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旅立ちの準備

WG学園、校長室


「…さて、今日から俺が校長になります」


スカルが校長のイスに座っている


校長室には、秋雨とメタルが居た


「…スカル、お前が校長とは、どういう事だ?」

「ロックはどうした?」


メタルが眉をしかめる


「…ロックさんは、死にました」

「異世界のカンパニ-を制圧して…、ね」


「ロックが…、か」

「俺と勝負を付ける約束はどうなったんだ…」


メタルが小さくため息をつく


「…校長は、すでに予想していました」

「自分が死ぬことを」


「…あのバカが」


「…そう言う人ですから」


「…そうだな」


「…死人の事を、いつまで言っていても仕方がありません」

「本題に入ります」


「何ですか?」


「柳舞君の捜索隊を編成します」

「一刻も早く、柳舞君を異世界から連れ戻して欲しいですから」


「…それで、僕が?」


「そうです」

「秋雨君の能力は、様々な場面での応用が利きますからね」


「…はい」


「メタルさんには、異世界にメンバ-を選抜して連れて行って欲しいと思います」


「…ヤグモ達だな?」


「そうです」

「シャ-クさんが言うには、輪禍とバムは死亡」

「メデゥと言う女性も死亡したそうです」


「…解った」

「俺は、メンバ-を選抜してくる」


バタン


メタルが校長室から出て行く


「秋雨君、柳舞さん捜索隊のメンバ-表です」

「このメンバ-を連れて、異世界に向かってください」


「はい」


「ああ、それと」


「?」


「長い旅になるかも知れませんから、皆さんには挨拶をしておいてください」


「…解りました」


「…コレは、俺の個人的要望ですが」


「何ですか?」


「校長の死体が見つかったら、持って帰ってきてください」

「お願いします」


「スカルさん、もしかして…」


「…それ以上は言わないでください」


「…はい」


バタン


秋雨が校長室から出て行く



「…」


スカルがイスを立つ


「…校長、アナタのイスです」

「私が座るには…、もったいない」


スカルの足下には、涙が落ちていた



2年寮


「失礼します」


秋雨が部屋に入る


「秋雨お兄ちゃん!!」


火衣良ちゃんが秋雨に飛びつく


「何処に行ってたの!?」


「ちょっと、遠くに」


「心配したんだよぉ~!!」


「アハハ、ゴメンゴメン」


火衣良ちゃんの頭をなでる秋雨


「竜山お兄ちゃんとGLお姉ちゃんは!?」


「生徒会室に居るよ」

「もうすぐ、会いに来るからね」


「うん!!」


「秋雨君、久しぶりだね」


「首狩さん」


「火衣良ちゃんは、良い子だったよ」

「ずっと、秋雨君を心配してたけどね」


「すいません…」


「…また、何処かに行くのかい?」


「…はい」


「何処に行くのかは知らないけど、戻ってくるんだよ」

「必ず」


「…はい!!」

「あれ?夜風は…」


「…すねてるんだ」


「?」


「色々あったんだよ…」


遠い目をする首狩


「何が有ったんですか?」


「…話したら、夜風が怒るから」


首狩が苦笑する


「そうですか…」

「それでは、用があるので」


「うん、いってらっしゃい」


「いってらっしゃ-い!!」


「いってきます!!」


2年寮から出て行く秋雨



治療委員会室


「…傷は癒えまたが、無茶は禁物です」

「お解りですわね?」


「解ってるさ」


「同じく、だ」


鬼怒と白刃之が衣服を整えている


「…用意できたら、言ってくれ」


メタルがイスに腰かけている


「今回のヤグモの討伐には戦力が要るんだが…」

「金田達は重傷だからな」


「それで、俺と白刃之を選んだのか」


「そう言うこと」


「…そうか」


「他に選ぶ奴も居るが、な」

「風華に、椿姫も必要か…」


メタルが指を折り数える


「結局、過去の事件に関わった奴達だな」


ガッ!!


白刃之がメタルの襟元を掴む


「…舞桜と椿姫は反対だ」

「危険すぎる」


「…じゃ、聞くが」

「他に、その2人に匹敵する実力の持ち主が居るのか?」


「…居ないな」

「だが、反対だ」


「…もし、連れて行ったら?」


「自分で考えろ」


「…このガキが」

「ワガママばっかり、言うんじゃねぇぞ」


メタルが白刃之の襟元を掴む


「「どうしても」って言うんなら、全力でヤグモを殲滅する事を誓え」


「無論、誓うまでもない」

「あの2人のためなら」


「…言ったな?」


「ああ、言ったさ」


「よし、良いだろう」

「代わりに、教員を3人連れて行く」


「誰だ?」


「オキナ、アオシ、アメ-ルだ」

「あの3人なら、十分に戦力になる」


「…解った」


「じゃ、とっとと身支度しろ」


「お前のせいで遅れてるんだよ」


身支度をする鬼怒達



「寮に荷物を取りに行ってくる」

「行くぞ、鬼怒」


「ああ、そうだな」


バタン


治療委員会室を出て行く鬼怒と白刃之


「…どう思う?」


メタルが椿姫に語りかける


「…何を仰ってるんですの?」


「仲間思いと思う?アイツ」


「…白刃之君の事ですか?」


「そうだけど?」


「仲間思いでしょうね」

「戦闘にかり出すのを止めるんなんて、今までした事も無かったのに…」

「どうしてでしょう?」


椿姫が首をかしげる


「…アンタも鈍いね」


「何がですの?」


「白刃之は、お前のことが好きなんじゃないのか?」


「そ、そんな事!!」

「有るはずがありませんわ…」


椿姫が下を向く


「…自分の気持ちは正直にな」

「いつかは、後悔するぞ」

「お前、白刃之が好きなんだろ?」


「ま、まさか…!それを試すために…!!」


「お前が分かり易い奴で助かったよ」


にやけるメタル


「白刃之は、仲間思いな奴だ」

「まぁ、鬼怒も俺を睨んでたけどな…」


苦笑するメタル


「私は…、優しくて強い白刃之君が好きですし…」

「かと言って、いろんな事情が…」


「お前、そんなのじゃ、いつかは後悔するぞ」

「好きなら、好きと言えば良いのに」


「そんな簡単なモノじゃありません!!」


「…そうか?」


「そうです!!」

「白刃之君を好きなんて、易々と言える物では…」


椿姫が途中で言葉を止める


白刃之が扉にもたれ掛かっている


「あ…」


「…帰って来てから、ゆっくり聞かせて貰うぞ?椿姫」


「は、はい…」


硬直する椿姫


「メタル、行くぞ」


「解ってるって」

「それじゃぁ、な」


メタルが椿姫の肩を叩く


「キッパリと…、言ってしまいましたわ…」


呆然としている椿姫


「…まぁ、頑張れ」


大きく、ため息をつくメタルであった



読んでいただきありがとうございました

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