空からの急襲
浮遊船、乗客室
「城牙-!城牙-!!」
ツバメが城牙の膝の上で遊んでいる
「…」
それに、全く動じない城牙
「城牙、気にならないのか?」
「慣れた」
「あ、そう…」
「離婚届は?」
「…全く、書く気がない」
「無駄だろうな」
「…苦労するな」
「間もなく、イトウさんの研究所に着きます」
「着陸しますから、気をつけてください」
クラウンが全員に説明する
「…水無月さん」
「…何?秋雨君」
「実は、お話ししたいことが…」
「何?秋雨君は結婚するんでしょ?」
「いえ、それは誤解で…」
「その事については、私が説明しよう」
モミジが貨物室から出てくる
「アレはツバメの冗談でね」
「悪いことをした」
「えっと…、モミジさん?」
「そうだ」
「…詳しく、説明して貰っていいですか?」
「構わないが、敬語は使わなくて言い」
「慣れてないんだ」
「…うん、解った」
「それで、事の顛末を…」
ガァァァアン!!
船が激しく揺れる
「何だ!?何だ!?」
「全員!戦闘態勢に入ってください!!」
「敵襲です!!」
地上
「お、当たった」
「流石、俺」
「安心してる場合ではなかろう」
「次を当てるのだ」
「へいへい、解ってますよ」
地上には銃を構えたバムと輪禍が立っている
「エネルギ-砲、装填」
キィィィィィイン…
「発射!!」
ガァァァァァァン!!
浮遊船
「ミドリノコトダマ!!」
パァァァァァン!!
クラウンの技でバムのエネルギ-砲が相殺される
「クラウン!船が持たんぞ!!」
ティルリアが叫ぶ
「飛び降りるしかない!」
「ですが!地上には敵が!!」
「クラウン、今から言うことを実行しろ」
シャ-クが皆の前に立つ
「…解ったな?」
「可能なんですか!?」
「俺の能力を使えば、何と言うことはない」
「…解りました!」
「行ってください!!」
「ああ、行ってくる」
サ-フボ-ドを取り出すシャ-ク
「飛水!!」
グゥゥゥゥン…
サ-フボ-ドの下に、渦巻く水が現れる
「全員、しっかり掴まってろ!!」
「俺が、あいつ達を引きつける!!」
「はい!!」
バッ!!
飛び降りるシャ-ク
地上
「…ん?」
「輪禍、誰か飛び降りてきてないか?」
「…シャ-クか!!」
「バム!打ち落とせ!!」
「あの男はマズイ!!」
「?」
「まぁ、空中じゃ身動きは取れねぇだろ」
ガチャン
銃を構えるバム
「発射!!」
ガァァァァァン!!
「防壁水!!」
バァァァン!!
相殺されるエネルギ-砲
「何だと!?」
ガァァァン!!
地上にシャ-クが降りてくる
「…退け」
「手加減するつもりはない」
「破岩濁碗!!」
「飛水!!」
輪禍の技を躱すシャ-ク
「バム!船を撃ち落とせ!!」
「させないさ」
ガァン!
バムの銃を蹴り落とすシャ-ク
「さて、頃合いだな」
ゴォォォォオォ!!
煙を上げた浮遊船がイトウの研究所に突っ込む
「包水完容」
ウォォォォォォン…
船が水に包まれる
ガァァァァン!!
イトウの研究所に衝突する船
「…さて、コレで気にすることは無くなった」
「行くぞ」
「クソ…!!」
イトウの研究所
シュゥゥウゥウウ…
「…ぶはぁ!!」
船の残骸から竜山が顔を出す
「皆!大丈夫か!?」
「だ、大丈夫!!」
「シャ-クさんの能力で衝撃は和らいだみたいだ!!」
「皆さん!「扉」です!!」
「急いでください!!」
「あ、ああ!!」
全員が扉に走る
「早く!いつ、ヤグモの一味が来るか解りません!!」
次々に扉に入って行く
「まさか、突っ込んでくるとは、な」
「流石に予想外だ」
「!!」
ヤグモとルドネスが歩いてくる
「全員!急いでください!!」
「行かせない!!」
「百閃連魔!!」
ルドネスから幾本ものナイフが飛んでくる
「ミドリノコトダマ!!」
ガァン!!
それを弾くクラウン
「やるね-!!」
「遊んでいる場合ではないぞ、ルドネス」
「はい、は-い!!」
ガラガラガラガラ!!
先刻とは比べものにならない量のナイフが向けられる
「行っけ----!!」
「クラウン!モミジ!水無月さん!早く!!」
秋雨が扉の中から叫ぶ
「今、行きます!!」
ガガガガッガガッガ!!
もの凄いスピ-ドで飛んでくるナイフ
「防ぎ…きれない!!」
パァン!!
クラウンの防御を突き抜け、ナイフが水無月に向かって飛んでいく
「水無月!!」
ドスッ
「…え?」
モミジが水無月を庇い、傷を負うモミジ
「う…」
「モミジ!!」
「まだまだ!!」
ガガッガガガガガッガガ!!
「危ない!!」
幾本ものナイフがモミジと水無月に飛ぶ
「幻水千弾」
バババッババッババッバババ!!
ガキィィィイィィィィィン!!
弾丸が全てのナイフを打ち落とす
「手数で負ける気はない」
「か、金田さん!!」
「行け!クラウン!!」
「ここは俺達に任せろ!!」
ガルスが扉から出てくる
「は、はい!!」
水無月がモミジを背負い扉に入り、クラウンも入る
バタン
閉まる扉
「…さて、ヤグモ」
「久しいな、金田」
「メタルは元気か?」
ピクッ
その一言に金田が反応する
「…どうだろうな?」
「行くぞ」
「来い…!!」
読んでいただきありがとうございました