異世界へ
廃校には、秋雨捜索隊…、略してAS隊(AKISAME SEARCH隊)が集まっていた
廃校、地下
地下には、AS隊の竜山、水無月、クラウン、城牙
教頭のスカル
見送りの舞桜、骸瀧、、首狩、夜風、ミナモ、白珠が来ていた
「竜山君、秋雨君を連れ戻してきてね」
「火衣良ちゃんの面倒は、俺と夜風で見るから」
「しっかり、面倒を見ます」
首狩、夜風と竜山が話している
「はい!行ってきます!!」
「水無月ちゃん!私が居なくても、やっていける!?」
「うん!大丈夫だよ!!」
大泣きの骸瀧と笑顔の水無月
「ちゃんと食べてね!!」
「うん!解ってるよ!!」
「睡眠もしっかりね!!」
「うん!心配ないよ!!」
「手を出す奴が居たら、言ってね!!」
「殺すから!!」
「…それは、やめた方が良いと思う」
「行ってきます」
「頑張ってね!!」
「はい!心配は無用です」
「うん!信じてるから…!!」
辛そうなクラウンと泣きそうなミナモ
「…行ってくる」
「いってらしゃ-い!!」
「凩や暴祖、此所羅に毀棄梨はどうした?」
「皆、傷ついて、療養中だよ」
「毀棄梨が「WG学園も悪くない」って言ってた!!」
「それは困るな」
「アイツはゼロの大事な仲間だ」
「うん!「私の血が騒ぐ…!!」とも、言ってたよ!!」
「…学園の1、2年生共に言っておけ」
「「夜、部屋の鍵をかけろ」とな」
「解った-!!」
「皆、お別れの挨拶は、これぐらいにして…」
「心して聞いて欲しい」
スカルが真面目な表情になる
「向こう側…、異世界は危険な所だ」
「この世界と比べものにならないぐらいね」
「だから、自分のみを一番に考えて!!」
「任務を果たして欲しい!!」
「はい!!」
「私からも良いかしら?」
風華がスカルの横に出る
「皆、鬼怒君や他の皆は傷が酷くて、見送りに来れないけど…」
「他の皆の分まで、私が言わせてもらうわ」
風華が大きく息を吸い込む
「行ってらっしゃい!!!」
「はい!!!」
扉の前に立つ4人
「行く前に、一つ聞きたい」
スカルが全員の前に立ちはだかる
「何だ?」
「この中では、能力を使わなければ、安全な場所、つまりイトウさんの実験室に出られる」
「しかし、柳舞君はともかく、秋雨君は能力を使った…、と、言うか、GLが能力自体だから、使ったことになるんだけど」
「能力を使えば、何処に出るか解らない」
「マグマの中かも知れないし、崖の上かも知れない…」
「しかし、秋雨君の居たところに出られる可能性は高い」
「…どうする?」
「決まってる」
竜山が拳から炎を発する
「行く!!」
「…流石だね」
ゆっくり、扉の前から退くスカル
「異世界では、予想も付かないことがある」
「しかし、万事、それに対応して欲しい」
「はい!!」
「…行ってらっしゃい」
扉に飛び込む4人
校長室
「校長…、いや、ロック」
「何だ?ヴァトラ」
「どうして、あれ程、扉を隠した?」
「しかも、今度はアッサリ行かせるし…」
「…理由は簡単」
「扉に飛び込んで、死亡」なんて、聞きたくないし、出来るだけ世界の均衡を崩したくなかっただけだ」
「…そうか」
ガチャ
「校長、ただいま戻りました」
「ご苦労だったな、春白」
ガチャン
春白が校長室から出て行く
「ん?誰だ?アイツは」
「ウチの生徒だ」
「本部に「ある物」を取りに行って貰っていた」
「「ある物」?」
「…向こう側の物だ」
「城牙の拘束具にも、コレを使っていた」
「…確か、聞いたことがあるな」
「「能力記石」だったか」
「複数人の能力を記憶させることが出来る石…」
「まぁ、伝説級の物だ」
「で、それがどうした?」
「コレで、廃校の周りを封鎖する」
石を机に置く校長
「何を言っている!?」
「城牙達はどうするつもりだ!?」
「心配しなくても、アイツ達が帰って来たら、解くさ」
「…何故、封鎖するんだ?」
「ヤグモが「扉」を狙うかも知れない」
「今の学園の戦力では、太刀打ちできないからな」
「…」
「それに、「扉」の周りで異常現象が起きてる」
「エネルギ-が意志を持ったり、向こう側の物が、こちらに来たり…」
「それを防ぐためだ」
「…解った」
「俺も、早くヤグモから「月神の紋章」を取り戻さなければ」
「…そうだな」
「ああ、そう言えば…」
「何だ?」
「あの神月と言ったか」
「本部長の」
「そうだが…、どうかしたか?」
「アイツは「扉」について、知っているのか?」
「知っているも何も、アイツは扉を通った事がある」
「それで、向こう側の世界を知ってしまった」
「…そうだったのか」
「それで、本部長になり、この世界を守ろうとした」
「まぁ、その正義感が強すぎる事もあるがな…」
校長が苦笑する
「城牙達や柳舞達は…、無事に戻ってくるかな?」
「戻ってくるさ」
「絶対に」
異世界、砂漠
「…あれ?いつの間に」
扉に飛び込んだはずの竜山達は、気が付くと砂漠に立っていた
「ここは…」
辺りを見回すクラウン
「何処だ?クラウン」
「ここは、砂漠です」
「見れば、解るよ」
「…最悪の場所ですね」
「何が、だ?」
「よく居るんですよ」
「面倒くさいのが」
バァァァァン!!
地面から、何かが飛び出てくる
「キシャアアアアアアア!!」
ミミズとカマキリとムカデを足して3で割ったような生物が出てくる
「何コレ!?」
「現住生物です!!」
「逃げますよ!!」
走り出すクラウン
「何故、逃げるんだ?」
「殺せば良いだろう」
冷静な城牙
「虫-!!嫌ぁあああ!!」
完全にパニック状態の水無月
「大丈夫ですか!?水無月先輩!!」
「虫-!!無理ぃいいいい!!」
「虫じゃないです!化け物です!!」
「両方無理--!!」
「キシャアアアアア!!」
化け物が水無月に襲いかかる
「水無月先輩!!」
「!!」
「情けない…、それでも柳舞の居た生徒会の役員か?」
ガァン!!
城牙が素手で化け物を吹っ飛ばす
「相手にならん」
ため息をつく城牙
「何してるんですか!?」
「む?何だ?ク…、クリウン」
「クラウンです!!」
「この生物は、常に団体で行動します!!」
「故に…」
バァアアアン!!
「キシャアアアアア!!」
砂から無数の化け物が出てくる
「…危険を感じると、仲間を呼びます」
水無月を抱える城牙
「逃げるぞ!!」
「勿論です!!」
全力で走る竜山達
砂漠、洞窟内
「はぁ、はぁ…」
どうにか、洞窟内に逃げ込んだ4人
水無月は気絶したままである
「クソ…、こんな事になるとは」
「スカルが言ってたことも、間違ってはないな」
「まったく…、無駄な騒動を起こさないでください」
「この世界では、油断の1つが死を招きます」
「…すまなかったな」
「いえ、解っていただければ良いんです」
「このメンバ-、上手くやっていけるのかな…」
ため息をつく竜山
「どうした?た…竜川」
「竜山だけど」
「いや、今、気付いたんだけど…」
竜山が全員を見回す
「料理、出来る人って、居る?」
「流石に、メシは食わないと…」
「…」
城牙を見るクラウン
「…」
竜山を見る城牙
「…」
クラウンを見る竜山
「…どうしよう?」
異世界、突入30分にして、問題発生
読んでいただきありがとうございました