医者の居る煙草屋
「彼って…、誰ですか?」
「和風だ」
「俺の知り合いでね」
「和風さん…」
「しかし、イトウさん」
「何だ?スカル」
「世界には、ヤグモ達が居ます」
「それに、学園の教員達も、学園を離れられないし…」
「それなら、心配は要らない」
「教員が無理なら、生徒だ」
「ヤグモの一味に合う可能性は少ないし、ね」
「生徒を易々と行かせるわけには…!!」
「竜山達も行っていただろう」
「それは…」
「良いか?秋雨君」
「は、はい」
「異世界の南東の山に煙草屋が在る」
「その店に、和風は居る」
「…解りました」
「医者の居る煙草屋だから、すぐに解ると思うよ」
「「医者の居る煙草屋」…」
「秋雨君、君は、異世界は初めてじゃないだろう」
「他に…」
イトウが考え込む
「竜山君、GLで行くと良い」
「そんなに遠くないから、3人で行けるはずだ」
「解ったね?」
「でも…、GLは…」
「この世界のエネルギ-濃度になれた頃だから、行っても大丈夫だ」
「意識が…」
「メイス!GLを、運んできてくれるかい?」
「向こうの世界に行ったから、コレが効くはずだ」
イトウが注射針を取り出す
「う…」
後ずさる秋雨
「あ、もう1つ」
イトウが戸棚を漁り出す
「コレ、コレ」
「はい、秋雨君」
「?」
秋雨の手には、異世界の通貨
「煙草、無くなりそうだから…」
「和風の家で買えるからね」
「…お使いですか?」
「…そうなるね」
「…」
廃校、地下
「…遅いな、GL」
「そうだな…」
秋雨と竜山が扉の前でGLを待っている
「秋雨さん!!」
「クラウン」
クラウンが息を切らしながら、走ってくる
「異世界で、カンパニ-についての情報が有れば、教えて貰えませんか!?」
「わ、解った」
「お願いします!!」
「任せとけ!!」
竜山が胸をどんと叩く
「頼もしいですね」
「アハハ…」
「秋雨君!竜山君!!」
「あ、水無月さん」
「どうかしましたか?」
「皆から、伝言!!」
「モミジは「気をつけて」だって!」
「…はい」
「城牙さんは「必ず帰ってこい、そして柳舞も見つけてこい」だって」
「…勿論です!」
「火衣良ちゃんは「早く帰ってきて」だって」
「…後で謝っておきます」
「首狩と夜風ちゃんは「頑張ってこい」だって」
「はい!解ってます!!」
「メタルさんは「俺も行きたい」イトウさんは「煙草、よろしく」ツバメは「秋雨?誰それ」だって!!」
「…」
「後半、ロクなのが無いな…」
「…秋雨君!!」
「何ですか?水無月さん」
「帰って来てね!絶対!!」
「…はい!!」
「それじゃ!!」
学園に帰っていく水無月とクラウン
「…秋雨、聞きたいんけど」
「何だ?竜山」
「お前、水無月先輩とGL、どっちが好きなんだ?」
「!!」
硬直する秋雨
「それは…」
「お-い!秋雨!竜山!!」
「あ!GL!!」
GLが走ってくる
「良かった!目が覚めたんだな!!」
「ええ、妙な薬を投与されたけど…」
「妙な薬?」
「…ドロドロしてた」
「…聞かない方が良いな」
「それと、コレ」
GLが腕輪を取り出す
「?」
「イトウさんが「付けろ」だって」
「何でも、エネルギ-反応を無くすらしいよ」
「って、事は!」
「GLが居ても、妙な場所に飛ばされない、って事か!!」
「そうなるな」
「「GLが居ても」って、どういう意味よ!?」
「あ、ゴメン、ゴメン」
「それにしても、3人のチ-ムが復活したな!!」
「そうだな!」
笑う秋雨達
「それと…、コレ」
GLが袋を取り出す
「「異世界に言ったら、エネルギ-を注入しろ」だって…」
「何だ?コレ」
モゾモゾと動く袋
「う…!!」
「そ、それじゃ、行きましょ」
「久々の、3人チ-ムで、ね」
扉に入る3人
WG学園、保健室
保健室には、メタルと金田、寝ているガルスとシャ-ク、イトウが居た
「イトウ、教えてくれ」
「モミジを追い出した理由を」
「…聞かせたくなかった」
「俺達が死にかけたのが、あの子のせいだと言う事を…な」
「モミジの?」
「そうだ」
「昔は、正式な儀式で生け贄と共に魂を呼び戻していた」
「だが、今回は違う」
「「秋雨君の能力で、無理矢理、呼び戻した」…か」
「その通り」
「地獄に有るべき魂の数は決まってる」
「それを、2つ無くしたんだ」
「2つ分、取り戻しに来て当然…、だな」
「それがエネルギ-重度の高いシャ-クの傷口から出てきた…」
「そう言う理由だな」
「…だが、地獄は無くなった魂を必ず取り戻す」
「エネルギ-反応が高く、出現条件が揃った場所に闇は出てくるな」
「…そうだな」
「学園にも気をつけるよう、言っておくか」
「そうしてくれ」
異世界、イトウの研究所
バタン
扉から秋雨達が出てくる
「凄い残骸だな」
辺りには、壊れた標本や瓶が転がっていた
「激しい戦闘が有ったのね…」
悲しい目をするGL
(GLは眠って居たから、知らないのか…)
「まぁ、とりあえず煙草屋を目指そう!!」
「そうだな」
「早く、能力を治療しなきゃな!!」
「能力を治療?」
「イトウさんから、聞いてないか?」
「大凡のことは…」
「実は…」
話そうとする秋雨
「むぐぅ!?」
竜山が秋雨の口を防ぐ
「秋雨!」
竜山が秋雨にささやく
「何だ!?竜山!!」
「バカか!このことを聞いて、GLがショックを受けるだろ!!」
「シャ-ク国王の腕も!闇も!!」
「あ…、そうか」
「GL!何でもないぞ!!」
「?」
「それなら、良いけど…」
「さぁ!行こう!!」
「和風さんの所に!!」
「おう!!」
そうして、3人は歩き出した
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