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前座

WG学園、北校舎前


廊下


「…誰だ?」


鏡燕の前に、文科が現る


文科モンガ 画布ガフと申す者です」

「以後、お見知りおきを」


「…イ-タ-の戦闘員だな?」


「はい、一応、No2ですから」


「…中ボスって、所か」


「まぁ、その様なところですな」

「私は「ゲ-ム」という類の物をしたことがありませんが」


「…そうか」


鏡燕が眼鏡を外す


「教えてやる」

「中ボスってのは「前座」だ」


「ほう、「前座」ですか」


「その後の大ボスを倒す前のな!!」


鏡燕が文科に蹴りを食らわす


しかし、平然と片手で防ぐ文科


「しかし、その「前座」に倒されてしまっては、大ボスまで行けないでしょう?」


「…そうだな!!」


片足を地面に降ろして、もう片方の足で文科を蹴り続ける鏡燕


「ふむ、中々、良い蹴りですな」


「そう言うアンタも、良い守り方だ!!」


「しかし、守っているだけでは勝てませんな」

「かと言って、私は戦闘向きではない」


「じゃぁ、何で俺の所に来た?」

「確かに、俺も戦闘向きじゃないがな」


「嘘を仰ってはいけません」

「「風紀委員会の会長、副会長職は、戦闘力も精神力もかなりの物だ」と聞いています」


「誰に?」


「蕗東様に」


「!!」


鏡燕の目つきが変わる


「「蕗東」だと…」


「どうなされました?」

「胸元が、がら空きですな」


文科が、鏡燕の胸元を狙って、ナイフを取り出して刺そうとする


「奴の名を、俺の前で言うな」


パキィィィィン!!


折れるナイフ


「な…」


「殺したくなる」



一気に下がる文科


「馬鹿な…!確かにナイフは無防備な所を突いたはず!!」


「俺の能力だ」

「受けた衝撃を倍にして返す」


「…カウンタ-ですな」

「恐ろしい技だ」


「…コレで解っただろう?」

「お前は俺に勝てない」


「そうですかな?」


「?」


「アナタの技は、服の下に仕込んだゴム板が肝でしょう?」

「雷属性の技で、ゴム板を強化し、衝撃を返しているんですな」


「…何故、そこまで解った?」


「言う必要性が?」


「無いな」


「そうでしょう?」


「なら、お前は言わなくて良い」

「俺が視る」


文科に突っ込む鏡燕


「下から、私の頭へ腕を伸ばす」


「!?」


簡単に避けられる鏡燕


「不意の攻撃に、能力は無意味」


ゴッ!!


脇腹へ文科の蹴りが入る


「がはぁ…!!」


吹っ飛ばされる鏡燕



「…お前、相手の心の中が見えるのか?」


「いいえ、見えません」

「正確には、コレが私の能力です」


(相手の次の行動が解る能力…か?)

(だとしたら、勝ち目がないのは…)


「アナタですね」


「!!」


「考えていることぐらい、解りますよ」


「やはり、心内が覗けるようだな!!」


「さぁ?どうでしょう?」


「だが、関係ない!!」


ガガッガガガガガガッガガガ!!


足数で押す鏡燕


「むぅううう!?」


「どうだ!?」


「無意味ですぞ」


パァン!


片手で足を払う文科


「結局は、攻撃してくる足は一本」

「それを払えば良い事」

「幼児でも解ります」


「く…」



「そこだぁああぁ!!」


「!?」


ドガァァン!!


文科の頬を、炎が擦る


「何者ですか!?」


「竜山 虎雨真!生徒会だ!!」


「竜山!!」


「大丈夫ですか!?鏡燕先輩!!」


「大丈夫だ!」

「お前、1人か!?」


「はい!首狩先輩達は、非戦闘員の誘導に当たってます!!」


「解った!!」



「くぅ…」

「不意打ちとは卑怯な!!」


構える文科


「気をつけろ!竜山!!」

「コイツは心を…」


言葉を止める鏡燕


(心を読めるのなら、どうして竜山の攻撃を避けられなかった?)


「ボウッとしている暇は有りませんぞ!!」


突っ込んでくる文科


「…そう言う事か!!」


ガァン!!


突っ込んでくる文科を蹴りで止める鏡燕


「竜山!!」


「はい!!」


「無駄です!!」


平然と避ける文科


「無駄だ!!」


ゴッ!!


鏡燕の蹴りが、文科の腹部に直撃する


「むぅ…!?」


ザザザ…


どうにか立っている文科


「何故、私に攻撃が当たったのですか…!?」


「考えてみれば、簡単な話だ」

「先刻、俺の攻撃は当たらなかったのに、竜山に攻撃は当たった」

「つまり、お前が心を読めるのは、1度に1人というワケだ!!」


「…ご名答です」

「流石ですな」


「能力の弱点がばれた時点で、お前に勝ち目はない」

「大ボスの元へ行かせてもらうぞ」


「…どうでしょうな?」


バッ!!


服を脱ぐ文科


「…何のつもりだ?」


「蕗東様の能力はご存じでしょう?」

「「核威力の爆弾を作り上げる」」

「しかし、ここで核威力の爆発は蕗東様すら巻き込む」

「なので、廊下一帯を吹き飛ばす威力です」

「無論、アナタ達を殺す威力は十分に有る」


「…まさか」


文科の背中には、蕗東の能力による文字


「蕗東様のために、この命!捨てましょうぞ!!」

「フハハッハハッハハハッハ!!」


「竜山!俺の後ろに来い!!」


「は、はい!!」


上着を広げる鏡燕


(間に合うか…!?)


北校舎


「良いコマだったな」

「文科」


「爆破」


北校舎前、廊下



「蕗東さ…」


ガァァァァァァァァァァァァァァン!!


激しい爆発による炎と爆風に包まれる廊下


「がっぁぁああああああ!!」


「鏡燕先輩!!」


ピッ!


竜山の顔に、血が飛んでくる


「…!!」


爆発を防いでいる鏡燕の手は、だんだんと裂けていく


「くぅうあうあああああああ!!」


力を入れる鏡燕に対し、さらに裂けていく鏡燕の手


「ああああああああああああああああ!!」


バァァァァァン!!


収まる爆風


「…がぁ」


バタン…


それと同時に、鏡燕が倒れる


「鏡燕先輩!!」


駆け寄る竜山


鏡燕が防いだ跡は、まるで崖のようになっていた


「アハハハハ!恐ろしいな!カウンタ-だから、倍の威力を地面に向けたのか」

「北校舎に向けなかったのは、舞桜のためか?」


蕗東が北校舎から出てくる



「頑張った方だな」

「死ぬのに変わりは無いが」


蕗東が、鏡燕の目の前に立つ


「「前座」は、お前だ」

「鏡燕」


鏡燕を踏み潰そうとする蕗東


「すいません、椿姫さん、会長、鬼怒…」


目を閉じる鏡燕



「させるかぁぁぁ!!」


ガァン!!


蕗東の足を殴り飛ばす竜山


「…ガキが」

「無駄だ」


「「無駄」じゃない」


ザッ…


「白刃之ォ…!!」


白刃之が竜山と鏡燕の前に立つ


「鏡燕を連れて、行け」

「職員室にな」


「は、はい!!」


「か、会長…」


「諦めるな、馬鹿め」

「早く行け!!」


走っていく竜山


「待ってたぜぇえええええええ!!」

「白刃之ォオオオォォォォオオォォォオォォオ!!」


「…ゲスが」

「舞桜は何処だ?」


「お前が知ってどうする!?」

「殺させろ!!」


「…出来ない相談だ」




読んでいただきありがとうございました

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