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第1回戦

秋雨が裏に頼み事をされてから、夜が明けた


ピンポンパンポ-ン


「メタルチ-ムは、第1回戦を始めますので、大会会場に来てください」

「AWチ-ムは、第1回戦を始めますので、大会会場に来てください」


「よっしゃ!行くか!!」


「おう!!」


「…」


うつむく秋雨


「ん?どうしたんだ?秋雨」


凩が秋雨に語りかける


「…何でもないです」

「行きましょう」



大会会場


「…」


大会会場に着いたメタル達


「…凄いな」


周りは大勢の観客で埋め尽くされており、凄まじい歓声が溢れ出している


「代表はメタル様でよろしいのですか?」


「ああ、俺だ」


「1つ、お伺いしたいのですが…」

「サポ-タ-様は?」


「あ?サポ-タ-?」

「居ねぇよ!そんなモン!!」


「ウェン、サポ-タ-とは何だ?」


「名前通りだ」

「各チ-ムに1人、サポ-タ-が着くことが認められている」

「まぁ、居なくても良いんだが」


「俺達のチ-ムには居ないのか」


「そうなるな」


「俺だ」

「俺が、サポ-タ-だ」


男が観客席から飛び出てくる


「あ…!!」

「和風!!」


「おう、久しぶりだな」

「暇だから、来ちまった」


「「暇だから」って…」


「え-と、サポ-タ-は、あの方でよろしいですか?」


「まぁ、良いだろ」

「サポ-タ--は和風だ」


「了解しました」

「第1回戦、相手のメンバ-表です」


「ふ-ん、厄介なチ-ムだな」


「では、失礼します」


走り去っていく係員


「メタル、相手は、どんなチ-ムだ?」


「AWチ-ムだ」

「戦闘力は大してないが、色気で相手を油断させるチ-ムだな」


「色気?」


「…まぁ、普通に戦えば、負けることはない」

「どうせ、予選も色気で他のチ-ムに集ってたんだろうな」


「そうか」


「で、和風」


「何だ?メタル」


「煙草、持ってきてるか?」


「ああ、勿論だ」


小さな筒を取り出す和風


「コレは?」


「煙草だ」

「リラックスできる匂いが入ってる」


カチッ


煙草に火を付けるメタル


「…うん、良い匂いだ」


「リラックスできるな」


「あらん?試合前に煙草ぉ?」


ボォン!!


メタルの煙草が爆発する


「さぁ、早く試合を始めましょぉ?」

「くたびれちゃうじゃない」


「…ウェン、初戦は俺が行く」

「俺が出て行ったら、すぐに準備してろ」


「解ってる」


グシャ!!


燃えさかる煙草を握る潰すメタル


ザッ


そのまま、リングに進んでいく


「SW!やっちゃいなさい!!」


「解ってるわよん!お姉様!!」


相手側からは、露出の多い女が出てくる


「それでは!第1回戦、メタルとSWの試合を始めます!!」


審判が2人の前に立つ


「リングから出るか、死ぬか、ギブアップするか、私が試合の続行が不可能と判断するかで負けと成ります」

「正々堂々、戦ってください」


両手を振り下ろす審判


「始め!!」


メゴッ!!


メタルの拳が相手の顔面にめり込む


「うぶぅ…!?」


ゴォォォオォン!!


SWが場外に吹っ飛ばされる


「試合終了だ、審判」


「あ…、勝者!メタル!!」


「…」


静まる会場


「…所詮、雑魚だ」


それを物ともせず、秋雨達の元に戻ってくるメタル


「行け、ウェン」


「解ってる」


リングに上がっていくウェン



「…早く試合を終わらせすぎだ」

「殺し合いが目的の観客共を敵に回したな?」


和風がため息をつく


「…俺は殴り飛ばしただけで、殺してない」

「殺し合いなら、すぐに見られるさ」


「ウェンか?」


「…違うな」

「お前も気付いてるだろ?」


「…ああ、俺のキャリアを舐めるな」


「それでは、引き続きウェン選手とDW選手の試合を始めます!!」

「始め!!」


審判が試合開始を宣言する


「お手柔らかにね?いきなり、ぶっ飛ばされるのは趣味じゃないから」


「…俺も、いきなり、ぶっ飛ばすのは趣味じゃない」

「それに、お前はチ-ムで強さがNo2って所だろう?」


「あら?よく分かったわね」

「心が読めるのかしら?」


「…確かに読めるが、読んだわけじゃない」

「普通に考えれば解ることだ」


「それも、そうね」


「…大した実力がない事も解る」


「あら?挑発かしら?」

「これでも、そこそこの実力はあるわよ」


「そこそこの実力が有れば、俺は心を読めない」

「所詮、雑魚だろうが」


「そんな安い挑発には乗らないわよ?」

「アナタなら、乗りそうだけど」


「俺も乗らないさ」

「どうでも良いが、とっとと始めるぞ」


「そうね」

「まぁ、あなたとは別の形で会いたかったわ」


「何故だ?」


「その美しい髪、綺麗な顔」

「男といえど、私達の仲間にしたかったわ」


「何だ?お前のチ-ムはオカマの集まりか?」


「失礼しちゃうわね!皆、女よ!!」


「何だ、そうだったのか」

「オカマの集団かと思ったが」


「この美顔!美体!美脚!!」

「女以外の何よ!?」


「…安い挑発には、乗らないんじゃなかったのか?」

「ブサイク」


「きぃ-!失礼すぎるわよ!アンタ!!」


「悪かったな、美顔がグチャグチャだ」

「熱水機雷」


DWの周りに、水蒸気がわき出す


「何?コレ…」


「お前の美顔、美体、美脚が壊れるための道具だ」

「美しいだろう?」


「ひぃ…!?」


「死ね」


ジュゥゥウ…


「いぎゃあぁぁぁっぁああ!?」


DWの全身が焼けただれる


「わ、私のぉ!美ぃぃぃぃいぃぃ!!」


「…バカが」

「審判!!」


「だ、DW選手を試合続行不可能とし、ウェン選手の勝利です!!」


「うぉぉおおお!!」


わき上がる会場


それを背にリングから降りてくるウェン


「まぁ、こんな物だろう」


「…完全に、相手をぶちのめしたな?ウェン」


「精神的に、な」


「どういう事だ?」


凩が困惑する


「俺はDWの体を傷付けてない」

「幻術を見せただけだ」


「それじゃぁ…!?」


「相手は自滅だな」

「ただ、範囲が広すぎた」


ため息をつくウェン


「会場の客、全員に幻術を見せちまったんだよ」

「あ-あ、次が面倒になるぞ?コレ」


「…次は天鹿和だったな」

「行ってこい」


「解ってますよ」


リングへ上がる天鹿和


「私の出番ね」


リ-ダ-と思われる女が、リングに上がってくる


「それでは、引き続き天鹿和選手とAW選手の試合を始めます!!」

「始め!!」


「…よろしくお願いします」


「こちらこそ、坊や」


構える2人


「…アナタ、あの2人より弱いでしょう?」

「どうして、最強の私に挑んできたの?」


「…まぁ、順番的にね」

「好きで挑んだワケじゃありません」


「あら?残念」

「私はてっきり、仲間にバカにされて意地を張って出てきたのと思ったのに」


「そんな事はないですよ」


「でも、弱いのに変わりは無いわねぇ」


小さく笑うAW


「アナタ、恋したこと有る?」


「無いですよ」


「そう?でも、これからするでしょうね」

「そんな弱さじゃ、大切な物を守れないわよ?」


目を大きく見開く天鹿和


「…聞いてるの?」


天鹿和の脳内に、1つこの言葉がこだまする


(「大切な物を守れないわよ?」)


「…違う」


「あら?何か言ったかしら?」


「違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う!!」


「な、何よ…!?」


「違う!!!」


叫ぶ天鹿和


「天鹿和さん…」


秋雨が呟く


「な、何かは知らないけど…」

「今がチャンスね!!」


天鹿和に突っ込むAW


「死になさい!!」


「…殺す」

読んでいただきありがとうございました

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