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城への侵入者

「ど、どういう事じゃ!?」


「私は!水無月の説得を受け、俺は自分の気持ちに正直にすることにしました!!」

「未練を引きずらせて貰います!!」


「な、何を…」


「では!!」


バタン!!


部屋から出て行くトリマ


「…」


全員の視線が、水無月に向けられる



「…どういう事ですか?水無月さん」


「…説得が間違った方向に行っちゃったみたい」



「クラウン!どうするのじゃ?」

「これ以上、戦争を防ぐには…」


「政略結婚以外の手は?」


「無いのじゃ」

「向こうもこちらも、資源に困っとらん」

「一度、宣戦布告したからには、無条件和睦も出来んし…」


頭を抱える国王


「…そうじゃ!そこの若者!!」


「俺か?」


国王が城牙を呼ぶ


「ワシの息子になれ!!」

「一時的でよい!!」


「何故だ?」


「…モミジ殿と、結婚してくれんか?」


「断る!!」


「頼む!この通りじゃ!!」


国王が頭を下げる


「城牙さん、僕からもお願いします」


「無理だ!!」


「一時的で良いのじゃ!」

「形さえやってしまえば、後はどうにでもなる!!」


「そうですよ!城牙さん!!」


「…」


「城牙さん!!」


「…一時的だな?」

「すぐに離婚させて貰うぞ」


「感謝するぞ!!」

「そうと決まれば、早速出発じゃ!!」


「え?」


「行くぞ!!」


4人を引き連れ、飛行場に向かう国王



飛行場


「不思議な乗り物…」


水無月が乗り物を見上げる


「コレは、浮遊船と言ってな」

「能力で飛べるのじゃ」

「跳ねもないじゃろ?」


「確かに…」


「よし!では、乗るぞ!!」


「はい!!」



浮遊船


「…結構、広いんですね」


「自由に見学しても良いぞ!!」

「妙な機械には触らんことじゃな!!」


「解ってます」


上機嫌の国王と不機嫌な城牙


「城牙さん、ありがとうございます」


「…すぐに離婚してやる」


「心配しなくても、バツ1には数えませんから」


「黙れ」




南の国


シュゥウウウウウ…


静かに船が降りる


「ティルリア殿よ、よくぞ、おいでくださいました」


ドレッドヘアのバンダナ男が、国王を迎える


「ふぉふぉふぉふぉ!おぬしにしては、良い迎え方じゃ」

「シャ-クよ」


「…失礼ながら、お話ししたい事が」


「何じゃ?シャ-ク」


「俺の妹が…、結婚を断り出しまして」

「「他に好きな人がいる」…と」


「偶然じゃな!トリマも、断りだしたのじゃ」

「丁度、良いではないか」


「そうでしたか!しかし、どうします?」


不安そうな顔をするシャ-ク


「そうじゃな」

「おぬしも懸念しておったか」


「はい、無条件和睦は、どうかと…」


「ワシの所は、トリマの代わりに用意した」

「おぬしはどうする?」


「…もう1人の妹を、結婚させましょう」

「一時的な物ですから、心配は無いかと」


「そうじゃな」

「これで、万事解決じゃ」


「はい!そうですね」


「シャ-クよ、色々、話したいことがある」

「構わんかの?」


「はい、構いません」


「では、行くかの」


歩き出す2人


「おい!客人を案内しろ」


シャ-クが命令する


「はい!アニキ!!」


「シャ-ク国王だろ!!」


「あ…、はい!シャ-ク国王!!」



接客の間


「ここで、お待ちくださいませ」


竜山達を案内した兵は、部屋から出て行く



「…「治安が悪い」って、言ってたよな?クラウン」


竜山が呟く


「それにしては、兵はしっかりしてるな」


「この国は、シャ-ク国王が治めていますから」


「?」


「不良が国民と言っても良い国ですが、シャ-ク国王の命令は絶対なんです」

「皆、シャ-ク国王を信頼してますから」


「そうなのか…」



王室


「ティルリア殿、お話とは?」


「うむ、この戦争の原因じゃ」


「トリマ殿の暗殺…、でしたか」


「失敗してるがの」

「問題は、誰が企んだかじゃ」


「そうですね」

「北と南の戦争を、誰が企むんでしょうか?」


「…解らん事ばかりじゃ」


「そうですね…」


ため息をつく2人


「む、そう言えば…」


「何ですか?」


「エリムが来とらんかの?」

「大分、前に出発したんじゃが…」


「はい、来ましたよ」


「そうか」

「何処に居るんじゃ?」


「…3時間前」


「?」


「トイレに行ってから、戻ってきてません」


「そうか」


「何か有ったのかと、捜索を出してますが…」


「ふぉふぉふぉふぉ!心配は要らん」

「いつもの事じゃ」


「?」


「エリムは、移動距離30m程度でも、迷子になるからの」

「究極の方向音痴じゃ!!」


「そうなんですか…」


苦笑するシャ-ク


「それと…」

「結婚式はどうするんじゃ?」


「はい、北の国でお願いしたいかと」


「良いじゃろう」

「日程は…」


「そうですね」


話し合いを進める2人



接客の間


「あ!そう言えば…」


「どうした?竜山」


「秋雨は!?」


「!!」


「忘れてた…」


「探しに行かなきゃ!!」


部屋を飛び出る竜山と水無月


「お待ちを!!」


兵が2人を止める


「この部屋からは、出ないでください」


「でも…!!」


「お願いします」


「…はい」



渋々、部屋に戻る2人


「探しに行けない…」


「そうですね…」


「心配しなくても、城牙さんの結婚式で会えますよ」

「秋雨さん達とはね」


「…それなら、良いけど」


「俺達AS隊の目的は、秋雨とGLと柳舞の捜索だ」

「その事も忘れるなよ?」


「解ってるよ!城牙」



大広間


「何処だ?ここ…」


迷子のエリム


城に来て、トイレに立ってから、迷子である


「誰も居ないし」

「変な石像ばかりだな」


兵を象ったと思われる石像が、あちらこちらにある


「妙にリアルだな…」


石像を見回すエリム


「あ!そこの人!!」


歩いている女を、エリムが呼び止める


「良かった!誰も居なくて…」

「申し訳ありませんが、案内して貰えませんか?」


「…石にして欲しいの?」


「え?」


女がエリムに手を向ける


ガァン!!


「コレは…!!」


間一髪で躱したエリム


しかし、後ろの柱は石になっている


「貴様!あの石像は…!!」


「石像じゃないわ」

「元、人間よ」


「何者!?」


エリムが槍を向ける


「メデゥよ」

「シャ-クを殺しに来ただけ」


「…覚悟!!」



読んでいただきありがとうございました

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