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終演

職員室


「椿姫!!」


「鬼怒君!どうしましたの!?」


傷だらけの舞桜と白刃之を背負っている鬼怒


「治療を頼む!!」


「わ、解りましたわ!!」


治療に取りかかる椿姫


「舞桜ちゃんは大したこと有りませんけど、白刃之君は…」


「白刃之がどうした!?」


目を瞑り、首を横に振る椿姫


「義眼の状態で、戦闘していたんですもの」

「その上で、この状態…」

「助かる見込みは…」


「…まさか」


「有りませんわ」


「そんな事が…」


眼を大きく見開き、呆然とする鬼怒


「傷より、痛みでショック死してしまいますわ」

「痛みを止めるにも、鎮痛剤は無いし…」


「くそ!!」


ガァン!!


机を叩く鬼怒


「元々、義眼で戦場に出て行くのが無茶でしたの…」

「どうして、あんな事を…」


「…椿姫、聞きたい事がある」


「何でしょうか?」


「どうして、白刃之は義眼なんだ?」


「…それは、鬼怒君も知っての通り、1年前の事件で」


「嘘をつくな」


「!!」


「もし、本当にそうなら、蕗東が舞桜に言ってるはずだ」

「動揺を誘う為に」


「…本当の事を言います」


「ああ、どうして俺を騙したのかも言ってくれ」


「白刃之君が義眼の理由は、GLに有りますわ」


「…?」


「本来、能力者が居なくなったGLは、消えます」

「しかし、「柳舞が守った能力を、消すわけにはいかない」と、白刃之君が…」


「どうしたんだ?」


「自分の目を…、GLに与えたんです」


「GLに…!?」


「本来、白刃之君は高ランクの能力者」

「そして、昔から、エネルギ-が最も多い体の部位は目だと言われています」

「それで、自分の目を媒体に、GLの命を長らえさせたんです」


「…何故だ!?」

「何故、俺に言わなかった!?」


「だからです」


「…?」


「白刃之君は「GLのことを言えば、必ず鬼怒が媒体役を買って出るだろう」」

「「だが、柳舞の後を支えるアイツに傷を負わせるわけにはいかない」…と」


「…この馬鹿が!!」


白刃之を睨み付ける鬼怒


「…そう睨むなよ」

「俺は怪我人だぜ?」


息を切らしながら、白刃之が苦笑する


「白刃之君!喋っては…」


「…まぁ、腹に穴が開いたぐらいで叫ぶな」


「「穴が開いたぐらい」って…」


「鬼怒、学園内の敵を殲滅してくれ…」

「頼む」


「…解った」

「後で覚えていろ」



ガタン


職員室から出て行く白刃之



「…白刃之君、傷は」


「大丈夫だ」

「見てみろ」


白刃之の腹部に、血が殆ど付いていない


「コレは…!?」


「魚を達人が斬ると、骨だけで泳ぐことが有るだろう?」

「アレと同じだ」


「そんな事が…」


「現に、俺は痛みを感じてない」

「まぁ、死にかけに間違いはないがな」


「…白刃之君を斬ったのは?」


「背中に、蜘蛛の足が生えた奴だ」

「蕗東も、そいつに殺された」


「…そうでしたか」


安堵し、目に涙を浮かべる椿姫


「おい、早く治療してくれ」

「オレを殺すか?」


「…そうですわね」


椿姫が、目の涙を拭い、静かに微笑む


「この機会に、もう少しマシな口使いを教えて差し上げますわ」


グリグリグリ


「あっ…、がぁああああああ!!」


職員室には、白刃之の悲鳴が響き渡っていた



ロシア支部、周辺


「…完全に、ゼロは撤退」

「それと、記録室で倒れているガルスさんを発見しました」


「…そうか」


携帯で校長と話すスカル


「本人曰く、「学園で、ゼロの幹部と会談をした方が良い」…だそうです」

「どうしますか?」


「…解った」

「そうしよう」


「…了解」


パタン


携帯をたたむスカル


「…話、終わったか?」


瓦礫の影から、メタルが出てくる


「…メタルさん」


「ゼロの奴達の情報だと、秋雨、GL、柳舞が扉に入ったそうだ」


「…余計な事を」

「アナタ達は、情に厚すぎる」


「良いじゃないか」

「それでこそ、俺達だ」


爆笑するメタル


「それはそうと、撤退し、各地に散ったイ-タ-を殲滅しなきゃなんねぇな」

「面倒くさい…」


「アナタ達のせいですよ」

「まったく!本当に手間をかけさせますね…」


ため息をつくスカル


「…何処に落ちたと思う?」


にやりと笑うメタル


「何がですか?」


「秋雨とGL」


「…さぁ?解りませんね」

「西の砂漠に落ちてなければ良いですが…」


「まぁ、後で捜索隊でも出さなきゃな」

「面倒くさいことになる」


「校長が言ってましたよ」

「「パンドラの箱を開けたな?」と」


「パンドラの箱の中には、希望も有った」

「全てが絶望というワケではない」

「誰かに、秋雨達も探しに行って貰うさ」


「行かないんですか?メタルさん」


「この怪我で「行け」と?」

「鬼か?お前は」


「鬼で結構です」


「…まぁ、今回の事件にヤグモが関与して無いとも言い切れない」

「俺はヤグモについて調べるさ」


「…そうですね」

「解りました」



WG学園、日本支部


記録室


「…こちら、記録室の鬼怒」

「聞こえるか?亞幹璃」


「こちら、職員室」

「聞こえますよ」

「無線通信は上手くいきましたね」


「ああ、そうだな」

「記録室のイ-タ-戦闘員を確保」

「これから、お前達の所へ戻る」


「了解」


ピ-


亞幹璃が無線通信を斬る


「…お前達には、色々と吐いて貰う」

「覚悟しろ」


無言で動かない戦闘員達


「…まぁ、無理もないか」

「ボスは死に、自分たちが捕らえられてるんだからな」


「ブッブ-!残念でしたぁ!!」


「?」


「僕達は死んでます!」

「さぁ!誰が殺したんでしょう?」


目は虚ろになり、肌が青くなった戦闘員が、表情を崩さずに喋り続ける


「…何だ?」

「精神暗示系か?」


「残念!違いま-す!!」

「不正解者には、死を!!」


「!!」


戦闘員達の顔や体から、蜘蛛が這い出してくる


「僕の所のボスの能力!食らっちゃいな!!」



ガァアアアアアアン!!


記録室が爆発する



「…危ないね」

「最低の場合が解って良かった」


此所羅が鬼怒の襟首を掴んで、記録室から引っ張り出している


「…助かった」

「此所羅…、だったか」


「そうだよ」


「記録室の鎮火は俺がしよう」

「ネオンも手伝え」


「本当!トウツさんは、人使いが荒いですね!!」

「スカルさんとは大違い!!」


文句を言いながら、ネオンが水を運んでくる


「あれ-?死ななかった?」

「残念だね-」


焼けて、原形を留めていない死体が笑う


「…まぁ、次に機会に会おうよ!」

「別の世界で!!」


ガタン


死体が力尽きたように倒れる


「…何だったんだ?今のは」


「解りませんね…」



1年寮前


「さて、ほとぼりも冷めたみたいしぃ-」

「職員室に急ぎますかぁ-」


歩き出す七糸と火衣良


「大丈夫かな…?」


「心配有りませんよぉ-」

「たぶん」


「心配、有るだろ!!」


戦闘員が、背後から2人を襲う


「まずったですねぇ…」


「死ねや!!」



「1つ、幼女を極め…」


ジャララララララ!!


戦闘員が鎖で縛られる


「な、何だぁ!?」


「2つ、幼女を愛し…」


ガキィイイン!


鎖が、だんだんきつくなっていく


「がぁ…!!」


「3つ、幼女を救う!!」

「骸瀧 鎖雷!参上!!」


ガキン!!


「げふ…」


鎖が戦闘員を締め付け、気絶させる


「大丈夫かい?2人とも」


「大丈夫ですよぉ-」

「でも、今の決め台詞はないと思いますぅ-」


「む、助けて貰ったのに、その態度…」

「お仕置きが必要だね」


骸瀧が息を荒げながら、七糸と火衣良に近づく


「骸瀧お姉ちゃん…、怖い」


「前言撤回ですねぇ-」

「今、危険な状態ですぅ-」


「何してるの?」


「水無月ちゃん!!」


水無月が後ろから歩いてくる


「良かった…!本当に良かった!!」

「先刻、はぐれた時はどうしようかと…」


「「はぐれた」って…」

「1分ぐらい前でしょ?」


「私には、億千年に感じられたよ!!」


「はい、はい」


ため息をつく水無月


「首狩君と夜風ちゃんは、非戦闘員の避難補助に当たってるから…」

「私達も行こっか」


水無月が火衣良の手を握る


「き、究極!!」


倒れる骸瀧


それを気にせず、歩いて行く水無月と七糸


「ねぇ、水無月お姉ちゃん」


「何?火衣良ちゃん」


「骸瀧お姉ちゃんは、あのままで良いの?」


「…気にしなくて良いの」

「頑丈だから」


(そう言う問題かな…?)



この時、学園、ロシア支部、および本部からイ-タ-戦闘員が撤退して行った

戦いは終わり、校長達は日本支部へと帰ってきた


読んでいただきありがとうございました

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