させ、使用者を移動させる…、か」

「良い発想だ」


「ありがたき幸せでございます!ヤグモ様!!」

「しかし、リスクも有りますぞ」


「何だ?」


「この煙幕は使用者に誰かが触れた状態で使用されると、その者まで移動してしまいます」

「それに、エネルギ-を使って封じ込められる事もあります」

「残った煙幕を採取され、研究される危険性も有りますし…」


「…そうか」

「それで、スルメ」


「はっ!!」


「紋章は?」


「この通り!!」


紋章を差し出すスルメ


「…よくやった」


「ありがたき幸せでごじゃいあます!!」

「…噛みました」


「これで残りの紋章はウェンが持つ水の紋章だな」

「コレは心配は要らないだろう…」


「そうでしょうな」


小さく笑うシュル


「…シュル、俺は紋章を体に慣らす」

「計画の準備を進めてくれ」


「了解でございます!!」


「スルメ、お前は大会会場に行って綠を手伝ってこい」


「解りまじゅた!!」

「…噛みました」


煙幕を取り出すスルメ


「呉々も、多用はするなよ?スルメ」


「解ってます!!」

「…噛まなかった」


ボォン!!


煙幕を使い、消えるスルメ


「…さて、シュル!!」


「何でございましょう?」


「ルドネスにメシをやってくれ」

「腹を空かせているだろうからな」


「解りました」

「全く、アナタも人が悪い…」


「…そうか?」


小さく笑うヤグモ


「まだまだ、利用価値はあるさ」

「ルドネスは…、な」



大会会場


「…しょ、勝者!凩選手!!」


「相手にならん」


大会会場はあまりのあっけなさに静まりかえっていた


試合開始直後、ダルボアは狂ったように機械を作り始めたが、凩の一撃でリングアウトした


「…勝ったぞ」


「ああ、そうだな」

「帰るぞ」


「は、はい!!」


会場を去っていく秋雨達


「ま、待てぇ!!」


「…何だ?」


ダルボアが秋雨達を呼び止める


「何故だぁ!?何故、この私が負ける!?」

「何故だぁ-----!!」

「審判!こいつ達は卑怯な手を使ったのだ!間違いない!!」


「…見苦しいな」


「私が!負けるはずがぁ-----!!」


「…ふぅ」


小さくため息をつき、ダルボアに近づくメタル


「な、何だ!?」


「…」


何かをダルボアに呟く


「…!!」


顔が引きつるダルボア


「す、すいませんでしたぁ!!」


リングから逃げ去り、そのまま外に走り去っていく


「…」


無言で戻ってくるメタル


「何て、言ったんだ?」


「…「次は俺が相手になって、殺すぞ」と」


「アハハハ!最も効果的な言葉だな!!」


爆笑する和風


「次は準決勝だ」

「気合いを入れていくか」


「おう!!」

読んでいただきありがとうございました

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