表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/226

形勢逆転

「水蒸幻夢!!」


モァアアアア…


ヤグモを霧が囲む


「こざかしい…」


「大風鎌鼬!!」


「…!!」


ヤグモの足下の蜘蛛が斬り裂かれる


「これは…」


スパァン!!


(音が遅れて聞こえてきたか…)


「さぁ、コレで自爆用の蜘蛛は居なくなった」

「どうする?」


「どうもしないさ」

「お前達が俺に勝てると思っているのか?」


「昔の実力差なら…、な」

「今はそうもいかないようだが」


「その通りだ」

「紋章を手にし、実力も昔とはケタが違う俺に…」

「勝てると思っているのか!?」


「思っていないさ」

「だから、今は足止めで十分だ」


「「足止め」?笑わせるな」

「足止めにもならん!!」

「八ツ手ノ大蜘蛛!!」


ビキビキビキ…


ヤグモの背中の足が巨大化していく


「…本領発揮か」


「メタルと同じ毒で死ぬが良い!!」

「八ツ手ノ魔毒!!」


ドスドスドス!!


金田にヤグモの蜘蛛の足が刺さる


(あの毒は必死毒…)

(幾ら、金田でも死んだかな…)


ため息をつくルドネス


「「死ぬが良い」?」

「それは無理な相談だ」


ガチャッ


ヤグモに銃が向けられる


「…!?」


パァン!!


「ヤ、ヤグモ様!!」


「…何故、動ける?」


ヤグモの頬から血がしたたり落ちる


「ほぉ-、この距離で躱すのか」


「この毒に耐えられるのは1人のはずだ」

「何故、お前が動ける…?」


「お前、メタルに魔毒を食らわしただろ?」

「その時に免疫を作られたんだよ」


「この短期間で作れる物か!!」


「作ったのはメタルじゃない」

「イトウさんだ」


「あの科学者…!!」


「さて、カッコイイ紹介までしたんだ」

「そろそろ、出てきたらどうだ?イトウさん」


ガラガラガラ…


廃墟の瓦礫が崩れ落ちる


「…バカが」

「このままヤグモが過ぎ去るのを待とうとしていた物を…」


「生きていたのか…!?あの爆発で…!!」


「アメ-ルは戦闘に長けているわけじゃないが…」

「防御術にしては最強だと思うぞ」


「岩壁護石」

「解放」


ガァン!!


岩が弾け飛び、イトウ達が姿を現す


「全員…、無事だと!?」


「俺達を甘く見たな?ヤグモ」

「で、この状況は何だ?」


「…ッ!!」


「俺達が死ぬ状況…、じゃなかったのか?」


「クソ…!!」

「ルドネス!キユラ!!退却だ!!」


「…はい」


ヤグモの元に行くルドネス


「アンタ、それで良いの?ルドネス」


キユラが呟く


「どうしてヤグモに味方するのかしら?」

「もう、私達を縛る物はないはずよ」


「キユラ…!裏切るのか!!」


「「裏切る」?笑わせてくれるじゃない」

「私の目的はハジャ様の復活!アナタとは違うやり方でね!!」


「く…!!」


「ルドネス!アンタはどうなの!?」

「ヤグモについて、コマ同様に操られるの!?」


「私は…」


「クックック…」

「ア-ハッハハハハハ!!」


爆笑するヤグモ


「違うな!操られるんじゃない!!」

「操ってんだよ!!」


「…!?」


「どうして、お前達の居る場所が解ったと思う!?」

「コイツのおかげさ!!」


「どういう事!?ルドネス!!」


「…ごめん、キユラ」

「実は…」


「…おっと、ルドネス」

「その事を言ってる暇はないみたいだな」


後ろを振り向くヤグモ


ヤグモの背後からは大勢の兵が来ている


「メイン、お前が呼んだのか」


「…そうだ」

「幾ら貴様でも、この数はどうだ?」


「…どのみち、退却だ」

「行くぞ!ルドネス」


「…はい」


ザザザザ!


ヤグモが大量の蜘蛛に包まれる


「じゃぁな、ゴミ共」


「ルドネス!!」


「…ばいばい」


バァン!!


蜘蛛が弾け飛ぶ


そこにヤグモの姿はない


「逃げられたか…」

「全員、無事か?」


「ぶはぁっ…!!」

「死ぬかと思った!!」


地面に腰を着く汗だくの金田とガルス


「イトウさん、ヤグモはあれ程に強かったか?」


イトウに質問するガルス


「いや、違うな」

「紋章の力も有る」


「「力も」って事は…」


「何より、ヤグモの実力が大きいんだろう」

「アイツも言っていたように、昔とは実力のケタが違う」


「…それに比べ、俺達は学園でのんびり」

「そりゃ、実力の差も付く…、か」


「今から修行をするにも、時間が少な過ぎる」

「ヤグモに対抗できるのは…、メタルぐらいか?」


「いや、メタルでも難しいだろう」


「じゃぁ、誰が?」


「誰も居ない」


「はぁ!?」


「あのヤグモの強さは人知を越えている」

「今回も本気は出してなかったはずだ」


「アレでかよ…」


「メタルでも対抗するのは難しい」

「本気のヤグモ相手に足止めが精一杯だろう」


「…じゃが、対抗する方法も有るのではないか?」


「流石、シ-だ」

「勘が良い」


「…何だ?」


「紋章だ」

「メタルが紋章を持てば、そこそこの勝負は出来るだろうな」


「「そこそこ」…!?」


「それでも、勝てる確率は0%だ」


「そんな…!!」


「…まぁ、この話は後で良い」

「鬼怒、アメ-ル、学園に帰れ」


「…解っている」


「扉」に歩いて行く鬼怒


「鬼怒君!それで良いの!?」


「アメ-ル、意地を張るな」

「俺達じゃ、この戦いでは足手まといだ」


「う…」

「でも!!」


「帰るぞ」


アメ-ルを引っ張っていく鬼怒


「ちょっと!鬼怒君!?」


「…」


バタン…


「扉」が静かに閉まる


「…メイン、アメ-ルと鬼怒を学園に帰すように言ったのはアオシか」


「そうだ」


「アイツも不器用な奴だ」

「この戦いでアメ-ルを失いたくない…、そう言えば良いのに」


「学園の生徒も…、な」

「アイツなりに思う事が有るんだろう」


「…そうだな」


「さて、金田、ガルス」


「何だ?イトウさん」


「シ-、アレは有るか?」


「解っとるわい」


バサッ…


紙を取り出すシ-


「コレだが…」

「っと、その前に」


キユラの眼を塞ぐイトウ


「眠ってろ」


「ほぇ…」


ガクン…


倒れるキユラ


「コレを見られたら困るからな」

「全員、コレを見るんだ」


「コレは…?」


「ヤグモに対抗する手段だ」

「メタルはすでに知っている」


「他は?」


「秋雨達は知らない」

「それで良い」


「…解った」

「俺達はどうすれば良い?」


「ヤグモを追ってくれ」

「アジトが分かれば、少しはコレもやりやすくなる」


「…行こう、ガルス」


「ああ、解っている」


歩き出す金田とガルス


「ああ、ちょっと待て」


「何だ?イトウさん」


「用済みのこいつを連れて行け」


ポイッ


「うぉおおおい!?」


間一髪でキユラをキャッチする金田


「ヤグモと方法は違うが、ハジャを復活させるのに違いはないからな」

「お前達は見張り役だ」


「これまた、面倒くさい役を…」


「文句があるか?」

「研究室が無くなったから、麻酔も無いぞ?」


「実験台になるの確定ですか!?」


「それ以外に何が有る?」

「早く行け」


「仰せのままに!!」


走り去る金田とキユラを背負ったガルス


「おぬし、あの2人を実験台にしておったのか?」


「正確には3人だ」

「メタルも居る」


(苦労するのう、あの3人は…)


「さて、俺はカンパニ-に帰るとしよう」

「色々、報告することがあるからな」


「ああ、ニックによろしく」


手を振るメイン


「…さて、シ-」


「何じゃ?イトウ」


「あの機械を完成させるぞ」


「そうは言うがのう…」

「肝心の研究所が無いではないか」


「俺を誰だと思っている?」


ガコン…


足下の鉄板を明けるイトウ


「第2地下研究所だ」

「第5まである」


「抜け目ないのう…、お前さんは」

読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ