風紀委員回復
首狩さんからの依頼が来てから、1週間くらい経った
「竜山、大丈夫か?」
勘違いかもしれないが、竜山の独り言が、最近、多くなった
「熊が良いのかな?それともイルカか?」
「お~い!竜山!!」
「ん?何だ?」
「先刻から、何をぶつぶつ言ってるんだ?」
「ああ、火衣良ちゃんのプレゼントだよ」
「プレゼント?」
「段々、回復してるから、お祝いにね」
「結構、気が利くな」
「当たり前だぜ!!」
僕から見れば、以前と変わりないが、竜山からすれば、結構、回復したらしい
「もう少しだからね」
相変わらず、竜山は火衣良ちゃんに語りかけている
「彼も頑張るわね~」
「GL!何処に行ってたんだ?」
「治療員の実習だよ」
「イトウさんに聞いたんだけど、精神的ショックは治療が難しいんだって」
「エネルギ-なら、同一属性の人に分けて貰えばいいんだけど…」
「まぁ、竜山に任せておこう」
「そうね」
次の日、また竜山は火衣良ちゃんに語りかけていた
「お前も少しは休めよ」
「ああ、解ってる」
「おい!秋雨!!」
「どうした!?」
「…今、動いたぞ!!」
「本当か!?」
「もう少しだ…!!」
それから竜山は、夜通し語りかけた
次の日、目が覚めると竜山が隣で寝ていた
「!?」
竜山の布団の中に火衣良ちゃんが居た
「おい!竜山!!」
「ん…?ああ、おはよう」
「おはよう、じゃない!!」
「火衣良ちゃんが、何で居るんだ!?」
「昨日、目が覚めたんだけど、夜中だったから「帰るね」って言ったら…」
「言ったら?」
「「寂しいから一緒に寝て良い?」って言われてな…」
「で、この状況か…」
「うん」
「よくやったな!!」
「フン!朝飯前だ!!」
「GL!火衣良ちゃんが目覚めたぞ!!」
「…GL?」
GLが居ない
「ああ、GLなら首狩先輩に報告に行ってくれたよ」
「そうか…」
それにしても、天使みたいな寝顔だな…
「秋雨ってロリコンか?」
「なっ…!違うぞ!!」
「本当か~?」
「本当だよ!!」
「お前、手は出さなかっただろうな!?」
「妹みたいなモンだからな」
「出さないって」
「それなら、良いけど…」
「火衣良ちゃんが目覚めたって!?」
首狩さんが扉を突き飛ばして入ってきた
「まだ、眠ってます!」
「ああ、ゴメン…」
「ありがとう!感謝しきれないよ…」
「いえいえ…」
「こちらも任務ですから」
「君達には、話があるんだ」
「何ですか?」
「火衣良ちゃんは、風紀委員から脱退して貰う」
「どうしてですか!?」
「俺は賛成だな」
「私も」
「竜山!GL!!」
「彼女は今回のことがショックだろうし、もう仕事もしたくないだろう」
「風紀委員会長から、直接の指令だ」
「ゆっくり休ませてあげて欲しい」
「…はい」
「でも、何処に行くんですか?」
首狩さんが部屋を見回す
「…中々、良い部屋だね」
「風通しも良い」
「それに、広い」
「4人ぐらいなら住めるかな?」
「…まさか」
「彼女は無職になるけど、この学園に居るなら…」
「そう言うことだ!秋雨!!」
「私も賛成!!」
「…やっぱりか」
今日から寮の中に、住人が一人増えました
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