闇夜の遭遇
予選会場の森
ガァン!ガァン!!
闇の中、2人の参加者が戦っている
「風雲」
ギャギャギャギャ!!
ジョ-カ-の太刀の周りを、高速の風が覆う
「華桜」
ヴン…
もう1人の男の脚を、花片が覆う
ガァン!!
2人の脚と太刀がぶつかり合う
「…やるな」
「名は?」
「お前に名乗る必要は無い」
「…お前とは、本選で戦いたい物だ」
「…本選?」
「何も知らないのか?」
「…?」
首をかしげる男
「お前、仲間は?」
「居るさ」
「向こうで眠っている」
「…お前は見張りか」
「そうだ」
「仲間から、教えて貰え」
「この大会のシステムを」
「…そうだな」
「後で教えて貰おう」
「さて、勝負の続きをするか」
構えるジョ-カ-
「良いだろう」
構える男
「良くな-い!!」
ゴッ!!
ジョ-カ-の頭に蹴りが入る
「…何をする?ハ-ト」
「「何をする?ハ-ト」じゃないわよ!!」
「アンタ!なにやってんの!?」
「勝負だが」
「無駄な体力の削り合いは禁止!!」
「この大会の基本でしょうが!!」
「…そうだったな」
「おい、勝負は本選まで持ち越しだ」
「…俺が、それに賛同すると思うか?」
「だろうな…」
小さく笑うジョ-カ-
「…させない」
男の足下に、小さな女の子が立っている
「ダイヤまで連れてきたのか?ハ-ト」
「勿論よ!仲間じゃない!!」
「…別に構わんが」
「何だ?この子は」
「ダイヤだ」
「こんな女の子まで、大会に参加させてるのか?」
「小さくても、俺達の仲間だ」
「ただし、強いぞ」
ガァン!!
男の足下から巨大な鉄骨が出てくる
「!?」
「…外した」
「ダイヤの能力だ」
「磁力を操る」
「…面倒くさい能力だ」
「ハ-ト、クロ-バ-は?」
「そこら辺にいるんじゃない?」
「存在感、無いもの」
「…きっぱり言うな、お前」
「そう言う性格だもん」
「「存在感が無い」だと!?」
「俺様のことか!?」
「あ、クロ-バ-」
「居たの?」
「誰が「存在感が無い」だぁ!?」
男が木の上で叫んでいる
(1VS4か…)
(流石に逃げるか)
「逃げるなどと言うことは許されぬ」
「それ即ち、死への恥なり」
「!!」
森の影から、大男が出てくる
「我汝、主達へ問う」
「何用か?」
「…別に用はない」
「挨拶代わりの戦闘だ」
「…無駄な、争いは好めぬな」
「去れ」
「言われなくても、そうするわよ!!」
「行きましょ!ジョ-カ-!!」
「おいおい!逃げるのかよ!?」
「…本選で合おう」
「そうだな」
「うわ!帰る空気じゃねぇか!!」
去っていくジョ-カ-達
「…助かったよ、観音」
「何と言うことはない」
「二五も「帰ってこい」と申しておる」
「…今、行く」
「そうするが良い」
「行くぞ」
森の奥に進んでいく男達
次の日
「…行くか」
身支度をする秋雨達
「良いか?2日目はゴ-ルを目指す」
「ここから、会場の入り口はそう遠くない」
ウェンが説明する
「はい」
「さらに、2組に別れる」
「人数が多いと、人目につくからな」
「メタルと凩とスペ-ドは先に行け」
「俺と秋雨と天鹿和は後から行く」
「了解」
「よし、行け」
ダッ!!
走っていくメタル達
「…よし、俺達も行くか」
「いや、待て」
天鹿和がウェンを止める
「どうしたんですか?天鹿和さん」
「敵だ」
「先に行ってくれ」
「…天鹿和さんは?」
「俺は残る」
「…良いのか?」
「大した実力の奴達じゃなさそうだ」
「俺1人で十分だからな」
「…解った」
「俺達は先に行く」
ダッ!!
走っていく秋雨とウェン
ガサガサ
木から男達が下りてくる
「良いのか?クソガキ」
「完全に不利だぜ?」
「悪いな」
「今、機嫌が悪いんだ」
「ほざけ!!」
天鹿和に飛びかかる男達
「…裏、行くぞ」
「虐殺だ」
読んでいただきありがとうございました