寮内騒動
寮の部屋に戻った僕の目の前には、想像を絶する光景があった
大量のアメ袋のカス
切れかけの電球
お笑い番組をやっているテレビ
大量の、未成年が飲んではいけない物の空き瓶
…爆睡してる水無月さん
それに寄り添う骸瀧さん
キッチンで料理を作っているGL
ベランダに布団で丸められて、吊されている竜山
…?
「あの~…」
「あ!おかえり!!」
全力で飛んでくるGL
「…ただいま」
「これは…、何?」
「水無月さん達が、君達が心配ってお見舞いに来てくれたの!!」
「いや…、そうじゃなくて」
「ん?何?」
「爆睡してるのは何で?」
「非合法的な臭いが、転がってる瓶からするんだけど…」
「あ!アレは会長から「飲んで良い」って貰ったの!!」
「ジュ-スでしょ?」
「いや、違うと思う」
「サッ◯ロって書いてるよ」
「気のせいじゃない?」
「それでね~」
「水無月さんの酒癖悪くて大変だったの!!
「今、言っちゃたな!酒癖って言っちゃたな!!」
「ずっと、「秋雨はまだか~!」って怒鳴ってて…」
「それを、写真で取ってる骸瀧さんが、また、狂喜しちゃって…」
「竜山は?」
「ああ、アイツは…」
「秋雨ぇ~!!早く帰って来~ひぃ…」
水無月さんが寝言を言っている
「…彼女、ずっと心配してたの」
「行ってあげて」
「…解ったよ」
僕は水無月さんの手を握って
「ただいま帰りました」
と、言った
「…おかえりぃ~」
まだ、寝ぼけてるのか?
「ムニャムニャ…」
「秋雨君…」
「何ですか?」
「くぅ~」
…寝てる
「で、竜山はどうしたんだ?」
「水無月さんが、酔って服を、脱ぎ出しちゃって…」
「それに興奮した彼が、水無月さんに飛びついて…」
「骸瀧さんの写真に入ちゃった上に、水無月さんに飛びついたから…」
「悪夢再び…ってワケか」
「そうなの」
「怪我は?」
「もう大丈夫みたい」
「そうか…」
「私、治療員配属なったね!!」
「前は生徒会だったのか?」
「違うわよ」
「じゃぁ、風紀員?」
「違うわ」
「じゃぁ…何処?」
「何処でもないの」
「立場がなかった…」
「鬼怒君から生命エネルギ-を貰って、学校の中をウロウロしてるだけだった…」
「だから、役割が出来て嬉しいの!!」
「良かったな…」
「それで、お願いがあるの」
「…お願い?」
「私の力って、秋雨君のエネルギ-のおかげでしょ?」
「だから…」
「摂取量を2倍にして欲しいの!!」
「…2倍って?」
「影にいる間、取ってるんだろ?」
「違うわ」
「…じゃぁ、何時?」
「お休み中のキスだよ?」
「…マジか?」
「うん、マジ」
ウインクが洒落になってない…
「もしかして…」
「2倍だから、お休み中とお目覚めが良い?それともお休み?」
「寝てる間に2回してくれ…」
「意味ないよ!キスして、しばらくしないと、エネルギ-が回復しないの!!」
「お休みだろうが、お目覚めだろうが竜山が居るから騒がしいだけだぞ!?」
「でも、もっと強化しないと治療員の立場が…」
もう今にも泣きそうになっているGL
「解った!解ったから!!」
「でも、何時するんだよ?」
「良いこと思いついた!!」
「…何だ?」
「お風呂は?」
「絶対嫌だ!!」
「何で?」
「…いろんな意味で!!」
「仕方ないな~」
「じゃぁ、彼の目を盗んでするしかないか…」
「…そうしてくれ」
後々気付いたが、かなり恥ずかしい会話をしていた気がする…
読んでいただきありがとうございました