異質の案内人
「あ、ちょっと待って」
GLが秋雨と竜山を止める
「何だ?GL」
「コレ、エネルギ-入れなきゃ」
「あ…」
GLがイトウから預かった袋を取り出す
「竜山!お願い」
「…やってみるか」
袋を受け釣る竜山
「…中には何が入ってるんだ?」
「開けても良いのか?」
「GL、イトウさんは何か言ってたか?」
「何にも言ってなかったわよ」
「開けてみよう…」
袋のヒモを取り、開ける竜山
「キュプ-」
「…何コレ?」
「キュ-、キュ-、キュプ-」
「…何処かで見たような」
「あ!モッチ-じゃない!!」
「モッチ-?」
「ほら!イトウさんの頭に乗ってた…」
「あの白い饅頭みたいなのか」
「キュ!!」
ガブッ
「あぎゃぁあああああ!!」
竜山が指を噛まれる
「痛てて…」
「キュプ!!」
GLに飛びつくモッチ-
「大丈夫?竜山」
「痛い…」
「今、治すわね」
シュゥウゥウゥゥ…
傷を治療するGL
「コレで良し、と」
「悪いな、GL」
「で、竜山」
「ああ、エネルギ-な」
モッチ-をアンテナを掴み、エネルギ-を流し込む竜山
「どうだ?」
グググ…
「え!?ちょっと!!」
人型になっていくモッチ-
ドシン!!
その大きさのあまり、GLが押しつぶされる
「痛たぁ…」
「大丈夫ですか?GLさん」
「え?誰?」
20代前後の女が、GLを起こす
「モッチ-です」
「エネルギ-の注入により、人型になれました」
「…アナタが?」
「はい、そうですよ」
「え…、メスだったの?」
「いえ、性別はないんですが…」
「男性からエネルギ-を与えられれば女、女性からなら男になります」
「へぇ…」
GLが後ろを振り返ると、下を向く秋雨とガッツポ-ズの竜山
「…あの、モッチ-さん?」
秋雨がオドオドしながら言う
「モッチ-で良いですよ」
「…服は?」
「あ、今回は着て無いみたいですね」
GLが口を開け、呆然とする
「さて、私が案内します」
「着いて来てください」
「いや、服は!?」
「服ですか?着ても着なくても同じですよ」
「いつもはメイスさんに無理矢理、着せられるんですが…」
「GL!!」
「わ、解ってるわよ!!」
学生服の上をモッチ-に着せるGL
「…残念」
小さく舌打ちする竜山
「着なければ、いけませんか?」
「その歳なんだから!服は着なきゃダメ!!」
「え-、そうですか?」
「当たり前よ!!」
「じゃ、竜山さん」
「はい?」
「こちらへ」
竜山を呼ぶモッチ-
「アンテナを握って、エネルギ-を少しだけ流し込んでください」
「少しだけ?」
「はい、少しだけ」
「じゃぁ、お言葉に甘えて…」
ジリジリと近づく竜山
「…やめた方が良くない?」
「…そうみたいですね」
「秋雨さん!!」
「…もしかして」
「はい、その「もしかして」です」
「…どうしても?」
「服を着て欲しければ」
「ぼ、僕のエネルギ-は無くなったんじゃ…」
「いえ、能力が使えなくなっただけで、エネルギ-は健在です」
「…」
目を閉じ、モッチ-に近づく秋雨
「アンテナ、何処?」
「ここです」
「お尻」
(何で、そんな場所に…)
手探りでアンテナを捜す秋雨
ムニュッ
「何だ?この感触…」
「秋雨さん、そこは胸です」
「!!」
「秋雨、お前…、やっぱり…」
「違う!違うぞ!竜山!!」
「…最低」
「違うって-!!」
「おいしい所だけ、持って行きやがって…」
「偶然だよ!!」
「早くしてくれませんか?」
「…誘導してくれる?GL」
「…仕方ないわね」
秋雨の手を掴むGL
「ここよ」
アンテナを握る秋雨
「流し込むよ?モッチ-」
「お願いします」
シュゥウゥゥウ…
グググ…
だんだん、小さくなるモッチ-
「コレでどうですか?」
小さな女の子が立っている
「エネルギ-量で、年齢も変化するのか」
「はい!服は着なくて大丈夫ですね!!」
笑顔のモッチ-
「…やっぱり、ダメ」
「着なきゃいけないわ」
「え-!?どうしてですか!?」
「モッチ-、考えてみろ」
竜山がモッチ-の肩に手を置く
「?」
「俺は年上、同年齢派だが、危険な趣味を持ってるかも知れない奴が居るだろ?」
「え-と、秋雨さん?」
「そうだ」
「おい、待て!!」
「変な考えを持たせるな!!」
「…どうでしょうね?」
「GL!?」
「さて、服は何処かしら?」
「イトウさんの家だから、有るんでしょうね」
「…言いません」
「言いなさい」
「…1階のタンスです」
「さて、取りに行きましょう」
「秋雨!行って来て」
「え?僕?」
「先刻、あんな事をしたでしょ?」
「…はい」
渋々、取りに行く秋雨
20分後…
「コレで良し、と」
「何だか、慣れませんね…」
服を着たモッチ-
「さて、行きましょう」
「和風さんの所へ」
「はい!案内は任せてください!!」
「じゃ、よろしくな、モッチ-」
「行きましょう!!」
そうして、4人は和風の所を目指し、イトウの研究所を出て行った
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