牢獄内と廃校の戦い
ロシア支部、牢獄内
「水蒸幻夢!!」
金田が四方に弾丸を発砲する
パァン!!
破裂する4つの弾丸
その破裂した弾丸が、蒸気となる
「…蒸気による幻覚か」
ため息をつく校長
周りが火の海とかしていく
「…熱いな」
「感覚まで支配する、お前の幻覚は流石だが…」
バァン!!
地面を強く叩く校長
その衝撃で、全ての蒸気が吹き飛ぶ
「俺に幻覚が効くとでも?」
「…流石に恐ろしいな」
「「「最強」の名は伊達じゃない」…か」
「無論だ」
「校長を舐めるな」
「…じゃぁ、コレはどうだ?」
金田が、片方の銃を放り投げる
(揺動か…?)
銃には目もくれず、金田の持っている銃に集中する校長
「その集中力がアダになる」
パァン!!
金田が1発、弾丸を放つ
「何処を狙っている!?」
弾丸は、校長とは全く別の方向に飛ぶ
それと同時に、金田に突っ込む校長
「俺の狙いは…」
ガチン
校長の背後で、弾丸が何かに擦する音がする
パァン!!
銃の発砲音
しかし、金田の銃から弾丸は出てない
ピチュン!!
校長の脇腹に弾丸が直撃する
「…!!」
「どうだ?当たっただろ?」
「何をした…!?」
膝をつく校長
「簡単な話だ」
「俺が放り投げた銃を見てみろ」
「!?」
金田が放り投げた銃の引き金には、何かが擦った跡
「まさか…!!」
「その通り」
「俺が投げた銃の銃口が、アンタに向いたとき…」
「引き金を狙って撃った」
「…「高度な技術」ってレベルじゃないぞ」
「お褒めのお言葉、どうも」
帽子を軽く持ち上げる金田
「…だが」
「勝てるか?」
平然と立ち上がる校長
「…容赦ないね」
「能力を使う気か?」
「俺の能力属性は真」
「身体能力の上昇という、基礎的能力だ」
「…その「基礎的能力」を制度を磨きまくって、Sランクにしてる馬鹿は何処のどいつだよ?」
「俺だ」
「…その通り」
「武器も使ってないし」
「…そうだな」
「お前と同じ武器だから、使うのは避けていたんだが…」
「手を抜いて勝てる相手じゃないな、お前は」
2丁の銃を取り出す校長
「行くぞ」
「…本当、容赦ないね」
「そうだ」
「学園は「扉」を守るためと、もう1つの目的のためにある」
「…そんなに、「扉」が大事か?」
「当たり前だ」
「お前はパンドラの箱の話を知ってるか?」
「…「開けてはいけない箱を開けて、様々な厄災が起きた」って言う、アレか?」
「そうだ」
「パンドラの箱ね」
「妙なことを言うな」
「…何が、だ?」
「お前が言ってるのは、「俺達が厄災だ」って事だぞ?」
「…間違いじゃないだろう」
「…言えてるね」
「あの「扉」を作り出した「奴」の尻ぬぐいをしなきゃならないのは、気に障るがな」
「…まったくだ」
「だが、その「厄災」を再びこの世に呼ぼうとしているお前達を許すわけにはいかない」
「…そうか」
「行くぞ!!」
廃校、地下
「はぁ-、はぁ-」
膝をつき、傷だらけの柳舞
「確かに、生徒の中で君は最強でしょう」
「しかし、世界は広いのです」
刀を振り払う神月
「良いですか?私は仲間を庇って勝てるほど、甘くありません」
「その2人を切り捨てるか、諦めるかしなさい」
「くぅ…!!」
「…舐めるなぁ!!」
凩が巨大な時計を開ける
「Reproduction time!!」
ズズズッズ…
凩と白珠の体の傷が治っていく
しかし、以前として白珠は気絶したままである
「…アナタの能力、時を戻すのですか?」
「「Reproduction time」…」
「「再生時間」と言う意味ですね」
「そうだ!!」
「…時間を戻すなど、神の領域の能力です」
「しかし、それ程の能力を、どうして今まで使わなかったんですか?」
「…!!」
「エネルギ-を異常に消費するからでしょう?」
「…そうだ、その通りだ」
凩が構える
「凩、ここから出て行くんだ」
「リ-ダ-…」
「俺に任せて、白珠と出て行け」
「…解った」
「死ぬなよ?」
白珠を背負う凩
「無論だ」
苦笑する柳舞
「心配しなくても、殺しはしません」
「情報を吐いて貰わなくては」
構える神月
「…まぁ、そこのお嬢さんには、用は有りませんから」
トン
「!?」
凩の視界から、神月が消える
「故に、殺しても良いのです」
「しまっ…!!」
白珠の喉元に刀が向けられる
「らぁああっっぁあ!!」
バガァァァァン!!
柳舞が蹴りで神月を吹っ飛ばす
「ぐぅ…」
「はぁ!はぁ!!」
「やりますね」
「しかし、かなり体力を消耗しているようだ」
「…チィ!!」
「すまない!リ-ダ-!!」
「早く行け!!」
「お、おう!!」
急いで地下から出て行く凩と白珠
「…ふぅ」
「どうしたんですか?ため息なんかついて」
「やっとだ」
「?」
「やっと、本気が出せる」
柳舞が足を小さく上げる
ドガガアァァッァアッァァァ!!
床に着いた足は、床を蹴破り、ひび割れさせる
「…!!」
「どうした?「世界は広い」んだろ?」
「…今までは、仲間を思って本気を出していなかっただけのようですね」
「そうだ」
首をならす柳舞
「まったく…、仲間思いのリ-ダ-ですね」
「アンタも、仲間を思ったらどうだ?」
「私にその様な感情は許されませんよ」
「「総督」と言う、汚れ職に就いた私には、ね」
「…そうか」
「そうですよ」
パァン!!
拳を合わせ、大きく鳴らす柳舞
「行くぞ、神月」
「本気の俺を見せてやる」
「…良いでしょう」
「暁を持った私の実力をご覧に入れましょう!!」
読んでいただきありがとうございました