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真実

WG学園、校長室


「…集まったか」


ガルスの提案により、校長、教頭、ヴァトラ、城牙、ガルス、過去の事件に関わった4人による会合が行われていた


「ガルス、何故、会合を行うのか、理由を教えてくれ」


「…ヴァトラ」


「やはり、俺か」


「当たり前だ」


「?」


「全員、よく聞け」

「ヴァトラ、および学園の教員達は人間じゃない」


「…」


呆気にとられる舞桜と椿姫と城牙



「教えてくれ」

「どういう事なのか」


「…その話は俺がしよう」

「「扉」を通られた以上、隠す理由もない」


ロックが立ち上がる


「まず、ガルスの言う通り、俺達は人間ではない」

「「扉」を通った向こう側の世界の住人だ」


「…」


「そもそも、「扉」というのは、ハジャと言う男が作り出した物だ」

「ハジャは、死んだがな」


「…それで、「扉」を通って、校長達は来たのか?」


白刃之が校長を睨む


「そうだ」

「それで、ある目的のために学園を建てた」


「?」


「元々、この世界にエネルギ-は無かった」

「希に、持っている者も居たがな」


「それで?」


「ハジャが「扉」の入り口を作り出したとき、幾つも有る世界…、要するに「パラレルワ-ルド」って奴だ」

「その「パラレルワ-ルド」の中の1つの世界、つまり、この世界に「扉」の出口が出来た」


「…その「出口」からエネルギ-が、この世界に流れ込んだ…」


「そうだ」

「そのエネルギ-によって、能力者も生まれた」

「正直な話、エネルギ-を持ってる奴が、能力者になる」

「記憶で能力が変わるが」


「…それと、学園を建てた目的の関係性は?」


「能力犯罪を防ぐ事、「扉」を守る事だ」

「俺達の世界の住人が「扉」を開けたんだ」

「尻ぬぐいは俺達でする」


「…ずいぶんと、ご丁寧なことだな」

「別の世界なんて、放っておけば良いだろう?」


「いや、1つの世界の均衡のズレは、全世界の均衡のズレの元になる」


「…そう言うことか」


「能力も、特殊以外は5属性を操れるに過ぎない」

「元々、人体に存在する「真」の属性」

「全ての属性のベ-スだ」

「記憶によって属性が付くが、希に付かないときもある」


「…つまり、俺や鬼怒などの能力も、「単に、属性を操る能力で特徴は無い」と?」


「まぁ、大雑把に言うとな」

「しかし、相手の能を除くことや、身体能力の上昇、エネルギ-による治療は、全てベ-スの「真」による物」

「それが、能力の真実だ」


「…気にくわないな」


鬼怒が表情を硬くする


「俺達は、「能力については、ほとんどが解ってない」と聞かされていたぞ」

「何故、そんな嘘をつく?」


「…流石に、能力の全てを暴露するわけにはいかなかった」

「ヘタをすれば、俺達の正体も暴かれかねないからな」


「…そうか」


「まぁ、今回、集まって貰った目的は別にある」

「秋雨とGL、柳舞の救出だ」


「「救出」?」

「柳舞達は、向こう側に行ったのか?」


「ああ、行ったさ」

「行ってしまった」


「?」


「向こう側は、この世界と違って、悪党から化け物までわんさか」

「さらに、エネルギ-濃度も濃い」

「ヘタすれば死ぬ」


「…!!」


「それで、彼達を連れ戻す救助隊を出す」

「編成は…」

「竜山、水無月、クラウン、城牙」


「…妙な編成だな」

「教員クラスを入れた方が良いんじゃないか?」

「それに、城牙って…」


「「城牙って」とは、何だ?」


城牙が眉をしかめる


「今回の戦闘で傷ついたり、取り逃がしたイ-タ-の残党の始末に当たって貰うから、教員達に行って貰うのは、ちょっとな…」

「それならば、戦闘力も高く、柳舞と面識のある城牙、秋雨と仲が良く、やはり戦闘力のある竜山と水無月に行って貰うのが上策」

「クラウンは案内、および見張りだ」


「信用ならないな」

「それならば、俺が…」


鬼怒が立ち上がる


「俺も行きましょう」


鏡燕も立ち上がる


「ダメですわ」


2人を押さえつける椿姫と舞桜


「良いですの?白刃之君は勿論、鬼怒君も鏡燕君も舞桜ちゃんも、傷が酷くてよ?」

「行かせるわけにはいきませんわ」


「…チッ」


小さく舌打ちする白刃之、鬼怒、鏡燕


「まぁ、そう言うことだ」

「それと、ヴァトラについては目的を聞きたい」


「…良いだろう」

「貴様とやっても、勝ち目はないだろうからな」


「よし、それじゃ、スカルは「扉」に秋雨捜索隊を送ってくれ」

「城牙には話が有るから、後で向かわせる」

「頼んだぞ」


「はい」


校長室から出て行くスカル


「椿姫達も帰って良い」

「しっかり、体を休めてくれ」


「はい!」


椿姫と舞桜も校長室から出て行く


「さて、俺達も帰るか」


立ち上がる白刃之と鏡燕


「…待って欲しい」


「?」


「白刃之君、君を襲い、蕗東を食った男…」


「背中に蜘蛛の足が生えた奴か?」


「そうだ」

「見覚えは?」


「無いな」

「聞いたこともない」


「…その男、名を名乗っていたか?」


ヴァトラが横から口を出す


「いや、名乗ってないな」

「しかし、蕗東に「しくじりやがって」と言っていたな」

「蕗東も「写真を渡されて」とか「奴は言っていた」と、言っていたな」

「「奴」とは、誰だ…?」


「…背中に生えた蜘蛛の足」

「ヤグモだな」


校長がため息をつく


「やはり、生きていたか…」


「話が見えないぞ」


城牙が困惑する


「…城牙、お前に秘密にしてたのは悪かった」

「俺は、確かに人間じゃない」


「!!」


目を大きく見開く城牙


「向こう側の世界の「五神三聖」の信者だ」


「…宗教団体、「五神三聖」か」

「その信者が、どうして、ここに?」


校長が身を乗り出す


「ヤグモだ」


「ヤグモ?」

「奴とお前達の団体に何の関係が?」


「ヤグモは、五神三聖の秘宝「月神の紋章」を盗んでいった」

「その紋章を、何に使うのかは知らないが…」

「俺は、その紋章を取り返すべく奴が逃げ込んだ、この世界に来た」


「五神三聖は、「扉」が無くても、異界へ渡るすべを持つという…」

「そうだな?」


「ああ、そうだ」

「それで、「扉」を通る必要もなかった」


「なるほど」


「こちらの世界に来た以上、拠点が欲しかった」

「そこで、「ゼロに目を付け、世話になっていた」というわけだ」


「…」


ため息をつく城牙


「…本来ならば「お前は俺達を利用していたのか」と怒りたい所だが、お前はゼロに尽くしてくれた」

「文句は言えないさ」


「…すまないな、城牙」


「まぁ、どちらにしろ、ヴァトラとメタル達の目的は同じだな」


「「同じ」?」


「メタル達は、ハジャ一派の残党であるヤグモを仕留めるために、こちらに来た」

「学園は、移動手段のために居るに過ぎない」

「その代わり、メタル達には存分に働いて貰ってるけどね」


「まぁ、利用し合ってる立場かな」


ガルスが苦笑する


「と、言う事で、ヴァトラとメタル達は、ヤグモの捜索、および討伐に当たって欲しい」

「城牙は、先刻、言った通り、秋雨君達を捜すんだ」


「…まぁ、良いだろう」


「それじゃ、頼んだ」

「白刃之君と鬼怒君もお疲れ様」


「ああ、俺達は帰るとしよう」

「行くぞ、鬼怒」


白刃之が校長室を出て行く


「…城牙と言ったか」


「そうだ」


「…頼みがある」

「柳舞に合ったら…」


「「1発、殴っとけ」だろ?」


「何故、解った?」


「昔、柳舞も同じような事を言ってたからだ」

「似てるな、お前達は」


「…すまないな」

「恩に着る」


「良いさ」

「俺も、アイツを拾った身だ」

「「何かの縁」とでも考えよう」


「…そうか」

「頼んだ」


「ああ、解ってる」



こうして、秋雨捜索隊が編成された




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