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能力消滅

WG学園、保健室


「…ふぅ」


ゆっくり煙草を吸いながら、一息つくイトウ


「ようやく、静かになったか…」



ガタガタガタガタ!!


「何だ?」


外がやたらと騒々しい


「イトウさん!!」


「スカルか」

「…!!」


スカルが傷ついた金田達を背負っている


「兄さん!!」


モミジが叫ぶ


「ベットに寝かせろ!!」

「治療する!!」


ガタァン!!


メタルを押しのけるイトウ


「痛てて…」


起き上がるメタル


「メイス!鎮痛剤だ!!」

「あと、ガ-ゼ!!」


「は、はい!!」


「何だ?この状況…」


「どうかしましたか…?」


秋雨も、ゆっくり目を覚ます


辺りを見回すメタル


「…金田!ガルス!!」


「よぉ、死人」

「元気か?」


「お前!その怪我…!!」


「俺達は軽傷だ」

「それより、シャ-クが…」


「シャ-ク…!!」


「久しいな、メタル…」

「また、サ-フィン勝負するか?」


「それより!お前、腕が!!」


「フン…、腕の1本や2本、くれてやる」

「国のためなら、な」


「お前…!!」


「心配ない!命に別状は無い!!」

「問題は、腕だ!!」


「腕!?」


「ヤグモの毒が、微量だが付着している!!」

「秋雨君は、こんな状態だ!!」

「治療は…!」


「俺、死ぬのか…?」


「そんな…!!」


「死なせる物か!!」

「腕…!完全にエネルギ-と一体化した…!!」


「…イトウさん!エリムは!?」

「彼の腕なら!!」


モミジが必死に叫ぶ


「…試してみよう!!」


「メイス!エリムを呼んできてくれ!!」


「は、はい!!」


バタン!!


保健室から出て行くメイス



「腕を接合し、一時的に自然治癒力を高める!!」

「その後は、義手でも何でも付けろ!!」


「…適当だな」


「最も最適な方法だ!!」


バタン


「イトウさん!!」


「来たか!!」


「南の国王殿!?」


「…エリム殿、世話になります」


「こ、コレはどういう…!?」


完全に困惑しているエリム


「エリム!お前の腕は、能力で石化したんだな!?」


「は、はい…」


「…耐えろよ!!」


エリムの腕に手を当てるイトウ


「切断する!!」

「痛覚神経は麻痺してるから、痛みはないはずだ!!」


「わ、解りました!!」


「全員、息を止めろ!!」


「は、はい!!」


シュゥゥゥウゥゥウウウ…


イトウの手から、ドロドロとした液体が流れ出す


「切断!!」


バァン!!


弾け飛ぶエリムの腕


「むぅ…!!」


「シャ-ク!腕を出せ!!」


傷ついた腕を出すシャ-ク


「接合するぞ!!」


ジュゥウゥウウウゥゥゥ…


「うぐぅぅうぅううううう!!」


「耐えろよ…!!」


「頑張れ!兄さん!!」


ジュゥ…


「くっはぁ!!」


「よし!完了だ!!」

「コレで…」


ズズズズズズズズ…


「…まさか」


黒い塊がシャ-クの腕から出てくる


ガガガガガガ!!


「ギイィヤアアアアア!!」


「…闇!?」


「メイス!全員を部屋から出せ!!」

「俺が抑える!!」


「でも!イトウさんが…!!」


「心配するな!!」


「…ッ!!」


全員を部屋の外に押し出すメイス


「ぐぅううううう!!」


「イトウ!無理をするな!!」

「お前が飲まれる!!」


「俺が抑えなければ、お前が飲まれるだろう!!」


「だが…!!」


「気にするな!俺はそこまで柔じゃ…」


ズルズルズル…


黒い塊の中から、血色の爪が出てくる


「…爪!?」


ドスッ


「!!」


肩に爪が貫通する


「イトウ!!」


「ぐぅ…!!」


ガクッ


膝が地に落ちるイトウ


「ガァァアアガガアァ!!」


闇の穴が一気に広がる


「しまっ…!!」


グゥン!!


「!?」


一気に闇が押さえ込まれる


「怠けるな!イトウさん!!」


「メタル!!」


包帯を腹部に巻いたメタルが闇を押さえ込む


「…ッ!!」


ブシュッ!


メタルの腹部から、血が噴き出す


「くそ…!!」


「もう良い!2人とも、逃げろ!!」


シャ-クが叫ぶ


「ふざけんな…!!」


「諦めないでください!!」


「あ、秋雨君!!」


秋雨が闇を抑える


「秋雨君!エネルギ-が…!!」


「これぐらい!大丈夫です!!」


ズズズズズ…


だんだん、縮まる闇


「もう、一息…!!」


ヴヴヴヴヴヴヴヴ…


秋雨の腕が、鈍い振動音を挙げる


「な…!?」


ズズズ…


パァン!!


黒い塊が空中で破裂する


「やっ…」


ヴン!!


「!?」


ジュゥウウウウゥ…


蒸気のような煙を上げる秋雨の腕


「…コレは?」


「秋雨君!能力を止めるんだ!!」


「え?」


シュウウウウ…


煙が腕から止まる


「…?」


「遅かったか…!!」


「い、イトウさん…」

「何が…?」


「…能力を使ってみてくれ」


「?」


能力を使おうとする秋雨


「…あれ?」

「能力が…」


「発動しないだろう」

「能力が消滅した」


「え!?」


「治すのは可能だ」

「しかし…」


暗い表情のイトウ


「…こちらの世界では、俺では不可能だ」


「そんな…」


「異世界に行け」

「彼が居る」


「彼?」


首をかしげる秋雨

読んでいただきありがとうございました

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