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未知の目的

ロシア支部、牢獄周辺


「らっぁああああああ!!」


ドガァァァァァァン!!


次々に戦場を屍の山で埋め尽くすメタルとレイド


「鋼斬・破魔!!」


「爆水天拳!!」


「ギャァアアアアア!!」


次々に倒されていくイ-タ-の戦闘員達


「退け!退け---!!」



「お!撤退していくな」


「まったく、仲間まで巻き込む勢いだな、お前は」


「巻き込んでないだろ?」


にらみ合うメタルとレイド


「…知ってるか?」


「何を?」


「牢獄内で、ロックと金田が戦ってるそうだ」


「だから?」


「何だ?気にしないのか?」


「負けるだろ、金田」


「…キッパリ言うな」


「まぁ、ツキワさんとの勝負の後に、ロックと戦うって言う方が無謀だよ」

「負けて当然だ」


「…そうか」

「心配しないのか?」


「何が?」


「金田は、秋雨達が「扉」へ行くのを手伝ったそうだ」

「ロックなら、殺しかねない」


「…死なないさ」

「絶対にな」


「何故、そう言いきれる」


「勘…かな?」


「…適当な奴だ」



「それと、ガルスとオキナ達は?」


「オキナ達は、イ-タ-と戦っている」

「ガルスは…、見てないな」


「…何処に行ったんだ?」



ロシア支部、記録室


ガサガサ…


書類を漁る人影


「何やってるのかな?」


「!?」


「こんにちは」


笑顔で手を振るガルス


「…」


身構える人影


「やめときなって」

「君は、かなりの実力者みたいだけど…」

「俺には勝てない」


「…戦う必要性はないだろう?」

「同類」


「…「無眼のヴァトラ」だったけ?」


「そうだ」


暗闇から、ヴァトラが出てくる


「何を調べてた?」


「もう、解ってるんだろう?」

「俺の目的ぐらい」


「…城牙の奪還と「ある情報の入手」だろ?」


「その通り」


「…お前の正体は、俺達と同じだな?」


「そうだ」

「だから、「同類」だ」


「…調べてたのは?」


「「扉」の位置だ」


「…何?ホ-ムシック?」


「まさか!そんな物じゃない」


小さく笑うヴァトラ


「お前、ゼロを裏切ったのか?」


「裏切るはず無いだろう」

「この俺が」


「そりゃ、そうか」


「で、「扉」を見つけて、どうするつもりだ?」

「目的は?」


「…話す理由は無い」

「今なら、見逃してやる」


「…言うね」

「ヒヨッコ」


「「ヒヨッコ」?」

「それは格下の相手に言うことだ」


ヴァトラが目を閉じる


「聴眼、発動」


目をゆっくり開けるヴァトラ


「…その眼」


ヴァトラの目には、妙な紋章が刻まれている


「お前も使えたのか」

「眼を」


「…向こう側の住人だからな」

「使えて当然だ」


ガルスとは反対方向に向いて喋るヴァトラ


「お-い!こっちだぞ-」


「ああ、そっちか」

「この眼は、こういう所が不便だな」


「まぁ、眼を使えるって事は、それなりの実力はあるって事だな」

「戦うか?」


「そのために、眼を発動した」

「行くぞ」


バァァァァン!!


煙幕を使うヴァトラ


「密室で煙幕!?」


咽せながら、叫ぶガルス


「ここからが、俺の能力の見せ所だ」



ゴッ!!


「!?」


ガルスの背後から、蹴りが飛んでくる


「どうだ?俺の場所が解るか?」


「…「聴眼」ね」

「俺の音を聞いて、この煙幕の中から俺を攻撃してるわけだ」

「眼が使えないのに、攻撃できる」

「故に「無眼」か」


「…流石だな、その分析力は」


「それ以外に考えられないだけだ」


「…まぁ、解ったところで関係ないがな」


ゴゴッゴッゴッゴゴゴゴゴ!!


次々にガルスに蹴りが浴びせられる


「痛ッ…!!」


「避けられないだろう?」

「事が終わるまで、気絶して貰うぞ」


ガン!!


ガルスの脳天に蹴りが入る


「あが…」


バタン


倒れるガルス


「やっと、倒れたか」

「煙幕も引いてきた頃だな」


次第に薄くなっていく煙幕


「大人しくしていれば、良い物を…」


「「大人しく」なんて、性に合わないんだよ」


ブゥン!!


大斧を振り回すガルス


間一髪で頭を下げるヴァトラ



「…何だと?」

「起き上がれるのか?アレを受けて」


「無論だ」

「そこまで柔じゃないさ」

「音で避けた、お前も流石だな」


「…だが、先刻の一撃が効いていないワケじゃないだろう?」


「…まぁな」


膝を突くガルス


「流石に、2連戦はキツイかな…」


「俺の欲しい情報は手に入れた」

「アンタを殺す理由もない」


「あれ?殺すんじゃなかったのか?」


「お前は、今は仲間だ」

「利用価値もある」


「…なるほどね」

「この場を俺が見逃せば良いってワケだ」


「そうだ」


「じゃ、そうさせて貰うか」


「…直に、この戦いも終わる」

「ゼロと学園側が、イ-タ-の殲滅のために手を組んだからな」

「従って、城牙も釈放だ」


「…お前の目的は」


「「向こう側に行く事」とだけ、言っておこう」


「…解らんな」

「行って、どうする?」


「お前には関係ない」

「先刻も言ったようにな」


「…あっそ」


ガチャン


部屋から出て行くヴァトラ


「…もう、隠し通せないぞ」

「ロック」



牢獄内


「…やっとか」


倒れていて、一切動かない金田


「手間をかけさせやがって…」


プルルルルル


ロックの携帯が鳴る


「もしもし?」


「…ロックさん」


「何だ、神月か」

「電話をかけてきたと言うことは、片づいたのか?」


「…申し訳ありません」

「秋雨 紅葉と風華 柳舞、GLの3名が扉に入りました」


「!!」


「…取り返しの付かないことになりましたね」


「…早く、この戦いを終わらせる」

「パンドラの箱を、放っておくべきではなかったか」


「…そうですね」


パタン


携帯を閉じるロック


「やっと、行ったか」


金田が呟く


「…生きていたのか」


金田を睨み付けるロック


「ただじゃ死ねない」


「…お前達のせいで、この世界の均衡は崩れる」

「早急に手を打たなければならない」


「彼達がこんな事をしたのは、仲間のためだ」

「メタル達みたいにな」


「…お前達は疫病神か?」

「いつも、ロクな事がない」


「「疫病神」ねぇ…」

「間違ってはないかな?」


「…まぁ、どうでも良い」


階段を上っていくロック


「あれ?とどめは刺さないのか?」


「先刻も言っただろう」

「この戦いを終わらせる」とな」

「お前にとどめを刺している暇はない」


「…そうか」


「「どうしても」と言うなら、刺してやらないこともないがな」


「…遠慮しておくよ」


苦笑する金田であった…

読んでいただきありがとうございました

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