同一能力者
「秋雨君、居るかな?」
寮を訪ねてきたのは、喫茶店のカウボ-イハットの人だった
「えっと…」
「あ!まだ名前を言ってなかったね」
「俺は金田って言うんだ」
「で、コイツがメタル」
「…」
ツバ帽子のメタルさんは無言で立っている
「それと、ガルスがコイツだ」
「どうも」
「俺のパン、おいしかった?」
ガルスさんが作ってたのか…
「さて、詰まる話も有るだろうし…」
「俺たちは退散するよ」
「メタルは話が有るってさ」
「…解りました」
「…上がらせて貰うぞ?」
「どうぞ」
…怖いな
「あれ?その人誰?」
竜山の質問にメタルさんは一言
「喫茶店従業員」
と、答えた
「GL、コイツのエネルギ-の味はどうだった?」
「おいしいよ!!」
「…そうか」
「メタルさん、GLのこと知ってるんですか?」
「鬼怒からエネルギ-を摂取しろ、って言ったのは、俺だ」
「そうなんですか」
「って事は前任はメタルさん?」
「違う」
「俺は知らない」
「そうなんですか…」
「お前の能力属性は真だったな?」
「はい」
「こっちへ来い」
「?」
メタルさんに呼ばれて近づいた
「何ですか?」
「頭を貸せ」
「へ…?」
その瞬間、目の前が真っ暗になったと思うと、次はメタルさんが目の前にいた
「…あれ?」
「秋雨!!大丈夫か!?」
「…竜山、何が起こった?」
「2時間、ずっと立ったまま硬直してたんだよ!!」
…2時間!?
「お前の能力を見せて貰った」
メタルさんの呟きにGLが反応する
「解ったの!?」
「ああ」
「何だったんですか!?」
「…言えない」
「どうして!?」
「お前自身が見つけるんだ」
「能力は、そういうものだ」
「…戦闘で見つけろ、と?」
「俺もそうしてきた」
「…頑張れよ」
「…ありがとうございます」
「俺は帰る」
「あれ?帰るんですか?」
「泊まるワケにはいかないし、必要性も無いだろう」
「いや、GLがお菓子を作ってますよ」
「…ガルスが作ってくれるから良いよ」
「そうですか」
「GLとガルスさん、料理得意なんですかね?」
「…食べ物は粗末にするなよ」
「はい?」
そう言い残すと、メタルさんは出て行ってしまった
「出来たよ~!!」
「GLの料理って美味いんだぜ!!」
「そうなのか?」
俺は喰ったこと無かったな
「はい!特製栄養満点のクッキ-だよ!!」
「…GLの料理って美味いのか?」
「お菓子系を除いて…な」
皿の上には、紫の中に黒をブチ込んだような料理があった
「召し上がれ!!」
「…いただきます」
保険室の中ではイトウさんが話をしていた
「この時期に食中毒なんて珍しいね」
「竜山君は重傷だけど、君は軽傷だから」
「…どうも」
「今、メイスが解毒薬を作ってる」
「…解毒って」
気が付けば、イトウさんの横に変な生物が居る
「コイツはモッチ-って言うんだ」
「可愛いだろう?」
確かに結構可愛いが…
「メイスの薬が出来たみたいだね」
「イトウさ-ん!薬、出来ました!!」
「竜山君に飲ませて」
ゴキュッ
「ガフゥ…」
竜山ァァァァァァァ!!
「失敗かな?」
「失敗って!!」
「大丈夫!ちゃんと蘇生しとくから!!」
「…蘇生?」
「うん」
保健室の呼び名は地獄の実験場だそうです
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