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助太刀

「だから!胸を大きく見せるパッドは、立派なオシャレ1つなの!!」


「パッドなんて、卑怯だよ!!」

「元々、Dは有るんだから、それで良いじゃん!!」


「コレだからお子様は!!」


鼻で笑うキユラ


「男って言うのは、胸がある女が良いのよ!!」

「大きい程ね!!」


「そんな事、無いよ!!」

「ツルペタ主義とロリコン主義の人達に謝れ!!」


「あ-ら!世の中の好みの割合で、胸が大きい女と小さい女、どちらが多いと思ってるのかしら!?」


「ち、小さい方だよ!!」


「ふ-ん、そうかしら?」


「そうだよ!!」


「じゃぁ、証明してくれる?」


「そ、そこのお兄ちゃんに聞けば良いじゃない!!」


白刃之を指さすルドネス


「俺か?」


「そうよ!!」

「どっち!?」


「いや、興味ないな」


「どっち!?」


「だから、興味ないって…」

(…いや、この会話で時間を稼げば、ガ-が回復する)

(そうすれば、多少は有利になれるはずだな…)


「ルドネス!もう無駄よ!!」

「その男は…」


「あ?」


「え?何?」


「BL主義よ!!」


「…はぁ?」


「道理でおかしいと思ったわ」

「私達のバラのような会話に反応しないんだもの」


(バラ?雑草の間違いだろ)


「悪くない趣味ね」


小さく笑うキユラ


「おい、ルドネスとか言うチビ」


「誰がチビよ!?」


「…この女は、頭がおかしいのか?」


「え?BL、嫌い?」


「…嫌いと言うわけでは無いが、理解するのは難しい代物だと思うぞ」


「…やっぱり、そう思う?」


「ああ、そう思うな」


「BLの良さを全然解ってないわね!アンタ達!!」


「…知らん」


「後で勉強するのね!!」

「その後が無いと思うけど!!」


「…すっかり忘れてた」

「この男、殺すんだっけ」


構えるキユラとルドネス


「…来るか」

(時間稼ぎはここまでだな…)


「あ、ちょっと待って」


「何?ルドネス」


「ツルペタと巨乳、どっち派だっけ?」


(どうでも良い事を思い出しやがって…)

(竜山か七糸にでも聞けば良いだろうが…!!)


小さく舌打ちする白刃之


「ルドネス、そんな事は後で聞けば良いわ」

「死ぬ前に…、ね」


「…それもそうだね」

「じゃ、行こうか」


ガァン!!


地面を激しく蹴り、白刃之に突っ込んでくる2人


ドン


地面に手をつく白刃之


「爆水気炎」


ゴガァァァン!!


キユラとルドネスが爆発に巻き込まれる


「…どうだ?」


「無駄よ」

「解ってるでしょう?」


ヴン!!


ビュゥウゥウ…


炎が払われる


「さて…、ルドネス!!」


「解ってるわよ!!」

「食らっちゃえ!!」


ドドドド!!


白刃之の足下に、刀が突き刺さる


「…外した、わけじゃないな」


「当たり前よ!!」


バチバチバチ…


刀が白刃之を中心に、激しく光り出す


「星形雷!!」


バチィン!!


白刃之を激しい雷が襲う


「ぐぅ…!!」


「どんどん行け-!!」


バチィン!バチィン!バチィン!!


次々に白刃之を襲う雷


(かなりキツイが…)

(この手の攻撃は、必ず隙が出来る…)

(それまで耐え抜けば…!!)


「もしかして、隙を見てる?」


バチィン!バチィン!バチィン!!


絶え間なく雷は放たれ続ける


「無駄だよ」

「この陣形を使う攻撃は、手間が掛かる代わりにエネルギ-を供給してる間は、ずっと使えるの」

「エネルギ-を供給しているのは私とキユラの2人」

「隙なんて無いよ」


「…!!」


「その通りだ」

「しかし、陣形を崩せば脆い物」


「!?」


プスッ


キユラの腕に注射針が刺さる


「う…!!」


バタン…


倒れるキユラ


「お前は…!!」


「さらに、供給中は動けない」

「単体相手にしか使えない技だ」

「使うのは、腕を磨いてからにするんだな」

「まぁ、一度に陣形を張ったのは褒めてやる」


「イトウ!!」


「久しいな」

「ヤグモは元気か?」


「関係ない!!」


「…それ」


「…え?」


「よそ見したな」


バチバチ…


陣形が崩れている


「い、いつの間に…!?」


「破火水気!!」


バァン!!


ルドネスが吹き飛ばされる


「そんな…」


バタァン!!


地面に叩きつけられるルドネス


「…何の用だ?イトウ」

「助太刀など、要らん世話だ」


「何、来たくて来たんじゃない」

「こいつ達がな」


イトウが「扉」を指さす


「…珍妙な世界ね」


「そうですね」


「何回来ても、変な場所だな…」



「舞桜にGLにイトウか」

「揃いも揃って、何をしに来た?」


「名目は、学園から居なくなったヴァンの捜索」


「…捜索向けのメンバ-には見えないな」


「そうだ」

「本当は、秋雨を心配して来ただけだな」


「…そうか」

「どうせ、来る物と思っていたが」


「で、白刃之」

「こんな所で何をしている?」


「学園に帰るだけだ」

「シ-とガ-を連れてな」


「そのシ-とガ-は?」


「ここじゃ」


シ-がガ-を抱え、階段を登ってくる


「懐かしいのう、イトウ」

「大戦の時以来か…」


「…昔話だ」

「シ-、話がある」


「何じゃ?」


「とりあえず、白刃之はガ-を連れて学園に帰れ」

「椿姫とメイスが手当をしてくれる」


「…解った」


「竜山達は、しばらくここに居ろ」


「あ、はい…」

「こいつ達は?」


「情報を吐かせる」

「その前に…」


クイッ


キユラのアゴを持ち上げるイトウ


ゴクン


黄色い液体を飲ませる


「こっちも、か」


ゴクン


ルドネスにも飲ませる


「それは何じゃ?」


「…秋雨君の細胞」


「あ、秋雨の!?」


叫ぶ竜山


「どういう事ですか!?」


「秋雨君の能力は、細胞の強制変換」

「ヤグモが仕込んだ蜘蛛を変化させ、自分の物に出来るはずだ」


「でも、それじゃ秋雨君の細部になっちゃうんじゃない?」


「その点は抜かりない」

「DNAや秋雨君独自の物質を抜いておいた」

「全ての人間に使えるはずだ」


「この世界の人間にも?」


「それは関係ない」

「この世界の人間も、向こう側の世界の人間と作りは変わらないからな」


「そうなんですか…」


「って、言うか…、いつ抜いたんですか?秋雨から」


「秋雨君が本部事件の時、保健室に来ただろう?」

「その時に実験用で少し…、ね」


(抜け目のない人だな…)


「さて、白刃之」

「お前は帰れ」


「ああ、そうさせて貰う」


ガ-を背負う白刃之


「白刃之先輩!気を付けてくださいね!!」


「ああ、解っている」


ガチャン…


「扉」に入って行く白刃之


「…じゃぁな」


バタン…


そうして、「扉」は静かに閉められた

読んでいただきありがとうございました

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