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山中での戦闘

東の山、山道


「…」


黙々と歩き続ける4人


「…モッチ-?」


しかし、モッチ-だけ遅れている


「背負わなくて大丈夫?」


「だ、大丈夫です…」


完全に息切れしているモッチ-


「この…、はぁ、状態は…、はぁ…歩幅が…、はぁ、短いんです…」


「…背負うよ」


モッチ-の所に向かう秋雨


「私が行くわ」


「大丈夫か?GL」


「ええ、ロリコンの趣味は無いもの」


「…誤解だって」


モッチ-を背負うGL


「すいません…」


「構わないわ」

「それより、案内をよろしく」


「あ、そこを右です」


「解ったわ」


それから、しばらく歩き続けた秋雨達





東の山、山道



ランプの光の下、4人が寝支度をしている


「今夜は野宿です」

「道具を用意しましょう」


「道具?」


「はい、道具はここに」


モッチ-が口を大きく開け、いろいろな物を取り出す


「…四次元ポ◯ットみたいだな」


「まぁ、便利だから良いだろ」



寝袋を広げる秋雨と竜山


「4つ、か」


「木に掛けられるようになってます」


「おお、本当だ」


寝袋の先端に、縄が着いている


「それでは、寝ましょう」

「明日も、かなりの距離を歩きますよ」


「おう!!」


ランプの光を消す秋雨












「…ん?」


竜山が目を覚ます


「トイレは…、っと」


手探りで寝袋から出る竜山


「…暗いな」

「皆を起こすのは悪いし…」


そのまま、茂みに入って行く



茂み


ガサガサ


「ん?何だ?」


「グルルルルルル…」


「く、熊!?」


「ガァァァァ!!」


「く…!!」

「能力で、びびらせてやる!!」


ボッ!!


竜山が手から炎を出す


「どうだ!?」


「ガウ?」


「…え?」


そこに居たのは、熊ではなく人


「ガウ!!」


「その体…って!?」


ただし、顔は狼で体からは獣の毛が生えている


「グガァァアアアア!!」


「!!」


爪で襲いかかってくる獣人


ガァン!!


それを両腕でガ-ドする竜山


「誰だ…!?お前!!」


「グルルルルル…!!」


「おらぁ!!」


ガァン!!


竜山が獣人の腹部に炎の拳を叩き込む


「ガウ…!!」


「どうだ!?」


「ガァァァァ!!」


噛み付こうとする獣人


「もう一発!!」


ガァン!!


「グガァ…」



ドシ-ン…


倒れ込む獣人



「何だったんだ?一体…」


首をかしげる竜山


「雷帝閃剣」


バチバチバチ!!


竜山の背後から、凄まじい音と光が現れる


「…!?」


バチン!


何かが弾ける音と共に、竜山の視界の光が一層、大きくなる



「…え?」


ゆっくりと、腹部を見下ろす竜山


バチバチバチ!!


腹部には、先刻の光


「…俺の仲間に何をする?」


そして、見知らぬ男が竜山の腹部を貫いている



「く…そ…!!」


ドサッ


その場に倒れる竜山


「…雑魚め」

「ワンコ!何をしている?」


「ガウ…」


「まったく、1人で出て行きやがって…」


「クゥン…」


肩を落とす獣人



「竜山!!」


「…雑魚が増えたか」


秋雨が茂みを超えて、竜山に駆けつける


「大丈夫か!?竜山!!」


「悪い…、秋雨」


バタッ


力尽きる竜山


「竜山…!!」


「…死んだか」

「自業自得だな」


「お前…!!」


「来るか?」

「来るなら来い」


構える男


「ワンコ!お前はノ-スの所に行ってろ!!」


「ワン!!」


走り去る獣人


「待て!!」


叫ぶ秋雨


「無駄だ」

「それに、そこの雑魚を殺したのはワンコじゃない」


「お前か!!」


「そうだ、俺だ」

「だったら、どうする?」


「…倒す!!」


「バカも、休み休みに言え」

「お前じゃ、俺に触れることすら出来ない」


「やってみなくちゃ…」


「「解んないだろ!!」…か?」

「古くさい台詞だ」


ダッ!!


男に突っ込む秋雨


「雷電」


バチン!!


音と共に、男が消える


「雑魚が…」


ゴッ!!


男の蹴りが秋雨の腹部にめり込む


「あがぁ…!!」


「雑魚は雑魚でも、雑魚中の雑魚だな」

「俺について来れないのか」


「ぐぅ…!!」


膝をつく秋雨



「秋雨!!」

「秋雨さん!!」


GLとモッチ-が茂みから出てくる


「G…L!来ちゃダメだ!!」


「何だ?女か」


「誰よ!アンタ!!」


「汚い言葉遣いだな」

「もう少しマシな言葉遣いは出来ないのか?」


「うるさい!!」


GLの手が白く光り出す


「ほう、面白い」


「はぁ!!」


金縛りをかけようとするGL


「どうした?こんな物か」


「…え!?」


「相手の動きを制御する技…、確かに良い技だ」

「しかし、エネルギ-が足りないな」


「う…!!」


「私に任せてください!!」


モッチ-がアンテナを取り外す


「え!?」


「このアンテナは、武器にもなります!!」


グググ…


アンテナが徐々に変化し、大剣になる


「面白い能力だ」


「行きま…、あれ!?」


体格上、大剣が持ち上がらないモッチ-


「うう…、失敗した」


「…何がしたいんだ?」

「下らんな」


バチバチバチ!!


男の手が激しく光り出す


「稲妻…!?」


「そうだ、よく分かったな」

「お前達が見る、最後の光だ」


「雷帝閃剣」


バチン!!


男が消える



「煙幕爆弾」


ボォォォォン!!


辺りに煙が広がる



「え…!?」


困惑する秋雨達



「ノ-ス!何しやがる!?」


男の叫ぶ声が、煙の中に響き渡る


「馬鹿者が」

「無意味な殺生をするな」


「だが!ワンコが…!!」


「その話は後だ」

「行くぞ」


「ま、待て!!」


叫ぶ秋雨


「…俺の連れの無礼を詫びる」


シュゥウゥゥゥ…


引いていく煙幕


「せめてもの、償いだ」


その台詞と共に、男達が居なくなる


「…!?」


山の茂みの中には、秋雨達だけが立っていた




読んでいただきありがとうございました

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